ネットのコンテンツのようにテレビ番組をブラウズしたい。日本でも10年以上前にそんなトピックが話題となりました。ユーザーメリットを考えれば、リビング・PC・スマホと多様化するコンタクトポイントに対応したテレビが誕生してもおかしくはありません。もちろん、大手マスメディア連合が2007年に作ったHuluなど少しずつ変化はありますが、テレビで流されるコンテンツとは一線を画するその二番煎じのようなサービスばかりでした。
YouTubeが2017年2月28日に発表した「YouTube TV」は、テレビ番組をライブで観ることができるサービスです。YouTubeの動画を見る時と同じように、テレビやPC、スマートフォンなどから利用できます。価格は月額35ドル。6つのアカウントが提供され、同時に視聴できるのは3アカウント分に制限されますが、それぞれに無制限に番組をクラウドに保存することができるようになっています。残念ながらアメリカのみのサービスで、米国内で順次提供が開始されるとのことです。
現時点で、ABC・CBS・FOX・NBC・ESPNといった主要ニュースネットワーク局や地域のスポート局、主要ケーブルテレビ局などからライブで番組が配信されるとのことです。
カバー範囲だけで考えると、すでにサービスを提供しているソニーの「PlayStation Vue」に劣る部分もありますが、YouTubeのサービス利用者層の幅広さや利便性を考えるとYouTube TVに軍配があがりそうです。その他、Apple TVなどハードウェアを持つ企業も追従するのは必至と思われますが、YouTube利用者全員にYouTube TVサービスが適用できると考えると、敷居の低さで有利といえます。
YouTube TVは、テレビ番組視聴の制限を取り払うだけでなく、番組の検索やリコメンドなどネット側のサービスとして培われたノウハウを投入し、長年の夢だった「テレビとネットの融合」を加速させるのは間違いなさそうです。
【関連URL】
・YouTube TV – Watch & DVR Live Sports, Shows & News
https://tv.youtube.com/welcome/
・Finally, live TV made for you
https://youtube.googleblog.com/2017/02/finally-live-tv-made-for-you.html