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LPWA技術を使った山岳登山専用GPSデバイス「TREK TRACK(トレック トラック)」提供開始

博報堂アイ・スタジオは2017年8月9日、山岳登山者向けのIoTデバイス活用サービス「TREK TRACK(トレック トラック)」の利用予約受付を2017年8月18日より開始すると発表しました。対象となるのは山梨県・奥秩父エリアの瑞牆山(みずがきやま)で、2017年9月1日より一般サービス提供を開始します。


「TREK TRACK(トレック トラック)」は、LPWA(Low Power Wide Area)と呼ばれる消費電力を抑えた遠距離通信方式を使って、広範囲に渡り専用GPSデバイス(写真上)との情報のやりとりをできるようにしたもの。

また、対象エリアに限定されますが、山岳エリアに10kmの範囲で通信できるゲートウェイ端末を設置することで、携帯電話網では電波が届かないエリアでも常時ユーザーデバイスの位置情報がサーバーに記録される仕組みになっています。雪山でも雪下3メートルまで通信が可能です。ユーザーの位置情報は専用サイトからリアルタイムでモニター可能とのことです。

端末の利用は1日利用料は990円から。端末は生活防水対応(IPX4)に対応しており重さは100g。単4電池使用し3〜4日間連続駆動が可能です。本体にはHELPボタンが組み込まれており、これを押すと24時間365日稼働のTREK TRACK運営事務局にヘルプコールが送信される仕組みになっています。

今回サービスインするのは山梨県・奥秩父エリアの瑞牆山(みずがきやま:標高2230m)のみ。サービスイン前の2017年8月20日に現地で一般登山者に向けた無料体験イベントを行う予定とのことです。今後、電子登山届や専用のスマートフォンアプリなどの提供も予定されています。

■サービス概要
予約開始日   :2017年8月19日(土)
一般開放開始日 :2017年9月1日(金)
実施場所    :山梨県北杜市瑞牆山(みずがきやま)
レンタル方法  :専用サイトより申し込み。デバイスは郵送。
レンタル価格  :990円から(※キャンペーン期間は送料含め無料で利用可能)

【関連URL】
・TREK TRACK(トレック トラック)
https://trektrack.jp/
・博報堂アイ・スタジオ
http://www.i-studio.co.jp/

蛇足:僕はこう思ったッス
 山岳登山における遭難事故はなかなか無くならない。これだけ通信可能デバイスが増えてもなお、通信が不可能だったり、電池が切れたり、そもそもGPS対応デバイスを持ち運んでなかったりといった残念な状況が続ている。そして2017年に栃木で起こった極めて重大な雪山事故。山岳関係者は「あってはならない」と口を揃えるが、それでも事故は起こるし、仮にこのデバイスを全員が持参していたら何か状況に変化はあったのではないか。あってはならない事態に対応できる手段は多い方がいいはず。なお、このTREK TRACKの対応エリアについては、情報が分かり次第お伝えしたいと思う。
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