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貸し会議室・レンタルスペースの予約サイト「スペイシー」のアイデアはどうやって生まれたのか。副社長(COO)征矢貴彦氏のインタビュー 1【@masaki_hamasaki】

急成長スタートアップ、COOのインタビュー

会議室シェアサービス「スペイシー」を運営する株式会社スペイシーの副社長(COO)征矢貴彦氏にお話を伺った。

株式会社スペイシーは、株式会社リクルートスタッフィング出身の内田圭祐氏が2013年10月に立ち上げた。内田氏は立ち上げの前に株式会社アイデアマンを設立し、太陽光発電の一括見積りサイトを上場企業へ事業譲渡した経験を持つ。現在は、会議室シェアサービス「スペイシー」の運営を行う。

サービスの開始は2014年の1月で現在の対象エリアは、東京都内の新宿や渋谷、銀座から神奈川県の横浜。個室の貸会議室だけでなく、レンタルキッチン、撮影スタジオ、パーティー用レンタルルームなどの予約もできる。代表の内田氏と副社長の征矢氏は株式会社リクルートスタッフィング時代の同期とのことだ。

2016年3月23日には、カラオケボックスの運営固定費を削減する『空きカラオケボックス』の有効活用を支援する「カラオケ買取サービス」、2016年3月18日には塾や予備校などの『空き教室』の有効活用を支援する「教室買取サービス」の開始を発表している。

数あるサービスを提供する中で、力を入れているのが、不動産投資としての貸会議室運営の普及だ。週一回ほどのペースで不動産投資・資産運用に関心のある方向けにセミナーを開いている。貸会議室運営の魅力として、大きな初期費用をかけなくても、収益を生み出すことができると訴える。

 

サービスのアイデアはどうやって生まれたのか

現在は、役員、エンジニア、デザイナー、サポート、総務を担当するメンバー等で運営しているとのこと。2015年10月頃に征矢貴彦氏も同じタイミングで参画。

株式会社スペイシーの社長である内田圭祐氏は、シリアルアントレプレナーで、太陽光パネルの見積もりサービスを運営する会社をやっていた。征矢氏も参画は2015年の10月だが、前会社設立時から一緒に事業構想を練っていたとのこと。内田氏がWEB業界に入ったきっかけも、征矢氏がWeb制作会社を紹介したことがきっかけだ。その後、貸し会議室・レンタルスペースの予約サイト Spaceeのアイデアはどうやって生まれたのか。きっかけは2つあるという。

太陽光パネルの見積もりサービスを売却して、当時30人いた従業員も売却後には4名になった。しかし、オフィスは30人ベースで借りていた。不動産の契約は事業用で借りてしまうと契約の縛りが長く、半年ほどは退去できずにいた。どうせその状態が続くなら他の人に貸したりして、賃料を浮かせたいと思っていた実体験が1つ。

2つ目は、売却した後に次の新しい事業を考える際に妥当な打ち合わせ場所がなく苦労したという経験だ。カフェはコーヒーもありリーズナブルだが空いていなかったり、話の内容も周りに筒抜けになってしまったりする。突っ込んだお金の話とかはやりづらいところがあった。

この2つの実体験から貸し会議室・レンタルスペースの予約サイトのアイデアを思いついたとのこと。

もっと日本にスタートアップが生まれてくるんじゃないか

「カフェをちょっと使うくらいの値段で、個室できちんと打ち合わせができれば、もっと自分たちみたいに新しくスタートアップやろうという人たちが、もっと仕事しやすい環境になるんじゃないか。そうなるともっと日本にスタートアップが生まれてくるんじゃないか。

シリコンバレーと比較していろいろな条件とかあると思うんですけど、投資が集まりやすいとか、そういうのとは別のインフラの問題で、そもそも打ち合わせする環境だったりがちゃんと整備されていると、アイデアの芽みたいなものがもっと生まれてくるだろうな、と。

そういうところからもっと活発化されてくると、日本の経済、スタートアップってもっと活性化されるんじゃないかな、と思ったのもサービスを始めようと理由にあります。」

「現在、類似のサービスが出てきてると思いますが、出発地点が違うと思っています。スペイシーは既存の会議室を掲載をするサービスという面ももちろん持っていますが、当初の思いとしては『カフェを利用するのと同じくらいの料金で、プライバシーの確保された個室でぱきっと打ち合わせできるとか、ミーティングができるとかもっとインフラとして整備されればいいな』と思っていたところがスタートですね。」

「いまサイトをご覧いただくと1時間数百円くらいから利用できる会議室が60件くらいあると思いますが、まだまだ国内には少ないと思っています。それをもっと増やしていきたいというのが、サービスのコンセプトを実現するために一番大事だと考えています。」

【関連URL】

・カラオケボックスの運営固定費を実質削減!『空きカラオケボックス』の 有効活用を支援する「カラオケ買取サービス」を開始

・【セミナー情報】初期費用を抑えた最新のレンタル会議室運営と最新事例セミナー 4/6、13、20、27東京・目黒にて開催(無料/定員制)

・【塾・予備校・教育事業者の経営を支援】『空き教室』の有効活用で賃料削減!「教室買取サービス」を開始
http://www.spacee.co.jp/

 

蛇足:僕はこう思いました

貸会議室を利用するユーザーの中には、さまざまな方がおり、メーカーの方やメディアの方も多くいるようだ。しかし、中には建築関係の学生さんがコンテスト会場の近くで貸会議室を借りて、組み立てるのにも使う事例もあるという。たしかにカフェなどでは組み立てづらいだろう。

不動産運営でもなく、Airbnb運営でもなく、貸会議室運営という新しい投資、運営手法の提案はとても新鮮だった。約2時間にのぼったインタビューの続きは、随時アップしてまいります。

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