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観光立国ドバイから日本が学ぶもの【米国マーケティング新潮流を追う vol.6】

変化が著しく、かつ様々な分野において最先端の取り組みがなされるアメリカ。ここでは、在米30年で、これまで数々の日系企業の米国進出をサポートしてきた、MIW Marketing & Consulting Group,Inc. の代表 岩瀬昌美氏による現地レポートをシリーズでお伝えします。売り場、現場の最前線で何が起きているのかはもちろん、いまなお米国に在住しているからこそ分かる生活者の反応や日本市場との対比なども交えてお届けします。
6回目は、 訪日外国人観光客を増やし、観光立国を目指す日本にとって不足しているものな何か?を考えます。

日本はいまだに英語対応ができていない

先日、ドバイで開催された世界最大の食品見本市「GALFOOD」に行ってきました!
ここロサンゼルスからはエミレーツ航空の直行便で16時間。現地で日本からのクライアントさんと落ち合うことにしたので、ホテルまでまず一人旅。アラビア語はもちろん全く出来ないので少し不安でした。また色々な人に腕が見える服を着たらいけないとか、派手な服を着たらNGとか色々聞いていたので、楽しみでありながらも正直かなり不安でした。

でも、エミレーツ航空に乗った瞬間 「Good morning Madam!」とCAさんが流ちょうなブリティッシュ英語であいさつしてくれました。そしてそれは空港、タクシー、ホテルに到着するまで誰もが英語を話し、空港のサインも英語とアラビア語のバイリンガル。驚くことに場所によっては中国語のサインまで。観光地に至ってはここはアメリカでしょうか? という感じで、女性一人であっても英語さえできればどこでもオッケー。いまや観光王国において、英語と中国語は必須です。そういえば、バンクーバーの空港でも全てのサインが3カ国語での表記でした。
それに比べて日本はどうでしょうか?京急から新幹線の乗り方、切符の買い方なども日本語表記のみ。。。うちのアメリカ生まれの息子たちは漢字が読めないため、羽田に着いた途端にもう一人で行動できません。買い物に行ってもなかなか英語が通じないため、行動がかなり限定的になってしまいます。

また、観光王国ドバイには“世界一”が山のようにあります。世界一高いビル ブルジュ・ハリファは、頂上の展望台に行くのにVIP料金100ドル以上かかります。それでも山のような行列。ドバイ ファウンテンもラスベガスのベラージオの噴水がおもちゃに見えるほどのスケール。さらに世界で唯一の7つ星ホテル、ブルジュ アル アラブに、世界最大のドバイモール、、、とにかく、これでもかというくらい世界一があちらこちらにあり「せっかくなら世界一を体験したい」という観光客の気持ちをくすぐります(もちろん仕事の合間に全て行きました!)。

そして、ここでもいたるとこに中国人の富裕層観光客がいます。また、ソーシャルメディア対策も驚くべき速さで、さっきドバイを1度検索しただけなのに、VISIT ABU DABIの動画が私のツイッターのフィードに出てくるではないですか。
古き良きアラブとコンテンポラリーの両方を完璧に兼ね備えたドバイ。日本はFUJIYAMA, KYOTO, POKEMONといったオンリーワンから抜け出せないと観光で勝ち抜いていくのは難しいと言えます。

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