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【結果まとめ】スタートアップワールドカップ2020 ジャパンファイナル #startupworldcup

スタートアップワールドカップ

スタートアップワールドカップ2020

米ペガサス・テック・ベンチャーズが世界規模で展開するスタートアップのプレゼンテーションコンテスト「スタートアップワールドカップ」の日本予選決勝が本日(2019年11月28日)、東京都内で開催されました。

コンテストは世界60地域で予選が行われ、2020年5月22日に米サンフランシスコで開催させる世界大会では、各地域代表が約1億円の投資賞金を争うというものです。

当イベント第1回の優勝者は名古屋市の「ユニファ」だったということもあり、世界に通ずる日本のスタートアップが再び事業創生の世界の頂点に達集うか注目が集まります。また、スポンサーの一つであるサガサミーグループからは日本予選優勝者に5000万円の賞金が用意されています。

スタートアップワールドカップとは

「スタートアップワールドカップ」は、日本留学の経験もあるアニス・ウッザマン氏が創業したベンチャーキャピタル「ペガサス・テック・ベンチャーズ」が運営。現在、16拠点105名のメンバーが、24のファンド、1600億円規模の投資資産を運営しています。

「スタートアップワールドカップ」は、世界にイノベーションを活発化し、起業家を輩出することを目的として4年前にスタートしたもので、60の国と地域から5万社が応募。日本エリアでの応募数は105社。

本日開催される最終決定戦では厳しい審査をくぐり抜けたファイナリスト10社が英語のプレゼンテーションを行います。審査はスタートアップのプロ8名とオーディエンス審査によるもの。審査が70%、ソーシャルメディアでの投票が30%という比率になっています。

10社のプレゼンテーションまとめ

  1. サウンドファン

    聴力が弱まっている人も聞こえやすく音を送信する「MIRAI SPEAKER」.曲がった独特の板を使い、離れてもすっきり聞こえやすい音を発音する仕組み。音量を上げずに聞こえやすい音を出せるため、日本の29の空港カウンターで使われている。2020年にはC向けの「MIRAI SPEAKER HOME」をリリース予定。月額1000-1500円のサブスクリプションの展開も検討。

    蛇足)
    高齢の方の聴力低下は深刻で、耳元で聴けるリモートスピーカーが売れている。音量を上げたら周りの人にはうるさすぎるためだ。これを音量ではない方法補うで解決できるとしたらニーズは大きいだろう。

  2. シナモン

    エンタープライズ向けに複雑なデータをAIで分析するサービスを提供。正規化されていないような伝票などのデータをデジタル化、構造化してデータ分析のソリューションにかける仕組み。すでに日本の大手企業50以上が導入。初期導入費が1000万~1億円、10-30万円の月額ライセンス。一般的なSaaSと同じくらいの継続率を想定。4か国100人以上のAIリサーチャーを抱えている。セールスはアメリカ・オースティン、開発陣はベトナムと台湾に150人ほど賭けている。顧客、投資家など。

    蛇足)
    リーガルテックなどの領域で世界でさまざまなAIスタートアップがいる中で。事業実績と開発チームを着実に拡大させている点で評価。

  3. ムスカ

    昆虫を活用する技術によって土壌改善や病原菌抑制効果がある肥料を製造。オーガニック廃棄物マネジメントとプロテイン食材を提供する。動物などからの廃棄物をハエの卵に食べさせ幼虫を育てることで、それを品質のよい高いプロテインの餌とするという仕組み。

    蛇足)
    ポテンシャルは大きそう。ただ、英語のプレゼンにつまづいたのがちょっともったいない。

  4. ハチたま

    家族の一員であるペット「猫」の病気などのリスクを早期に把握するためのソリューション「toletta」を開発。ペットは何かがあっても伝えられない。それに対しモニタリングデバイスを開発。6億の猫がおり、1320億ドルの市場がある。製品版の「toletta」は3万円、月額500円のサービスながらAmazon.co.jpで2000台を販売し一位の売り上げを達成。当面は猫にフォーカスし、将来は横展開も描く。

