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メッセージの転送機能はスパムに変わる、Facebook傘下のWhatsAppが大幅に制限へ

さまざまな疑惑に揺れる米Facebookですが、その傘下でLINEと同じメッセージングサービスを世界で展開している米WhatsAppがフェイクニュースや暴力拡大を阻止するために躍起になっています。

議論が沸騰しているのがメッセージを同時に複数のチャットに転送できる機能。WhatsAppのメッセージ転送機能を多様していた地域インド等ではフェイクニュースや偽情報により大衆による殺人事件に発展していたのです。

これまでインドでは250以上のチャットにメッセージを一度に転送できていましたが、5つまでに制限されます。それ以外も、メッセージを不用意に拡散させる要素のある機能は大幅に制限していくとWhatsAppは発表しています。

なぜ、メッセージの転送がこれほどまでの事態に発展したのでしょう。WhatsAppは、LINEとさまざまな国でシェア争いをしており、地域によっては日本におけるLINEと同じかそれ以上の普及度になっています。仮にたった一人が誤った情報を250チャットに転送したとして、それが数珠つなぎに転送されたとしたらどうでしょうか? それがウソか本当か、日々ゴシップニュースに揺れる私たちに100%正しい判断ができるとは到底思えません。

recode誌はこの転送機能により「偽の情報がウイルスになる」と表現します。

親会社であるFacebook CEO マーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)氏、フェイクニュースの拡散や暴力を抑制するためにさまざまな取り組みを発表しています。

情報の価値は立場によって多面的に変容します。しかし、良いか悪いかは関係なく、広まっていく力、そしてそれが人々の心にまで忍び込むということをIT業界はようやく知り得たのかもしれません。

【関連URL】
・[公式] WhatsApp
・[リリース] More changes to forwarding

蛇足:僕はこう思ったッス
日本には大きな危機が迫っている。人々は「PVが多い」「お金が一杯ある」「いろいろな人に知られて有名だ」「みんなそう思っている」といった数だけで価値を計ろうとする傾向が強まっている。昔、ブルーハーツの甲本ヒロトがライブの最中に「一番売れているものが一番おいしいのなら、世界で一番美味しいラーメンはカップラーメンだ」と言った。ボリュームには色がある。長年ニュース報道の現場にいるが、一番読まれるものは「ベテランによる完成度の高い記事」ではない。ゴシップ・事件・エンタメ・スポーツが大半だ。今、ニュースというもの、情報の価値というものを再考する機会を人類は得たようにも思う。

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