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LINEは2017年7月26日、LINEアプリ等から簡単にフードを宅配できる新サービス「LINEデリマ」のサービスを開始しました。
「いますぐどこからでも」というコンセプトで出前館の全国約1万4000の加盟店ネットワークに対しLINEアプリなどから簡単に注文をすることが可能で、LINE Payでの支払いやLINEポイント獲得もできるようになります。
LINEデリマは成長戦略の根幹を担う事業
2017年6月23日に6周年を迎えたLINEは、年次カンファレンス「LINE CONFERENCE 2017」において次の5年のコンセプトを「コミュニケーションファースト」とし、成長戦略として3つを挙げています。
1.コネクテッド
2.ビデオライズ
3.AI
「「LINEデリマ」は、この一つ「コネクテッド」の一翼を担うサービス」とLINE株式会社 代表取締役社長 出澤剛氏は語ります。
「過去展開したLINE WOWの運営によって大きな可能性を見出しつつも日本全国にスピード感を持って展開していく方法を模索していました。そこで夢の町想像委員会が持つネットワークを活用することに至りました。
出前市場は現時点で4000億円あるといわれており前年比で10%以上成長しています。LINEデリマでは単純に出前ができるだけでなく、LINE Payで支払えたり、LINEポイントを獲得できたりします。6800万人のユーザー基盤を使い、さらに拡大できるのではないかと思っています」(出澤氏)。
出前館のサービスがLINEデリマとして進化
出前館は2016年7月20日に「出前館 on LINE」として注文ができLINE Payで決済できるアカウントを運営しており、着実にユーザーを拡大するなどリピーターも増加するなど成果を得てきました。LINEデリマは、これを引き継いだサービスとしてより進化拡大したものとなるとのことで、LINEは出前館加盟店のロイヤリティの一部を手数料として受け取る仕組み。
LINEアプリから「ジャンル」「店舗名」「エリア名」で検索できるほか、チャットで対話型で注文したり、位置情報から注文できる店舗を探すことができるほか、購入履歴や属性などからおすすめ商品をプッシュ通知もされます。
LINE株式会社 執行役員 藤井英雄氏は「帰宅途中で注文して、家についたらすぐ出前が届く。最終的には一回の配達で、食品だけでなく、スーパーの買い物なども一括でお届けすることができるようにしたい」と話します。
LINEデリマのシェアリングデリバリー戦略
LINEデリマで注目されるのが、出前館が2016年6月から展開しているシェアリングデリバリーの仕組みです。
出前館を運営する夢の街創造委員会株式会社 代表取締役社長 中村利江 氏は「出前館は2000年に創業して、スマートフォンの普及によって急速に需要が広がってきました。社会背景としても一人暮らしが増え、女性の社会進出にともない家に暖かいものを届けてもらいたいというニーズが高まっています」と話す一方で昨今問題になっている配達員のオペレーション負担を解決するため、新聞販売所などを配達拠点としてネットワーク化しようとしています。
「新聞配達所などの配達拠点あたり20から25店舗くらいの店舗があるようなデザインで、現在の食品だけでなく日用品などへの対応も近いうちに可能になると考えています。規模については現在は11拠点ですが、収益予測が立つとみられるエリア230箇所には順次拡大していきたい考えです。その後もLINEデリマの成長にあわせて全国に拡大したいと考えています」(出前館/夢の街創造委員会 中村利江 氏)
実際に、2017年3月から東京・恵比寿で出前館とシェアリングデリバリーのテストを実施した吉野屋の代表取締役社長 河村泰貴 氏は「吉野家といえば男性がほとんど(80%)という店舗ですが、スマホから依頼するシェアリングデリバリーでは女性の比率が多くなり、新しい客層の獲得につながっています。また、社リングデリバリーの場合、店舗にかかるオペレーション負担がないため、現在の10店舗から適宜増加していきたいと考えています」と話します。
LINEは1年たらずでサービスを停止したデリバリーサービス「LINE WOW」の反省点として拡大戦略が描きにく時間がかかるとしていますが、シェアリングデリバリーの拡張可能性やスマホ&LINEとの相性が今回の「LINEデリマ」サービスインの最大の要因と考えられます。また、LINEの成長戦略のもう一つの核にある「AI」への期待も強く。将来的にはユーザー一人一人に対するパーソナライズされた提案ができるようになると業界が変わるという見方もあり、今後の進化が注目されます。
【関連URL】
・LINEデリマ | LINEで簡単注文できる出前・宅配・デリバリーサイト
https://delima.line.me