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輝けWomen! 「Startup Weekend」で起業家精神ハジケた!【@maskin】


[読了時間: 2分]

 勝算なし。どうなるかが描けない。それでも、心の奥底にくすぶる “どうにかしてやる!” という意欲に従い前に進み続ける。

 そんな瞬間、人は本当の輝きに満ちあふれるように思う。

 2014年3月14日から16日にかけての3日間、世界規模で展開されている起業家体験イベント「Startup Weekend」において、女性だけをテーマとした「Startup Weekend Tokyo Woman」が国内で初めて開催された。

 審査形式で、TechWaveもワタクシ編集長 増田真樹が参加。接戦の末、優勝となったのは「TryCosme」。自動販売機を活用した化粧品試供品の提供サービス。審査員長がその名を告げた時、チームは言葉を失っていた。

 今あるものを最大限活用しながら夢への可能性を模索し続けていた。そんな状態の中での優勝は夢のような出来事だったのだろう。プレゼン中にトラブルもあった。だけど、メンバー同士が互いを支えあい「出し切った」、ギリギリの状態でゴール。彼女たちの涙まじりの声に会場が一つになったに感じた。

Startup Weekendとは

 「Startup Weekend」は、週末54時間でビジネスを実現させるというハードコアな起業家体験イベント。世界478都市で千回を超えるイベントが開催されており、このイベントから起業したという話は世界中でしばしば耳にするほど。

 数多あるピッチ(ショートプレゼン)コンテストとの違いは、本質的な起業の魅力やポテンシャルを追求するフレームが完成されている点。

 参加者は、自分からアイディアを出しでアピールし、リーダーを絞り、その流れでチームを結成。仮説を組み立て、調査し、インタビューし、その成果を実際の製品へと還元する。審査員側には「儲かるアイディアだ!という結果ではなく、有効なビジネスモデルに向けチームが進歩したかを評価してください」というチームを主体としたオーダーが下る。

 最終的にプレゼンテーションを行ったのは全13チーム。コーチとして、株式会社Genestream 代表取締役社長 兼 CEO 秋貞雄大 氏、パペルック株式会社 代表取締役CEO 小澤一郎 氏ら起業家を筆頭とした9人が名を連ねる。審査員には、審査委員長 株式会社AsMama 代表取締役社長CEO 甲田恵子 氏、IMJ Fenox Pte.Ltd. Japan Office Manager 岡洋 氏、そしてTechWave 編集長 / Softonic編集長 増田の3人。

 企画は非常にバラエティーに富んだ構成で、チーム同士のレベルの差がかなり開いたものの、どんなツッコミに対しても何らかの回答を用意しているなどプロジェクトとしての完成度は総じて高かった。トップ争いは、相当な勢いだった。

