キャラクターを軸にスタンプやゲーム事業を世界で展開するクオンは2017年7月24日、東宝を引受先とする第三者割当増資を実施したと発表しました。また、あわせて両社間で業務提携契約を締結し、スタンプ・キャラクター事業の展開を加速させることを発表しています。
クオンは2011年創業。キャラクターを軸としたコンテンツで世界マーケットに進出するという目論見で、スマートフォン向けメッセージアプリ（LINE/Facebook/WeChat/KakaoTalkなあど）を対象としたキャラクタースタンプ配信およびライセンスビジネス、ゲーム配信などを展開しています。
東宝との提携により、スタンプのみならず、もともと得意だったキャラクターベースのコンテンツ展開として、動画やVR/AR向けの新しいコンテンツを制作中する考え。今後、両者は新規キャラクターの共同開発・所有を皮切りに、 双方の持つマーケティング資産および手法を活用した共同事業を行なって考え。
個性的なキャラクターでアジアを席巻
クオンのキャラクターは、多くの人に印象が残る個性的なものばかり。2017年6月末時点で、全世界累計で19億ダウンロード（有料/無料スタンプ合計）を達成するなど圧倒的なパフォーマンスを発揮。日本以外のユーザー比率は有料スタンプの50%超、無料スタンプでは99%超。
スタンプで人気の出たキャラクターについては、2016年からライセンスビジネス展開しており、国内外で20社を超えるライセンスパートナーを獲得。2017年7月にはマーケティング拠点としてタイに加え中国法人を設立し、アジア地域でのライセンスビジネス展開を加速しています。
クオン主要9キャラクター
（1段目左） 「うさぎゅーん」 韓国のKakao Talkで2017年6月にスタンプランキング1位達成。
（1段目中）「シュガーカブス」 Facebook Messengerで2.7億ダウンロード。米国、東南アジアで人気。
（1段目右）「ミスターエッグ」 WeChatで2億ダウンロード。中国で人気。
（2段目左）「ビジネスフィッシュ」 Facebookで1.8億ダウンロード。米国をはじめとした英語圏で人気。
（2段目中）「ベタックマ」 LINE、Kakao Talkで有料スタンプ120万ダウンロード。LINE、KakaoTalkで1位達成。
（2段目右）「エリス」 WeChatで4億ダウンロード。中国で人気。
（3段目左）「ぴよまる」 Facebook、LINE、Zaloで1.8億ダウンロード。東南アジアで人気。
（3段目中）「マスクマンQ」 Facebookで1億ダウンロード。米国、メキシコ等で人気。
（3段目右）「しりミミちゃん」 Kakao Talkで2017年5月にスタンプランキング1位達成。
東宝としてのベンチャー投資
東宝としてアプリなどに資本参加するケースは最近では2015年のキャラクター投稿アプリ「コミコミ」が記憶に新しいですが、クオンのような新たな価値作りに挑むベンチャーへの投資は実質的には初のこととみられています。
クオン代表取締役社長の水野和寛氏は「東宝さんの過去のIP資産をリメイクさせてもらったり、一緒にキャラクター開発したりという共同事業を展開する一方、IP・アニメ・キャラクターのようなエンタメ系のスタートアップさんを東宝さんに繋いでシナジーを発揮できるようなイベントを実施する動きも始めています」と話します。
「スタンプが世界の流通網を撮りやすかったので専念していましたが、ようやくざまざまなキャラクタービジネスに展開する準備が整いました。グローバルマーケティング視点でも、コンテンツも動画/ライブストリーミング/AR/VRとキャラクターを活用しやすいメディアが増えて来た良いタイミングで新たなスタートを切ることができました」（水野氏）。
【関連URL】
・Quan Inc. | 株式会社クオン
http://quan-inc.jp
・クオン、東宝へ第三者割当増資を実施。スタンプ・キャラクター事業の展開を加速
http://www.dreamnews.jp/press/0000156976/
