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ウェブサミット2020まとめ 初のオンライン開

世界最大のテクノロジーカンファレンス「ウェブサミット」が12月2日より開幕しました。今年はCOVID-19の影響もあり、初のオンライン開催となりました。世界160ヵ国より10万人以上が参加しています。

初日には、欧州委員会のウルスラ・フォン・デア・ライエン 委員長、ペイパルのCEOダン・シュルマン氏、またフェイスブックのCTOマイク・シュローファー氏、また日本からは平井デジタル担当大臣などが登壇しました。

ウェブサミット2020 開催概要
日程:2020年12月2日-4日
参加者数:104,328名(うち女性45.8%)
参加国:168ヵ国
登壇者数:1,137名
セッション数:679セッション
スタートアップ:2,007社
投資家:1,145名
報道関係者:2,229名

コロナを危機とみるか機会とみるか

今年は様々なビジネスがコロナの影響を受けました。それを危機とみるか、機会とみるか。これが今回のウェブサミットでひとつの大きなキーワードになっています。どのセッションでもCOVID-19の影響について質問が飛び交い、世界のトップがそれについて見解を述べていました。多くの経営者はこれを機会ととらえているようです。
PaypalのCEO、ダン・シュルマン氏はインタビューセッションでクリプトの適応について、「通常ならば3年から5年かけて行うであろう改革を、5ヶ月から6ヶ月の間に前倒した」と述べました。また、Salesforceのプレジデント&COOのブレッド・テイラー氏は、この先同じようなパンデミックが起きた際にやらないことは何かという問いに対し、「素早く対処しないこと。僕たちは事が起きてからすぐにアクションを起こすことを躊躇しました。この経験をアセット(資産)として、次回に備えたい」と自らの過ちを振り返りました。

「チームの英知」にダイバーシティーは不可欠

今回のウェブサミットにおいてもうひとつテーマとして多くのセッションで話題に上がるのは、ダイバーシティー。CloudflareのCOOミッチェル・ザトリン氏は、登壇したパネルセッションの中でダイバーシティーはより多くの問題解決策を生み出せると述べました。また、同セッションに登壇したVC、Defy.vcのトレイ・ヴァサロ氏は、「もともとVC界では、知ってる人に投資する傾向がある上に男性主導。このようなエコシステムが10年以上続いていて、今すぐに解決する問題ではない。」とVC界のダイバーシティーの現状について言及。女性VCはわずか11%といわれる中、「普通の企業よりVC界の方が男女格差に対する改革が遅いと感じる」と述べました。

政府主導のデジタル改革の必要性

ウェブサミットは、ホスト国ポルトガルをはじめ、各国の政府関係者が参加することでも知られています。中でも今回は欧州委員会のウルスラ・フォン・デア・ライエン 委員長や日本からも平井デジタル担当大臣などが初登壇しました。
ウルスラ委員長は、「Next Generation EU」と呼ばれる復興計画についてスピーチをしました。ヨーロッパでは、シード段階にあるスタートアップ企業のために、世界のどの地域よりも多くの資本を集めており、過去5年間で、ヨーロッパのテック企業の価値は4倍になっています。しかし、このような躍進にもかかわらず、他の地域ではみられない、インフラのギャップ、規制の複雑さ、国境を越えてスケールアップしようとする際の官僚的な障壁など、多くの障害に直面しています。その結果、多くの欧州の新興企業が成長のために国外流出してしまいました。これに対抗するために、欧州委員会は「Next Generation EU」と呼ばれる復興計画に7500億ユーロを投じ、その20%をデジタル投資に充てる策を発表。この計画では、データをめぐる産業界の協力とイノベーションを促進するために、共通のデータスペースを促進すると述べました。
日本からは、平井デジタル担当大臣が登壇。日本政府からの登壇は今回が初めてとなります。平井大臣は、日本のデジタル化の遅れは歴然としているとし、公共部門のデジタル化の取り組みを合理化し、すべての社会のデジタルトランスフォーメーションを前進させるための国家的な最優先機関として、デジタルトランスフォーメーション庁を設立。また、”Government as Startup”と題し、新しい組織の構築プロセスがスタートアップのように動くことができる今までにない行政組織を作りたいと述べました。

※記事提供:Pivot Tokyo (ウェブサミット日本事務局)

 

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