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広告マーケットプレースは何を変えるのか

 米グーグル、ヤフー、マイクロソフトが広告マーケットプレース関連の企業を買収し続けているが、広告マーケットプレースはオンライン広告業界、オンラインメディア業界をどう変えるのだろうか。
 10月5日付けのForbes.comの記事におもしろい意見が載っていたので、解説してみる。 


 

What’s Next In Web Advertisingという記事だが、サンフランシスコのウェブメディア向けコンサルタント企業RaptのTom Chavez氏をインタビューしたもの。
 これらの企業買収がオンライン広告業界にいい影響を与えるのだろうか悪い影響を与えるのだろうか、という質問に対しChavez氏は、「今のところは分からない」と答えている。
 どういうことかというと、広告マーケットプレースの仕組みは株式市場のようなものになると考えられ、そうであるならば株式市場の問題点が広告マーケットプレースでも発生する可能性があるからだ、と答えている。
 株式市場は、情報を持っている者が勝つようにできている。広告マーケットプレースでも同様の状態になるだろう。どの広告主がどのような広告枠に対して、最高幾らまで料金を支払う考えがあるかというような情報を、自分だけが持ちえていれば大きな利益を生むことが可能だ。
 広告マーケットプレースのインフラを持つことになるグーグル、ヤフー、マイクロソフトは、仕組み上はこうした情報を入手できることになる。そうなればその広告主に向けた最適の広告枠を自社メディア内で用意することも可能になるわけだ。
 こうした状況になる可能性に対し、広告代理店は対抗手段を講じる必要がある、とChaves氏は指摘する。

Ultimately, the agencies really need to rise up and think about ways to
exploit their privileged relationships with advertisers to create some
kind of credible buy-side counterweight to this sell-side oligopoly
that’s emerging.(広告マーケットプレースという広告枠の売り手側インフラの寡占化に備えるべく、広告枠の買い手側である広告代理店は広告主との関係をてこに対抗策を考え出さなければならないだろう)

 また「ウェブメディアにとっての影響は」という質問に対しては、ウェブメディアへのサービスの無料化が進むだろうと予測している。例えばGoogleがウェブ解析ツールGoogleAnalyticsを無料でウェブサイト運営者に提供することで、Google Adsenseの利用促進を狙っているが、同様にウェブサイト向け各種サービスがどんどん無料になっていくだろうとしている。

One of the epic dynamics underway right now is a lot of publishers say,
"Look, I want to control my destiny, I want to control my data, I’m not
going to give up the ghost and put all of my inventory into your
channel." Many of the larger, premium [publishers] will continue with
that posture, and I think that friendlier approaches from the
larger-channel players–Microsoft, Google, Yahoo!–will emerge.(進行中の大きな傾向としては、自分たちのデータや広告枠に対して主導権を持っていたいというウェブサイトが増えているということ。この傾向が続けば、マイクロソフト、ヤフー、グーグルは、いろいろなサービスの無料化を進める。ウェブサイトに最もフレンドリーな広告マーケットプレースが人気を集めることになるだろう)

 広告効果測定、広告配信サーバー、アクセス解析など、オンライン広告に関するサービスがどんどん無料になるとすれば、そうしたサービスを有料で販売しているオンライン広告企業にとっては大変なことになる。
 広告代理店は、広告主との関係を武器に、こうした動きにどう対抗するのだろうか。

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