    蛇足)
    IoTプロダクトは数あれどサブスクリプションと連携して成長し安定的に成長できる企業は少ない。ただ、実際、tolettaを使っているユーザーと知り合いがいるが、その信頼度は高いようで今後に期待される。

  5. ノルミー(NORMEE)

    手のひら静脈ハイブリッドID認証。手のひらの指紋を可視光線だけで承認に使える強い技術資産を持つ。2018年、コンピュータセキュリティ世界基準であるコモンクライテリア認証を世界で初めて取得。日本、アメリカを初めとする10か国で特許を取得。iPhoneやギャラクシーなどの生体認証よりも高い信頼性を持つ。現在はB2Bのソフトバンクモバイルの店頭確認で使用されており、JCBをセールスパートナーとして日本に次海外で展開する計画。

    蛇足)
    技術は素晴らしい。あとは導入のサイクルが生まれるかどうか。強いセールスがあっても、マーケットニーズにハマるかどうかは別。審査員の方も気になっていたが、そこが焦点となりそう。

  6. トイメディカル

    世界の死因のトップは高血圧によるもの。塩分吸収を抑制するサプリメント「Del Sol(デルソル)」を開発。食事前に服用するもので、味が変わらないというのがポイント。サプリメントはC向けでドラッグストア1万店に展開。高血圧につながらない塩もB向けに販売。

    蛇足)
    病気につながらない、何も味がかわらない塩なら世界が変わる可能性もあるように思った。

  7. アップセルテクノロジィーズ

    あらゆる業界の売り上げ向上につながるAIによって効率化された「RYODATA」を提供。営業シナリオをAI活用で自動で作成、月コールセンターからの営業を500万通話展開し、その成果などをAIに学習させるサイクルを持つ。16年の経験があり、4500社以上のクライアントがいる。2004年創業。2005年に四国電力グループとの取引がきっかけで成長。

    蛇足)
    コールセンターという発生事態が時代遅れとなっているという課題はあるが、営業トークとその結果が蓄積され有効活用できればいずれチャットボットなどにも応用できるのではないだろうか。

  8. Lily MedTech

    女性の死因で最も多い。呼吸器癌を、乳房を圧迫するなど辛いマンモグラフィー検査ではない方法で発見する。新しい超音波技術をつかって胸全体の映像を取得し、AI分析によって異変を発見する仕組み。検査機は年間4500ユニットが売れている、検査市場は年間34億ドル。リモートで検査・分析を行うことで、世界30億ドルの市場がターゲットとなる。2016年創業、大手機器メーカーの出身者が多い。

    蛇足)
    昔からある超音波検査と同じではなく、他の高額な検査手法に匹敵する精細な映像が取得できるとのこと。技術はイノベーションを生む。

  9. フローディア

    セミコンダクター企業のボトルネックを解消。向上、医療、コールセンター、リテール、AIスピーカーなどAIが世界を変えているが。リアルタイム・ネットワーク、AIエッジコンピューティング。不揮発メモリーを使うことで電力に限らず情報を保存することができる。対象市場はパワーメモリやアナログ系メモリ。

  10. Looop

    太陽光発電発電を筆頭とした再生可能エネルギーを効率的に利用できる一連のサービスを展開。2011の東日本大震災のボランティアとして活動した2人が創業。32.4円/kwhをもっと安くすることができるという信念で、複数の自然発電エネルギーを効率的に組み合わせて消費するクラウドサービスを展開。売り上げ540億、海外も数億単位で。営業利益は8億円。

結果発表

まず特別賞から

日本マイクロソフト賞は、生体認証技術「ノルミー(NORMEE)」。

サントリー賞は、オーガニック肥料製造技術「ムスカ」。

セガサミーグループ賞は、AIによるレガシー文書をデジタル化する「シナモン」

優勝は?

再生可能エネルギー事業「Looop」

おめでとうございます。

【関連URL】
・[公式] Japan Regional | Startup World Cup 2020

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