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広告は「枠」の売買から「人にリーチする権利」の売買へ

 DM Newsの「The next generation of online advertising: the lead exchange」という記事を読んで。
 オンライン広告の未来は、広告マーケットプレースだと述べているんだが、具体的には、広告マーケットプレースには次の2つの利点がある、としている。
 1つは、dynamic pricing。価格がリアルタイムでころころ変わるということ。市場価格で広告枠を購入できるので、フェアだということだ。
 2つ目は、intelligent bidding。コンピューターの支援を受け、入札の判断をより効率的に行えるということ。具体的には、広告枠の過去のパフォーマンスや、広告主の予算に従って自動入札できたり、いろいろな投資モデルを表示してくれて、その中から広告主のプランに合ったものを選択できるようになる、ということらしい。

It’s only natural that advertising take this route, the ad exchange
allows buyers to maximize return on investment through dynamic pricing
and intelligent bidding, automating the setting of bids based on past
performance and budgets, and making it easier to select the best
pricing models for the investment.

 さらにこの記事は、広告マーケットプレースのさらなる先には、「広告枠」ではなく、「特定の消費者にリーチする権利」が売買されるようなマーケットプレースになるのではないか、と予測している。
 メディア側は、クッキーを使って特定のユーザーの行動履歴を把握している。その行動履歴からユーザーの属性を判断し、そのユーザーにリーチする権利をマーケットプレース上で販売するようになる、というわけだ。
 例えば、あるユーザーがマンションに関する情報のページへばかりアクセスしていれば、マンション購入を検討しているユーザーであることが分かる。メディアサイトがそのユーザーにリーチする権利をマーケットプレース上で売りに出したところ、あるマンション販売業者がその権利に入札し、落札したとしよう。次にそのユーザーがそのメディアサイトにアクセスしてきた際には、どの情報を閲覧していたとしても、落札したマンション販売業者の広告が表示されることになる、という仕組みだ。

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