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急増する食物アレルギーのアレルゲンをチェックする『アレルギーチェッカー』が近日リニューアル【@dicek_8】

[読了時間: 3分]
ライフスタイルの欧米化が進み、米食中心からパンやパスタなど小麦由来のものや乳製品などのアレルギー物質を採る機会が増えたことから今、成人の食物アレルギー発症が急増している。

この食物アレルギー、子供時代に発症するのと大人時代に発症するケースとではだいぶ違うといわれている。乳幼児の場合、消化機能の発達とともにアレルギー反応が減る事が多いが、成人で発症する食物アレルギーは、一度発症すると治りにくく生涯続くケースも少なくないといわれている。
患者も10年前に比べて約2倍に増加。幼稚園や小学生の約7%が給食においてアレルギー除去食を食べており、30人学級ならクラスの1〜2名が除去食を食べている計算だ。除去しないレベルを含めると日本人の10人に1人はなにかしかの食べ物アレルギーをもっているといわれているが、解決するためのサービスがまだまだ少ない。

予防医療を生活習慣から根付かせたい



そんな市場に着目したのが株式会社ウィルモアの石川麻由氏だ。家族の介護経験から予防医療の重要性を認識した石川氏は、予防効果の高い生活習慣を考えたとき、まっ先に思い浮かんだのが食べる事=食物アレルギーだったという。

日々の生活に組み込まれる食事だからこそ、自分が”食べられる食べられない”をチェック出来るソリューションがあればいいと考え、スマホをかざすだけで表示義務/推奨されているアレルギー品目計25品目が入っているかどうかを判別できるiPhone/Androidアプリ『アレルギーチェッカー』を開発した。

現在4万件にも及ぶ食品情報だが、驚きなのはそのデータ全てが手作りであるという点だ。商品固有IDとしてJANコードがあるが、既存の商品データはカロリーと商品名とJANコードをもっているところはあるものの、原材料名(アレルゲン)をもっているものはなかったという。だったら自分たちでつくってしまおうと創り始め、ぎっくり腰になりながらもコンビニ商品を主力とした6000食品分のデータを作成しリリース。ヘルスケアフィットネス部門では上位をキープする人気ぶりとなった。

現在はより生活の身近にあるべきと考え、スーパーに並べられる食品情報を中心にデータ作成に注力。『袋に入れられた生鮮食品群はもちろん、いろんな成分が入ってる加工食品にこそ対応したい』と石川氏は語る。そんなアレルギーチェッカーだがこの7月にリニューアルを予定しているという。

厚生省基準を超える40品目でアレルゲンを判断できるように



『国が表示義務/推奨するアレルギー品目は25品目あるが、アレルギーチェッカーの問合わせだけでも25品目外の胡麻アレルギーや米アレルギーなどがある。昔は大豆が多かったが、現在はナッツ類が増え、ナッツ類の中でもクルミやアーモンドといった特定の食品だけでアレルギーを発症する人もいる。ライフスタイルの多様化にあわせて食品アレルギーのアレルゲンも多様化してきている。』と石川氏。アレルギーチェッカーもその状況に対応し、既存の25品目に”15品目”を加えた40品目のアレルゲンで判断できるよう7月中のリニューアルを目指している。

追加される15品目の選定基準は、facebook上での投票結果や問合わせの上位、最近の動向などを参考にして、”比較的多くの人が症状を出すであろう食品”、”重症化する可能性が高い食品”、”多くの食品に加工されやすい食品”(大麦など)の3点を軸にしている。リニューアルに先駆けて7月13日開催の『第3回ヘルスケアベンチャーフォーラム』に石川氏が登壇するという。

食品メーカーを超える情報を構築しながらまずは10万件の食品データを作成し、アレルギーに特化した新事業を行なって行くことで、食品アレルギーのデータマーケティングで推される企業となるのがウィルモアの戦略だ。

【関連URL】

・株式会社ウィルモア アレルギーチェッカー”
http://www.willmore.jp/bus/ac.html

・第3回ヘルスケアベンチャーフォーラム
http://atnd.org/event/hvf3

蛇足:筆者の視点
今迄食べてきた物がある日突然食べられなくなるといった成人からのアレルギー発症が、人知れず社会課題となっている。食をテーマにするwebサービスは数多くあるが、食品アレルギーをテーマにした国内ではまだ珍しいサービス。これからも注目していきたい。

著者プロフィール: ヤマモトダイスケ@dicek_8
Project Manager/ライター/ベンチャー支援活動/政治家のwebコンサルといったweb関連の仕事をする元美術商。人生の半分がArt、それ以外はインターネッツ。今年はヘルスケアでいきます。趣味は人生です。Control your destiny or someone else will.
メール yamamoto(at)dyama.com
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