サイトアイコン TechWave(テックウェーブ)

“気持ち”を伝える鳩時計OQTAが勇気を与えるインフラになる日

「ただの鳩時計?」そんな風にしか見えないこのデバイスの名前は「OQTA」。実際のところ機能は1秒程度の音が鳴るだけです。それなのに、利用者が「人とのつながり」を感じることができるといいます。

1台の「OQTA」で音を鳴らすことができるのは8人のみ。2017年8月23日に公開された専用のスマートフォンアプリのボタンをタップすると、登録されている「OQTA」で音が鳴る仕組みです。

「親と離れて暮らしをしている人」や「遠く離れた場所で愛を求めている人」にこの「OQTA」を贈ることで、音の送り主と受け手が気持ちを通わすことができる、そんなプロダクトです。たかが、音です。何を言わんとしているかわかるはずもありません。しかし、つながっているのは8人。「誰からが何かを伝えようとしてくれている」ということがわかるだけでも、孤独や不安を感じている人たちの心は大きく揺り動かされるのかもしれません。

そのことは実証実験を通じて得られた被験者のコメントからも伝わってきます。

この被験者はネパールの貧困にあえぐ村に設立された誰でも通える学校「YouMe school」に通う子供で、「OQTA」をつかって彼らを支援する意思がある人たちを結び勇気づけようというプロジェクトが動いているとのことです(「“Happy Circulation”で、ネパールの自立と雇用創出を応援する。 OQTA ネパールプロジェクト始動!」)。

1stデバイスはダイヤル形状

実際に「OQTA」は販売開始されています。価格は3900円(税込み)。鳩時計ではなくこんな形でした。

QTAはスマートフォンアプリと連動し、はなれた場所にいる友達や家族への“ふとした気持ち”を音にして届けることができます。
専用アプリ「OQTA」をダウンロードしインターネット経由でスマートフォンとOQTA Basic(受信デバイス)でサービスを始めることができます。
言葉をこえた音のコミュニケーションをはじめましょう!

ただ、音がなるだけのデバイスかもしれませんが、もしかすると大切なコミュニケーションインフラになるかもしれません。

【関連URL】
・OQTA
http://www.oqta.com

蛇足:僕はこう思ったッス
 ネパールプロジェクトを聞いたとき意外にも大きな衝撃を受けた。こうした支援策とはお金か物資、そして労力が必要になるのがつきものだからだ。しかし、その負担は大きく、なかなか支援の輪を継続させるのが困難になってしまう。おそらく多くの人は、人の孤独を埋めてあげたいという気持ちを持っていると思う。ただ、それは自分自身を削ることにつながるのであれば、静かに目を閉じざるをえなくなってしまう。OQTAはそうした現実のノイズを回避し、それぞれの気持ちの輝きをくもらすことなく届ける可能性がある。もしかすると生きる勇気をもたらすインフラになるのでは、そんな期待を感じさせてくれるデバイスだ。
モバイルバージョンを終了