サイトアイコン TechWave(テックウェーブ)

シンガポールで「Japan Point」試験展開、日本食シェア拡大のO2Oマーケティングの行方 【@maskin】

 シンガポールで顧客獲得&販促事業「JPassport」を運営する「REGINAA」は2016年2月14日、日本食への関心を高め消費拡大を促す施策としてポイントサービス「Japan Point」のテストマーティングを開始した。「JPassport」の利用者は10万人以上でシンガポールトップクラス。経営者は、日本人の大畠佑紀 氏だ。

 シンガポールの面積は710平方km(国連発表)。日本の38万平方kmと比較するとかなり小さいが、ここに530万人が暮らしている。人口密度は世界第2位。外資および海外企業誘致に国が前向きである点、立地的にASEAN地域への移動が有利であり、シンガポールを入口にASEAN地域へのビジネスを展開するという人が多く見受けられる。

 今回の取り組みは日本食にターゲットしたもの。シンガポールは国内消費の農作物を輸入に頼っているものの、日本からの輸出は減少傾向にあり、輸入額でみると全体の2%のシェアと少ない状況。しかしながら、シンガポール内の日本食レストランは急増しているというギャップがあり、まずはこの状況を改善するという考えだ。

 「Japan Point」の取り組みでは、提携している小売店や飲食店で日本食を購入することでポイントをためることができ、ポイント数に応じて日本への旅行や日本の農産物などへと交換できる。(写真は、ISETAN SIGAPOREでの「Japan Point」展開)

 REGINNA社顧問で「Japan Point」の立ち上げにも協力した、在シンガポール Diixi社 CEO 小林慎和 氏は「Japan Pointを皮切りに、世界における日本産食品のシェアを高めたいと思います。フランス12%、アメリカ7%、中国8%、イギリス5%なのに、シンガポールの日本食シェアは2%しかありません。日本みんなでまとまって少しでも多く日本を世界に広めたい」と語る



【関連URL】
・REGINAA The future of mobile marketing
http://www.reginaa.com/
・JPassport
https://www.passp.asia/

蛇足:僕はこう思ったッス

シンガポールだけの話のように感じられる人もいるかと思うが、シンガポールはグローバルと接続された国でここでのシェアは、ASEAN全体のシェアに近しいものとなる傾向がある。シンガポールで日本食に触れてファンになった人は、ASEANに拡がり、現地での成長の火種となる。ここでの成功プロセスは、ASEANの未来を覩ることと近しいものとなる。先日、香港のことを簡単にレポートしたが、こちらもグローバル前提の国で似たようなことが言える。特にシンガポールや香港における、日本からの海外進出は、単に外貨獲得どうこうではなく、未来のグローバルシェア獲得の礎となる。
モバイルバージョンを終了