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本日(12月9日)、種子島からロケットが飛び立ちます。ロケットには国際宇宙ステーションへ食糧や衣類を運ぶ、「こうのとり」6号機が搭載されています。ここに相乗りする7つの人工衛星の開発者へ取材し、最新の人工衛星事情についてまとめました。
ブラジルでは、中学生が人工衛星を作る
人工衛星、と書きましたがそもそも何を指すのでしょうか? ここでは、惑星の周りを回る「人工」的に作られた星とします。例えば、私たちの頭上400キロメートルの軌道を回る国際宇宙ステーション(ISS)は「人工衛星」です。
今回打ち上げられる人工衛星は、7基中6基に大学が関わっています。例えば、九州工業大学は驚くことに学部生が主体となって運営しており、代表も学生です。シンガポールの南洋理工大学と組んで、人工衛星のエンジンをテストします。
筑波大学では、先生と学生が共同で人工衛星を開発して5年目。実施責任者の亀田先生は、筑波大学発ベンチャーとして身近に宇宙を楽しめる世界を目指す「ワープスペース」という会社をたちあげました。学生と開発してきた経験を生かし、「衛星開発と運用の相談窓口となり、ベストなソリューションを提示できるような会社に育てていきたいと考えています」とのこと。
このように大学が主導する取り組みに加えて、企業が支援する例もあります。
宇宙エレベーターを研究している静岡大学の山極(やまぎわ)研究室では、高い技術を持つ地元企業と部品調達で連携しています。山極先生によると「静岡はアジアNo.1 航空宇宙産業クラスター形成特区に指定されており、地元では航空宇宙産業に進出しようという活動が盛んになりつつあります」とのこと。
早稲田大学は研究室の学生を中心に開発を進めますが、OBの作った宇宙機器開発会社に支援を受けています。
こちらはローマの宇宙開発会社、GAUSS Srl。超小型人工衛星を入れる容器を作っています。この容器に入るのが、ブラジルの中学生が作った人工衛星だそうです。授業で作るとのこと。
人工衛星が学校でも扱えるようになった背景には、技術発展による機器の小型化とそれによる打ち上げ費の低下があります。80万円(発売予定額)で買える人工衛星キットもある時代で、取り扱う敷居が下がっています。これからますます宇宙技術が身近になり、一家に一台人工衛星の時代がくるかもしれません。
ここでは開発者への取材から、打ち上げの傾向を紹介しました。では、各人工衛星はどんな目的で打ち上がるのでしょう。
7基の人工衛星の全開発者に話を聞いた記事が、宇宙ラボで連載されています。ブラジルの中学生が人工衛星作りしているのはなぜか? 他にも大学発宇宙ベンチャーの紹介、ガーナやバングラデシュの留学生と共同開発する研究室の話など、開発者に聞いたから分かる情報が詰まっています。
今、記者は種子島にいます。こちらは星がきれいなんですよ。朝5時に宿を出て、打ち上げ予定のロケットの機体移動を見守りました。
今夜はついに、ロケット打ち上げ。この目で、日本の技術が宇宙へ向かうのを目撃してきます。