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海外担当なら要チェックや!ロシアのIT企業トップ3

 

[読了時間: 8分]

2000年以降、急成長を重ねてきたロシアのITサービス市場規模は2014年、6,500億円規模に達した。 このロシア語でのインターネットサービスや情報網は、‘Ru-net’(ルーネット)と総称される。対象範囲はロシア・ベラルーシ・ウクライナ・バルト三国や中央アジア諸国など、いわゆるロシア語圏と幅広い。実はGoogleやFacebookなどのグローバルな企業よりもローカルなブランドの方がシェアを伸ばしているのも、特徴的だ。今回は ’Ru-net’ のサービスを提供する企業トップ5をご紹介します。
(なお社名横の「通称」は、アユーシャ個人の独断と偏見に基づくものやで!)

Yandex(Яндекс、通称 ロシアのGoogle)

Yandexはロシア語圏最大の検索ポータルサイトだ。1997年にアントレプレナーでプログラマーのアルカディ・ヴォロジ氏とアルカディ・ボルコヴィスキー氏、イリア・セガロヴィッチ氏によりサービス開始された。2015年の総ユーザー数は9,500万人。ロシアでのシェアは約65%、ウクライナやベラルーシでも50%を越えている。2013年の総利益は856億円(約395億ルーブル)。現在は検索サービスのほか、地図情報サービスの Yandex.Map、翻訳サービスの Yandex.Translate、電子決済プラットフォームの Yandex.Moneyなど他23サービスも、多くのロシア人の生活に欠かせない存在だ。

(ちなみにYandex創業の翌1998年、アメリカではGoogleが事業開始。ファウンダーの一人であるセルゲイ・ブリン氏は、旧ソビエト連邦・モスクワ市内の東欧系ユダヤ人の家庭で育っている。このことは、ロシア人のIT業界関係者ならみんな知ってんで!)

 

Mail.Ru(通称 ロシアのYahoo!+ Facebook)

Mail.Ruは1998年、メールサービスを提供する会社として創業した。Mail.Ruドメインのメールアドレスは「ロシア人なら誰でも持っている」と言われるほどであり、ポータルサイト含め月間UUは約5,250万。調査会社comScoreは2013年の調査で「ロシアで最も滞在時間の長いWebサイト」と紹介した。 サービス開始当初、Mail.Ruはユージーン・ゴーランド氏、ミハイル・ザイツェフ氏、アレクセイ・クリヴェンコフ氏の3名により運営されていたが、2001年に業界第2位の NetBrigde と合併。同社からユーリ・ミリネール氏とドミトリー・グリシン氏が経営陣に参加した。両氏は翌2003年、ロシア最強と言われる投資集団 Digital Sky Technologies を創業し、ロシア語圏の人気サービスの株式取得やM&Aを積極的に進めており、現在はロシア語圏で最も人気のあるSNSのVKontakte(フコンタクテ、以下VK)やOdnoklassniki(アドナクラースニキ、以下OK)もMail.Ru傘下にある。VKのDAUは5,400万人、OKは4,000万人。Facebookのユーザー数2,400万人を大きく引き離している。

(ちなみにMail.Ru本社は、ガラス張りの27階建てのビル!最上階に展望台、社員専用のカフェテリア(無料!)もあるんやで!)
Photo by Цукерберг Позвонит

Yota(Йота、通称 ロシアのApple)

Yotaはご存じなくても、「背面がE-inkディスプレイのスマホ」のニュースをご覧になった方も多いのでは?「Yota Phone」または「Yota Phone2」という特徴的なスマホは、ロシアの通信会社Yotaが発売したロシア製のデュアルスクリーン・スマホだ。 Yotaの前身は2008年にロシアで初めてWiMAXを敷設したScartel。2012年以降はロシア連邦内の9都市でLTE回線を提供しており、4G回線エリアは180都市をカバーすることを目標としている。 Yota Phone は2013年の Mobile World Congress で詳細情報が発表されてから、世界的にも注目を集め続けてきた。Android ベースのスマートフォンに、バッテリー消費が少なく太陽光の下でもハッキリと表示されるE-ink の画面を搭載している点は、WIREDで ‘BACK TO FRONT’ と紹介された。 最新モデルのYota Phone2アメリカでの発売は、クラウドファンディングサイト IndieGoGo で出資を募っている。期限は2015年7月20日まで!$550(約6万7000円)で1台、または$1050(約12万9600円)で2台購入できる。

(ちなみにYota Phone2は日本のLTE帯域には対応していないんやて。残念やねぇ…。)

ロシア市場について

ロシアや旧ソビエト圏の市場は、なんとなく大きそうなイメージが広がっていながら、その実態はまだまだ日本では知られていない。今回はもっとも有名な3社を取り上げたが、今後も現地モバイルキャリア三強(MTC、Beeline、Megafon)、モバイルアプリ開発会社、スタートアップ情報、モスクワのローカルなIT事情などご紹介していきます。

【関連URL】
Yandex (Traded as NASDAQ: YNDX, MCX: YNDX) https://www.yandex.ru/
Mail.Ru(Traded as LSE: MAIL) https://mail.ru/
Yota https://yotaphone.com/ru-en/

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