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日本企業初!世界最大級のテクノロジーカンファレンス「ウェブサミット」への大型協賛するZETAに迫る

世界7万人が参加するテクノロジーカンファレンス「ウェブサミット」へ日本企業としては初となる大型スポンサーを決めたZETA。ウェブサミットは、発足から10年もしないうちにCES、MWC(Mobile World Congress)に次ぐ世界第3位の規模を誇るまでに拡大し、欧米メディアからも「テクノロジー業界のダボス会議」などと評されているイベント。日本からの参加は2014年に4名程だったが、昨年は200名近くが参加するほどになった。そんなカンファレンスにいち早く目を付けスポンサーを決めたZETAのCEO山崎氏にインタビューをしてきました。

会社は現状維持では生き残れない。常に新しいことを求めて

ーそもそもウェブサミットに参加したきっかけは何だったのですか?

起業して13年、最初はあまり軌道に乗らず苦労もしましたが、3、4年前からまわるようになりました。余裕も出てきたこともあり、次の一手を探そうと数年前から海外カンファレンスに参加し始めました。北米イベントが中心でしたが、さらなる学びを求め積極的に他のカンファレンスについても情報収集をしていました。そんな中、割と業界を熟知していらして先駆者的な存在の方々の評判が良かったのがウェブサミットでした。これは一度行ってみなければと思い、昨年参加してきました。

上級者向けカンファレンス 得られるインプットの質と量

ーウェブサミットへ実際参加されたときの印象はどうでしたか?

ウェブサミットはイベント難易度としては高いと思っています。規模も大きいのでイベント慣れしていないと右往左往して終わってしまう可能性が高いです。カンファレンスも20種類以上あり、常時7つほどのステージが同時進行しているのでどれに行けば良いかもわからないと思います。また、ウェブサミットではスタートアップブース、メンタープログラム、展示会場、カンファレンス、ナイトサミットなどの場外イベントなど様々な要素で構成されているため、目的がはっきりしていないとなかなか有意義な時間を過ごすことが難しいように感じます。
僕の場合、ウェブサミットのアジア版であるRISE(香港)に参加していたので、イベントのフォーマットやアプリの使い方がわかっていたのはとても良かったです。カンファレンスセッションを中心に回ります。あまりスタートアップや展示会場でのブース回りに重きを置いていません。カンファレンスもテーマごとに行く場所をある程度決めていきます。このような判断も日本人参加者が少なく情報が限られている中では難しいですよね。僕も目星をつけていたセッションが外れたり、思っていたものと違ったなどということは過去の海外カンファレンスでもよくありました。でも、傾向として日本人は少ないけれども世界的には有名という時期が海外カンファレンスにおいては一番いい時期なのではないかと感じています。
先日行ってきた、ショップトークというイベントでも8,000名の参加者の中10名程度だったようですが、そのイベントもなかなか有意義な時間が過ごせました。
もちろん、「雰囲気を感じたい」、「まずはどんなものか見たい」というような目的であれば、難易度は低いです。あるビジネスに活かせるインプットを求めるのであれば、参加者自身が準備していくことが必要です。

日本勢初、世界一のカンファレンス、1番がそろっている今がチャンスと思った

―ウェブサミットは、日本からの参加者は増えつつあるものの、目立つ参加はまだありません。そのなかでスポンサーを決断したのはなぜですか?

昨年参加した際、日本企業が少ないなと思いました。もう少し日本企業に出てほしいという思いから、「じゃあ、自分がやってみようかな」と。(笑)日本人って、誰かがやっているとやってみようと思いますよね。そういう存在になれたらいいなと思っています。

弊社は海外展開を一切していないので、ウェブサミットにパートナーをしてこれくらいの売上が欲しいということも決めていません。これが国内ではそうはいきませんが、海外だと全く新しい取り組みの一環として投資することが可能です。海外だとワクワク感があり、社員のモチベーション向上につながるのではという思いもあり協賛することにしました。企業には、着実に利益を出していくこと、新しいことに挑戦することどちらも必要だと思っています。ウェブサミットのようなプレミアムカンファレンスに、日本初の企業大型パートナーをするという1番づくしも呼ばれている気がしました。(笑)

英語力が不安な人におすすめの海外カンファレンス対策法

―海外カンファレンス参加経験のない方は、語学面など様々なことを懸念されている方も多いと思います。そのような方が海外カンファレンスを有意義に過ごせる方法はありますか?

当たり前かもしれませんが、海外カンファレンス参加において英語力は重要です。僕もプレゼンテーションはわかりますが、パネルセッションは実はあまり自信がありません。そういうときは、英語が得意な人や業界に詳しい人と一緒に行って、セッション直後にその人たちとアウトプットをしています。怖気づかない英語力も大切です。ウェブサミットに限らず、海外カンファレンスでは世界の同業者と直接意見交換ができるチャンスです。メディアに書かれている以外の新しい発見もあるでしょう。生の声を聴くためにも、そこで怖気づかずに飛び込めるガッツも必要かと思っています。
また、ウェブサミットに限りませんが、海外カンファレンスに上層部の方が行くとオペレーションで躓くことも多い印象です。マネジメントに長くいると細かい事務作業をしなくなっているので、ちょっとした手配に戸惑うことも。英語が上手で現場の事務作業もスムーズにできる勢いのある若手を連れて行ったりするといいペアかもしれません。

プロフィール


山崎徳之
青山学院大学卒業後、アスキー、So-netなどでネットワーク・サーバエンジニアを経験。オン・ザ・エッヂ(現ライブドア)のデータホテルを構築・運営の後、海外においてVoIPベンチャーを創業。2006年6月に株式会社ゼロスタートコミュニケーションズ(現ZETA株式会社)を設立、代表取締役就任(現任)。

[関連URL] ZETA 公式HP

取材あとがき  
山崎さんはいつも良いものは即決される印象があります。お話を伺っていると、ECに目を付け起業された当初はまだ市場がさほど大きくなかったそうです。先へ先へと生き残るためにアップデートをし続ける姿勢があり、実際にアクションを起こす方。ウェブサミットに参加している企業に共通していると思います。印象的だったのは、イベントは旬の時期に行く方が良いというお話。「日本人が増える頃にはイベントの旬が終わり、コモディティ化されていることが多い」世界7万人に対しまだ200名程度というウェブサミットは、山崎さんのお話からするとこれから数年が旬なのかもしれません。

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