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2013年にはWeb2.0的な仕事の進め方が主流に

 Internet Watchの記事「Web2.0的ワークスタイルがメインストリームへ、米Gartnerが予測」という記事より。
 Web2.0的ワークスタイルってなんだよ。ていうかWeb2.0っていつの時代の言葉だよ。

 まあよく分かんないんだけど、ガートナーは次のようなことを言っているらしい。

 米Gartnerは27日、ブラウザベースのWeb 2.0的な手法が、2013年までに企業の共同作業プラットフォームの80%を占めるとの予測を発表した。(中略)Jeff Mann氏は、「何年もの間、主にMicrosoft
OfficeのようなPCベースのオフィススイートで仕事をしてきたユーザーは、ファイルを中心とした仕事の仕方を好み、1枚のページを同時に人々が編集
するWeb
2.0的環境で仕事すると落ち着かなく感じるだろう。それと同時に、Wikiやブログのような流動性の高い仕組みに慣れているユーザーは、まとまったド
キュメントを扱うときにしっかりとしたプロセスと構造が要求されることにつまずくことがあるかもしれない」と、双方の利点と欠点を指摘した。

 んーますます分かんない。ひょっとするとこんなこと言っているのか、というところを自分自身の経験に当てはめて解説したい。数年前に某出版社から本を出したときの仕事の進め方は次のような感じだった。

  1. まず僕が原稿を書く(その間、編集者は何もすることなし)。
  2. 完成した原稿を編集者が読み、疑問点、修正点などを書き込む(その間、約1ヶ月。僕は何もすることなし)。
  3. 編集者から郵送されてきた原稿を再度、僕が手直し(その間、約一ヶ月。編集者は何もすることない)。
  4. できたものを編集者に郵送すると、編集者が内容を確認したのち今度は本の体裁に組み直して再度送ってくる(その間、約一ヶ月。僕は何もすることなし)
  5. 本の体裁に組んだものを僕が確認。修正希望箇所を指摘(その間2週間。編集者は何もすることなし)
  6. それを編集者に送り直し。編集者が修正し、僕に送り返す(その間2週間。僕は何もすることなし)
  7. 最終的に著者である僕が確認し、郵送する(その間2週間。編集者は何もすることなし)

てな、感じで、最初に原稿を書き終えてから本になるまでに半年近くかかった。

 その後、ソフトバンク・クリエイティブのハイバー編集者、織茂さんと出会う。
 
織茂さんとの仕事の仕方はすごかった。基本、原稿は全部google
documentsに書き込んだ。かなりの部分が書きあがったころになると、織茂さんがgoogle
documentに参加してきた。僕が原稿を書いていると、織茂さんもログインしてくる。ものすごいスピードで修正箇所を指摘してくる。織茂さん自身も原
稿を追加してくる。執筆と編集が同時に進行するわけだ。
 google
documentsは数十秒ごとに自動保存されるように設定されてあると思うのだけど、同時に僕のバージョンと織茂さんのバージョンの自動保存が始まり、
「どちらのバージョンを優先しますか」とgoogle
documentsが聞いてきたこともある。「爆発するソーシャルメディア」という本は発売が3月の中旬だったと記憶しているが、印刷所の原稿を入れるの
が3月9日。確かその1週間前まで、僕は原稿を書いていた。3月中旬発売の本なのに、2月末のニュースが入っているのはこのためだ。

 一度こうした仕事の仕方が身についてしまうと、もう元には戻れない。そのあとは、織茂さんとしか仕事をしなくなったのはこのためだ。
 一度だけ、浮世の義理で某出版社の年配の編集者と仕事をしたのだが、この編集者は紙にこだわった。「紙じゃないと、著者は真剣に対応してくれない」とか
いうのが彼の言い分。著者が全員で6人だったので、その取りまとめを僕がしたのだが、原稿があっちこっちにいって、もうわけが分からない状態に・・・。編
集者は「歳を取ってくると、細かい仕事ができない。本当にイライラする」と怒っていた。こっちに怒られても・・・。「紙にこだわるお前が悪い」と、言いか
けたけど、やめた。

 Gartnerはこういうことを言ってるのかなあ。こうした2つの仕事の仕方が存在し、それぞれのよさを主張し合う者同士で衝突するようになるので、そこはうまくやりなさい、という話なのだと思う。
 google documentsは大きなファイルになると読み込みに時間がかかったり、さくさく動かなくなったりしたし、自動保存の際のバッティングの問題もある。
 googleからこのほどテスト版が一部ユーザーを対象に公開されたgoogle waveはこうした点を修正したものだ。僕も、人見知りといいながら非常に明るい友
人から招待されて、使ってみたが、今一つよく分からない。一度数人でgoogle
waveを使った共同作業をしてみたいと思う。うちの会社では無理だろうけど。ほんとにweb2.0的仕事の進め方が主流になるのかどうかは、
google waveを使いこなせるようになってから考えてみたいと思う。
 日本語のInternet Watchの記事でぴんとこない人は、英文の発表文に当たってみてください。

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