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博報堂DYホールディングスが「生活者発想」でベンチャーとの公募型共同開発プログラムを開始。



博報堂DYホールディングスは2月1日、スタートアップ/テクノロジー企業等と共創し、オープンイノベーション型でテクノロジー開発を推進する「公募型共同開発プログラム」を実施することを発表しました。

プレスリリースによると『デジタル化が加速し、様々な分野でIoTが進む中、生活者を取り巻く情報接点も多様化しています。博報堂DYホールディングスでは、これまでも、「先進的かつ創造的な統合マーケティング・ソリューションの提供」を通じ、社会や生活者に活力を与え続けてまいりました。

既存の枠組みにとらわれない、新たな価値創造を加速するには、マーケティングテクノロジーが重要な役割を担うことから、このたび、外部のスタートアップ/テクノロジー企業等とのスピーディで革新的なテクノロジー開発を目指し、本プログラムの実施にいたりました。』と語る。

同プログラムでは「生活動線系メディアテクノロジー系」を対象に、次の3テーマで募集を開始します。

■募集テーマ

・屋外空間ソリューション:看板やサイネージなどの屋外メディアや、空港や鉄道などの交通系メディアを通じて生活者に新たな発見や体験を提供するソリューション

・店舗空間ソリューション:商業施設、小売店舗、その他施設における生活者の購買体験に、新たな気づきや驚き、発見を生み出すソリューション

・住空間ソリューション:家庭内における生活者の行動を捉えて、リコメンド・ナビゲーションをすることで、生活者に新たな発見や体験を提供するソリューション

公募で選定されたスタートアップ/テクノロジー企業等と共同開発プログラムを通して実証実験の計画を立案し、プログラムの終了後、個別に採択された企業とは、実証実験の遂行、サービス・プロダクト開発、業務提携などの計画を検討していく。

スケジュールは2018年2月1日に特設WEBサイトが開設され、スタートアップ/テクノロジー企業等の募集を開始する。2月15日と19日には、スタートアップ/テクノロジー企業等向け説明会を開催。

2月28日に応募が締め切られ、3月1日から書類審査/面談審査が開始される。そして4月9日にスタートアップ/テクノロジー企業等の選定が行われ、4月18日から共同開発プログラム実施されます。

■スケジュール

・2018年2月1日:特設WEBサイト開設スタートアップ/テクノロジー企業等の募集開始
 
・2018年2月15日・19日:スタートアップ/テクノロジー企業等向け説明会の開催
 
・2018年2月28日:応募締切
 ・2018年3月1日~:書類審査/面談審査
 
・2018年4月9日:スタートアップ/テクノロジー企業等の選定
 
・2018年4月18日~:共同開発プログラム実施(実証実験計画の策定:約 2~3 か月)

本取り組みは、“生活者データ・ドリブン”マーケティング対応力の強化の一環であり、上記の観点も含め、引き続き、生活者 DMPを強化するなど、サービス提供体制を強化していくとのこと。

株式会社博報堂DYホールディングスのマーケティング・テクノロジー・センターのグループマネージャーで本プログラムを担当する佐藤智施氏は『リアル空間に新たなデジタル接点を生み出し、生活者へ新しい発見や気づきを創り出すことを掲げています。その実現のために、生活者発想を大切にしているとのこと。

「生活者発想」とは、人を、単に「消費者」として捉えるのではなく、多様化した社会の中で主体性を持って生きる「生活者」として全方位的に捉え、深く洞察することから新しい価値を創造していこうという考え方です。

日頃から「生活者発想」を意識して、テクノロジー開発に取り組んでいる私たちと協業することで、ベンチャーの方々にもメリットをもたらすことができると思います。

また、プログラムの終了後、個別に採択された企業とは、弊社のリソースを活用してサービス・プロダクト開発の検討を行うチャンスがあることは、ベンチャーの方にも魅力的に感じてもらえるのではないでしょうか。」と語っています。

株式会社博報堂DYホールディングスのマーケティング・テクノロジー・センターの上席研究員で、同じく本プログラムを担当する森山聡氏は「これまでにも多くのベンチャーと協業をしてきたが、自社でやった方がいい開発と、外部と連携した方がいい開発がある。特にテクノロジー開発のスピードが求められるものは、外の会社と対等の立場で組んでいけたらと思います。」

本領域の取り組みを検討し始めたのが15年12月で、17年9月ごろから公募型共同開発プログラムを検討開始したとのこと。

テクノロジーの開発は、どうしても目の前で必要とされているニーズにフォーカスしてしまうことが多い中で、中期的な視点含め、周辺領域含め広く技術シーズを組織全体で共有していく仕組みが必要だと考えたそう。

「本プログラムは、実証実験の計画策定をするプログラムであり、たくさんのベンチャーと出会いたい。なので、応募書類は簡素化している。』とのこと。

アドテクノロジーはリーマンショックを契機に金融系エンジニアが取り組んできたことで、変わってきた。今回のプログラムでも広く協業の可能性を探り、新しいテクノロジー開発の可能性を探求していきたいとのこと。

また、今ある既存のテクノロジーを応用することで屋外空間や店舗などで利活用できるテクノロジーを探していきたいとも語る。看板や店内ポスターの代替でデジタルサイネージを置くことだけがデジタル化ではなく、デジタル化していくことで新しい情報接点を開発したいとのこと。

本プログラムを実施するマーケティング・テクノロジー・センターは、データ解析、システム開発、サービス・プロダクト開発、ビジネス開発、マーケティング・ソリューション、マーケッター、メディアテクノロジー、アライアンス等の専門知識を持った人材がいる。

博報堂DYホールディングスが掲げている「世界一級のマーケティングサービス企業集団を目指す」という中期基本戦略の達成の為の成長ドライバーとして、生活者“データ・ドリブン”マーケティング対応力を強化することが必要不可欠だと考えており、本プログラムは、その延長線の取り組みとして位置づけているとのこと。

蛇足:僕はこう思いました
今回の取り組みは、ベンチャーにとっては大変なチャンスだと思う。博報堂DYグループがベンチャーに必要なリソースを提供してくれるチャンスと、日頃よりクライアントに提供している「生活者発想」という価値を協業してサービスをブラッシュアップできる機会は、そうあるものではない。2月15日19日にプログラムの説明会があるとのことで、関心のあるベンチャーは一度は参加してみてはどうだろうか。
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