サイトアイコン TechWave(テックウェーブ)

Appleがデジタルサイネージに参入

 デジタル看板というかデジタルサイネージ事業に米アップルが参入したもよう。米アップルのサイトに発表文はなかったが、デジタルサイネージ専門のオンラインメディア英aka.tvが「Apple Start To Flex Their Muscles In The Digital Signage Market」と報じている。
 以前取材したことのあるManolo Almagro氏が今朝、「以前アップルが参入を検討しているといううわさがあるって言ったでしょ。実際に動き出したみたいだよ」とメールで教えてくれた。
 以前Almagroさんは次のように語っていた。

また消費者向けの機器を利用するという手もあります。消費者向け製品は洗練されていますし、価格も低下傾向にあるので、都合がいい。アップルコンピュータ
がAppleTVの開発者向けAPIをデジタルサイネージ向けに公開するのではないかといううわさがあります。確かにいい話だと思います。AppleTV
は、ディスプレー以外のデジタルサイネージの中核部分に必要な部品をすべて備えています。イメージ、動画、テキストメッセージを反復表示するプレイバッ
ク・エンジンを始め、時間通りに表示するスケジューラー、基本ソフト、ファイル配信機能など、AppleTVはすべて搭載しているんです。
 古く
からデジタルサイネージ機器に取り組んでいる会社は、これまでに開発した特許、ノウハウが資産としてあるので、それを捨てるわけにはいかないでしょうが、
これから参入する会社であれば、システムを1から開発するよりAppleTVを買って公開APIに基いてシステムを構築するほうが安くつきます。わたしな
らそうします。
 それにデジタルサイネージの課題の1つにメンテナンスがあります。機器が大きいので郵送するわけにもいかず、技術者を現場に派遣
しなければならない。その費用を考えると、新しいAppleTVを買ったほうが安くつく。ネジ回し1本でAppleTVを取り外せるようにしておけば、素
人でもAppleTVを交換するだけでメンテナンスが可能になります。

でも実際にはAppleTVのAPIを公開するという方法ではないようだ。
AppleInsiderによると、アップルは、ラスベガスのホテルや、大型客船にアップルのパソコンを納入し始めた。

In June, Fontainebleau Resorts announced plans to install 24" iMacs in all 1,400 rooms of its Miami Beach property now undergoing a $500 million renovation, as well as the 3,889 rooms of its new $2.9 billion, 63-story luxury resort in Las Vegas opening next year. The UK City Inn Group unveiled similar services for its hotels in Birmingham, Bristol, Glasgow, Manchester, and London, noting on its website, "you get what you should always expect: iMac computers, free wi-fi and Sky in every bedroom."

Royal Caribbean Cruise Lines began installing Mac minis in its floating hotels three years ago, starting with two of its 3,600 passenger "Freedom Class" ships.

 まあこれだけなら、単にパソコンを納入したという話なんだけど、AppleInsiderやaka.tvはデジタルサイネージ専門のソフトメーカー米Nanonation社がアップルと協業していると伝えている。AppleInsiderによると、iPhoneでの成功やAppleStoreの洗練されたインテリアデザインを見たホテル業界のほうから、アップルに協力を求めてきているのだそうだ。
 Nanonation社は、まずデジタルサイネージにアップル技術を応用する考えで 、プールサイドのコンシェルジェ端末にMac OS Xを応用するプロジェクトも進めているようだ。
 これまでデジタルサイネージの頭脳部分には、日本や韓国の大手電機メーカーのパソコンが使われることが多かった。その市場に、価格面で有利なAppleTVを引き下げてアップルが参入するのではないか、といううわさだったのだけど、実際にはアップル製品の操作性のよさや洗練されたデザインが導入の決め手になっているようだ。
 デジタルサイネージは電機業界や広告業界が注目している成長分野。ウェブ解析技術を導入して、表示コンテンツをきめ細かくターゲティングしていけば、単なるデジタル広告を超えたマーケティングデバイスになる可能性がある。きめ細かな「おもてなし」を実現すれば、屋外広告市場をはるかに超える市場になる可能性があるといわれている。

モバイルバージョンを終了