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セカンドライフ内の広告に期待-ボツにした未完成原稿vol.12

主張を180度転換したのでボツにした原稿です。何かの役に立てばと思いアップします。未完成原稿ですので、未確認情報が含まれます。ご注意ください。

▼ネット世代が責任ある立場になったとき

 IBMのレポートはまた、インターネットとともに育った世代が宣伝やマーケティング部署で責任ある立場になっていくことで、効果測定が可能な新しい広告手法を積極的に試していくことになるだろう、としている。

 
これは恐らく日本でも同様のことがいえるだろう。「日本の企業は米国企業ほど広告効果の測定に興味がない」「企業がテレビ広告を中心に考える時代はまだま
だ続く」などという意見をよく耳にするが、それは日本企業の宣伝部長の多くが従来型メディアに慣れ親しんだ世代だから。そうした世代的分断が理由で、従来型メディアに対する広告予算が
いまだに高いのだろうと思う。今後デジタルネイティブと呼ばれるようなネット世代が責任ある立場になれば、状況は変化する可能性が高い。

 日本人の多くは自分が平均的な日本人だと考えているといわれる。自分のメディア消費の形が、平均的日本人のメディア消費の形だと
思っている人が非常に多い。しかし先に述べたように、今はメディアの変革期であり、過渡期である。1つの社会に大別して3つの層が共存している。一番若い
世代、気がついたときからネットとケータイが当たり前のように存在していた世代が、企業の広告、マーケティング部門の責任ある立場になるころには、当然の
ように効果が証明できるものであれば、ありとあらゆる広告、マーケティング手法を試すようになるだろう。
 ただ日本社会には、崩壊しつつあるといっても年功
序列の風土がいまだに残っている。デジタルネイティブと呼ばれるような若い世代が、大企業内で責任ある立場につくまでにはまだしばらくかかるだろう。

▼双方向、経験ベースの広告

 
この「測定」に言及している部分でIBMのレポートは非常に興味深い指摘をしている。「最後に業界内の議論は、1対他の広告の測定のことがほとんどだが、本当の意味
で双方向で経験ベースの広告の時代が来ようとしている。(中略)そしてこの新しい広告の分野では、いまだに既存メディアや広告会社、広告主のリーダーシッ
プが存在していない」というのだ。
 「本当の意味での双方向、経験ベースの広告」とは何なのだろう。
 IBMはレポートの中で、セカンドライフのような3次元の仮想空間の中で商品を使ったりやブランドと関われるようなものを、その例として挙げている。
 
こうした広告は、わたしが先に述べた「テクノロジーとしての広告・マーケティング手法」の1つの例だろう。
 わたしは、大手広告会社が取り扱う従来型広告
や、オンライン広告会社が取り扱うようなネット広告といったクリエイティビティがベースになっている広告・マーケティングではなく、純粋にテクノロジーを
ベースにした新しい広告・マーケティングが今後主流になっていくと考えている。IBMも、こうしたテクロノジーベースの広告の時代がくると考えているようだ。
 ただIBMは、米国でもこの分野における目立ったプレー
ヤーはまだ登場していないと考えているようだ。
 ということは、この分野に大きなビジネスチャンスが存在するということだ。日本の技術系のベ
ンチャー企業にもチャンスはある。
 ただこうした新しい「双方向、経験ベースの広告」は効果測定が可能で、効果が高いことが不可欠。そうであるのなら広告効果
を厳しく問う広告主の多い国や地域から、新しい技術ベンチャーがまず登場するのだろう。
 従来型メディア中心の層が、宣伝、マーケティングの責任ある立場に
いることがまだまだ多い日本からは、この分野で新しい技術ベンチャーが登場するとは考えにくい。

序章 経済リワイヤリング-ボツにした未完成原稿vol.0
IBMが読む広告の未来-ボツにした未完成原稿からvol1
分断される消費者の関心-ボツにした未完成原稿vol.2
メディア消費の過渡期と3層並存論-ボツにした未完成原稿vol.3
テレビCM崩壊は日本でも起こるのだろうか-ボツにした未完成原稿vol.4
ニコニコ動画に見る日本のクリエイティビティの実力-ボツにした未完成原稿vol.5
アマチュア作品はプロに勝てるのか-ボツにした未完成原稿vol.6
オンデマンドで儲からないのは当たり前-ボツにした未完成原稿vol.7
表現者にとっていい時代になるのか悪い時代になるのか-ボツにした未完成原稿vol.8
セミプロ、アマチュアが作る広告-ボツにした未完成原稿vol.9
消費者が主導権握る広告-ボツにした未完成原稿vol.10
受動的消費者が能動的になるとき-ボツにした未完成原稿vol.11

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