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欲しくなる高性能ポケットスキャナ「Pupscan」

PUP SCAN

どれだけスマートフォンが普及しても無くなることのない紙の資料。あとで読みたい、けど、がさばる。展示会で配布されたチラシをもらいまくったのはいいけど、重くて大変。など誰もが紙について思うことはあるはず。

フランスのスタートアップが開発した「Pupscan」を使えば、そんな紙のデジタル化の悩みは一気に解消するかもしれません。


この小さなスプレー缶みたいなデバイスは、あらゆる紙の情報をスキャンできるポータブルデバイスなんです。重さはなんと200g。バッテリーは1000枚分をスキャンするまで使えます。

使い方はこんな感じ。本体を握って、上にあるボタンをクリックすると、スキャン範囲が投影される仕組み。もう一度押せば最大1000dpiの解像度でデジタルデータに変換してくれるというものです。

2016年末に、米クラウドファンディング大手の「IndieGoGo」でキャンペーンを実施した際、目標額の364倍となる76万8534USドル(およそ8667万円)の資金を獲得したことで脚光を浴びました。

そもそも、創業者で元オペラ歌手のRenaud Pelissier氏が楽譜を手軽に高精細にスキャンして仲間に分けたいと思ったとき、それを叶える方法が限られていること気がついたことがきっかけで生まれたそうです。

ですから、「Pupscan」はスマートフォンに搭載されているカメラより高性能なものを搭載、LEDライトもさらに大きく性能が高いモノを採用。2つのライトを使うことで光の映り込みなどを回避できるようになっています。

さらにはレーザー照射による特殊な技術で、紙のゆがみや、ずれ、余分な部分を的確に修正&トリミングをすることが可能。

解像度は最大1000dpiで、A8からA3サイズまでをスキャンすることを可能にしています。わかりやすい例でいうとA4なら500dpiと、ポータブルなドキュメントフィード型のスキャナ(例富士通ScanSnap IX100)に匹敵する性能を持っています。

完成されたユーザー体験

「Pupscan」はスキャンした2000枚分のデータを本体に蓄積することが可能ですが、ワンタッチでメールやFacebook、Dropbox、Googleドライブ等などの送り先を指定することで自動転送することも可能です。

「Pupscan」の素晴らしいのはこうした一連の操作を、本体グリップを握っている状態で行えるという点です。

共同創業者でありデザイナー、ブランドマネージャーを務めるAlexandre Hemery氏は「Pupscanで重要視したのは3つです。最下部のカメラやライト、ボディ側にある送付先を選べるタッチスクリーン、そして最上部のボタンです。それぞれの性能を追求しながら、最終的にブレずにスキャンできるような本体の素材やボタンのデザインにしています」と話します。

「例えば、今日(2017年10月4日,CEATEC会場)持ち込んだプロトタイプは正方形の筒型だけど、最終的な製品はもっと人間工学的にすぐれた形状になっていて、グリップ時により安定しやすいようなデザインが加わっています」(Alexandre Hemery氏)。

左)日本カントリーマネージャーのMegumi Shirosawa 氏・右)共同創業者 Alexandre Hemery氏

「Pupscan」は2017年年内の出荷に向け鋭意開発中で、日本では2017年10月2日からクラウドファンディングサイト「モーションギャラリー」でプロジェクトを実施中。一般予定販売価格の58%オフの1万8000円からという手頃なメニューが用意されており、すでに1日たらずで目標額を達成。現在も支援者が続々と集まってきています。

【関連URL】
・Pupscan
https://www.pup-scan.com/ja/
・クラウドファンディングサイト「モーションギャラリー」のPupscanページ
https://motion-gallery.net/projects/pupscan

蛇足:僕はこう思ったッス
 入手した紙は全てEvernoteに保存している僕にとって、「Pupscan」はこれ以上望みようのない製品。毎日のようにドキュメントスキャナを使っている僕にとっては、小型なのも重要だけど、スペック通りに安定して動くかどうかに注目している。
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