Startup Weedend Tokyo Woman 13チームショートレビュー

 いち審査員として評価した内容を中心に、簡単な紹介&レビューをお届け。

  1. 女性議員を増加させる「女性議員.com」
    女性議員が少な過ぎる状況を打破するために、認知度とイメージ向上のためまとめサイトを公開するというもの。議員側の要望が強過ぎて、実際プロジェクトをどうドライブさせるかという部分が手薄になってたのが残念。
  2. タイ人向け日本観光情報ポータル「PicTokyo」
    世界で通用する英語ではなく、あえてタイ語&タイからの観光客に絞ることで、調査や仮説検証をやりやすくしたという点がおもしろい。実際に、都内で開催されていたタイフェアでタイ人にインタビューして、的確にサービスを向上させていった点を評価。
  3. 家庭の味の記録帳「ははこキッチン」
    お母さんの味を、アプリを媒介に継承しようという試み。アイディアはおもしろい。けど、そこまでスマホを使いこなす親ならLINEとか別の手段でコミュニケーションしているのでは?というツッコミも。それと、お母さんの味といっても基本レシピは同じ編成なので、ゼロから教えてもらっても結局は既にあるレシピデータベースとほぼ変わらないのでは?という質問には「料理が苦手な人のためのサービス」という回答。となると、どうユーザーを増加させていくか、どこまで大きくなるか別途考えていく必要も。
  4. フェアトレード商品に特化したECサイト「FairFun」
    販売している人の顔が見え、かつ良質な商品が購入できる。筆者の地元(栃木)の農産物直売所と比較したのだけど、直売所は激安価格だが、世界規模のフェアトレード商品は比較的高額ということでちょっと違う。そういう意味では社会貢献型とでもいえばいいだろうか。Piece to Peaceを彷彿とさせられた。モノの良質さはもちろん、そのモノの背景にある価値を購入するところの価値をSNSなどと連携していければおもしろいと思った。
  5. 高校生のためのクラウドファンディング「Together」
    何かしたいという意欲にあふれるものの、チャンスを取得しにくい高校生をクラウドファンディングでチャンスを与えられるか?という壮大な仮説に挑戦したプロジェクト。クラウドファンディングの支援作用にフィットするので期待感がある。細かい仕様をどこまで完成度をあげられるかがキモか。
  6. 結婚したい人のためのウェブマガジン「DataAmor」
    「3年半つきあっているのに結婚できる気配がない」切実な思いをかかげるメンバーによる渾身の企画。なのに「結婚にまつわるデータ」が強み、ということで、初めは「え?」と思ったのだけど、ビジネスのキモはそのデータを集約したり、提供したりするところにあるとのこと。その前提が構築できるのであれば、引きが強い数字を中心に、これまた吸引力のある結婚というテーマでメディアをまわしていうのは十分ありかと思った次第。
  7. OLのためのコスメ自販機「TryCosme」
    優勝チーム。小さな自販機、もしくはオフィスグリコのような委託型で化粧品サンプルを提供するアイディア。ポイント制度で、アンケートに答えたりするとポイントがもらえる仕組み。ニーズと仕組みが整理されていて、成長させやすいモデルと感じた。ただ、オフィスに導入するコストの高さや、継続してもらうためのコストなどがかさむモデルでもあり、想定する調査データの販売ではまかなえないと考えられるためもっと突き詰める必要あり。
  8. お手伝いマッチングサービス「カジコレ」
    社会に横たわる、育児や家庭内サポート不足という大問題をデータと小さな解決策の組み合わせで解消しようというもの。非常によく考えられており、小さな施策はどれもうなづけるものばかり。ただ、同種のサービス自体が、これまで数限りなく登場しては消えていったため、もっと突き抜けるアイディアが求められる印象。個人的にはとても欲しいサービスだが、果たして地方で快適に利用できるか、という点も。
  9. 日本の職人の技を活かすEC「Tsukutte」
    伝統工芸といえばAeru、職人の技を活用したといえば クリスメラを思い出す。このチームは、特定の職人や技術者ではなく、ギャザリング(複数の人にこの企画作って欲しい人!と呼び掛け採算があえば生産)の仕組みをプラットフォームとして展開したいと考えている。実現できればおもしろいけど、やはり過去にうまくいかなかった事例が山ほどあるので、さらにつき詰めていってもらえればと思う。
  10. OLとケーキ屋をマッチング「Cake for precious」
    初めは「街のケーキ屋さんとOLをマッチング」ときいた時、「そもそもホームタウンに選ぶほどケーキ屋ってないんじゃないかな?」と感じたのだけど、そうじゃなくて、OLが働く六本木とか勤務先エリアの沢山あるケーキ屋をのマッチングをしたいのだという話。それなら納得なのだけど、そもそも家族で誕生日祝いやクリスマスがメインの戦場であるケーキ業界で、OL向けでどこまで魅力づくりができるか興味深い。
  11. 友達と仲直りできるサービス「Refriendme」
    仲直りをしたい人を登録。互いが同じ思いなら、対話のパスが開くというサービス。そもそも、仲直りしなければならないほどなら直接会うべきだとおもうし、仲直りする機会はとても少なくビジネスにならないのでは?というツッコミも多数。機能的には、昔の同級生と再会するようなサービスにPivotすることもできそうだけど、ここまでSNSが普及するとどこまで通用するか疑問。ただ、全くないサービスだと思うので、今後、突破口が見つかるかに注目。
  12. いい子供にするプリ「ねぇサンタさん」
    子供と親の対話の中に、万人に共通したキャラクターであるサンタさんを登場させるアイディア。1年に一回しかきてくれないんだけど、いつか欲しいものをもってきてくれる夢の存在サンタさんは子供達の説得にピッタり。商用キャラクターでは直ぐあきてしまうので、個人的には納得感が高かった。それと、おじいちゃん、おばあちゃんを半ば強引にからめるアイディアも○。そうじゃないと、実際なかなかからんでもらえないので。荒削りだけどアイディアは魅了にあふれていた。これは実際に作ってみて、仮説にむかって前進しながら微調整していくといいような気がする。
  13. 自動識別してくれるアプリ連動型貯金箱「Charin」
    お金を入れると自動で数えて、その金額をスマホに送付してくれるサービス。誰もがイメージできるシンプルなアイディア。実際にハードを生産して販売することを想定すると見積り甘過ぎるのと、スマホにデータを送付した後のイメージが、他者サービスとの連携くらいしか描画できてなかったのおしい。ハード系企画は、リテンション(継続利用してくれる顧客の維持)が難しいので、もっとリアルな数字で企画を詰めるのがよさそう。

 というわけで、非常に濃密な内容。全プレゼンが終了した後の集合写真。活き活きとした笑顔が印象的。



(↑クリックしないで下さい)

優勝「TryCosme」は学生x2、リーダーはITが苦手

 優勝チームは「TryCosme」。自動販売機を活用したサンプルコスメ展開のアイディア。

 学生はほとんど見かけないこのイベントで、メンバー5人のうち2人が学生という異色チーム。



左から 金井優佳さん、稲塚祐子さん、竹村恵美さん
(↑絶対クリックしないで下さい)

 全員の写真が手元にないのだが、他に矢田裕紀さん、吉岡朗さんが参加 (お二人とも男性)。

 写真右端の竹村恵美さんは立教大学三年生で、あの「Ring」を開発した株式会社Logbarでインターン中。参加型開発イベントは3度目で、過去、サイバーエージェント主催の新規事業立案の企画でインターンとして準優勝を経験しているとのこと。写真中央のリーダー 稲塚祐子さんは社会人で、Web制作会社 プランナー 勤務3年。失敗もあったが、最後までメンバーの事を気づかいながらチームを前進させていった。

 全チームと接して感じることは、全てのプロジェクトがチーム一人一人の資質を発揮することに成功していたということ。そんな中で、最終的にチームを進化させていくのは、やはりリーダーの存在。技術が経験が作用するのは当然ではあるけど、最終的にはリーダーの資質がチームを牽引する役目を果たすということを感じさせられた。特に女性が中心となるイベントにしたことで、丁寧かつ繊細さが求められる起業プロセスにフィットしたように感じた。素晴らしいイベントだった。

【関連URL】
・Startup Weekend Tokyo
http://tokyo.startupweekend.org
・Startup Weekend Tokyo | Facebook
https://www.facebook.com/pages/Startup-Weekend-Tokyo/517897234966424

蛇足:僕はこう思ったッス
起業家はどこにでもいる。別に会社を作って投資をうけることが起業家ではない。何かを求め何かを実現しようとする心が起業家精神であり、その機会は誰にでも与えられていると思う。

そんな中で世界に突き抜ける起業家はどんな人かというと、ふりかえると共通項が3つかある。一つは「ユニバーサルなアイディアを1つだけもつ」という点、もう一つは「あらゆる行動を数値化して常に評価しいく」ということと「誰よりも早く、誰よりも多くのことを貪欲に手がける」という点。

(お金だけでなく)本質的な成功を納めている起業家は例外ないと思う。「俺は○○○だから成功する」という自信タップリの起業家が成功したことはない。なぜなら、トライするのをやめてしまうから。

そういう意味で、今回の参加チームの多くが2つの共通項を満たす素地をもっていたように思う。会場でも説明したけど、具体的をもって前進し続けることをやめないでほしいと思う。

審査会は終わりではなく、始まり。僕は、金は絶対出さないけど、人生をかけて本気で支援。プロジェクトが終了してもずっと、ウォッチしているし、応援してる。

というわけで、そこんとこ、よろしく!

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