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100チャンネルでもビデオを同時に見せちゃうスゴ技術「ファブリックビデオ」

 もちろんぶっとい回線であれば1つの画面上に幾つもビデオを表示するのも可能だし、反対にそれぞれのビデオを圧縮し小さなファイルにしてしまえば、フツーの回線ででも100個ぐらいビデオを同時ストリームすることは可能。

  でも「ファブリックビデオ」は、フツーの回線で多くのビデオを1つの画面に流し、気に入ったビデオを瞬時に高解像度のビデオとして画面いっぱいに拡大できる。これってすごいと思う。11月6日に開かれたTechCrunch Japanの東京CAMP09で紹介されていた技術、サービスの中で、一番おもしろいと思った。

 最近のテレビならピクチャー・イン・ピクチャーとかいうのがあって、1つの局の放送を見ながら別の裏番組も見れるみたいだけど(知らない。どうせうちのテレビは年代物のブラウン管ですよ)、そんなもんじゃない。CATVや衛星放送なんかも含め、すべてのチャンネルを1つの画面に全部表示させて、その中からおもしろそうなもの選択して瞬時に拡大表示させることが可能。何段階にも拡大、縮小が可能なんだ。
  ほかにも例えば、野球場のあちらこちらにビデオカメラを置いて、一番見たいアングルから試合を見る、という使い方もおもしろいかも。試合が退屈になれば、スタンドのかわいい女の子にズームインしたりして。
  警備員室にテレビがいっぱい並べたりしてるけど、あんなのも1つのパソコンでこと足りるようになるのかも。

 でもそんな当たり前の使い方より、もっとクリエイティブな使い方ってできないものだろうか。
 この技術を開発した電気通信大学の笠井裕之先生によると、iPhoneアプリならすぐにでも開発可能だという。何かのキーワードでYouTubeを検索した結果の動画を64個ほど並べて同時に見ながら、おもしろそうなものを次から次へとピンチズームしていくというUI。うーん、もおもしろいかも。
 そんなのでもいいし、この技術を使って何か今までになかったような映像配信サービスってっできないものだろうか。例えばTwitterとユーストリームを合体させたようなサービスもできるかも。友人の64人のだだ漏れ映像を流していて、おもしろそうな動きがあった映像を拡大して見るようなUIっておもしろいと思うけど、どうだろうか。

もう少し技術的に詳しく書いてみると(実はあまり詳しく理解できてないんだけど)、幾つものレベルの解像度に圧縮した映像ファイルを用意しておく。例えば画面に64個のビデオを並べるのなら1つ1つのビデオのファイル容量を64分の1にする(解像度でいうと8分の1。縦8分の1、横8分の1で、64分の1の容量になる)。16個のビデオを並べるのなら1つのビデオの容量を16分の1に、4個なら容量を4分の1に、1つのビデオだけを全画面表示するのなら最高の解像度のままで、配信する。これで動画ファイルを何個送ろうとも回線がパンクすることがないわけだ。
 ファイルを結合するときに、映像の品質悪化が起こるものらしいんだけど、独自の技術でそれもないというところが画期的なのだそうだ。また最初に1つのビデオを複数の解像度のものに圧縮処理しておくので、あとのビデオの結合処理などにはほとんど時間がかからず、多くの視聴者への提供が可能なことも斬新だという。
 発表文には、2010年1月からウェブサイトで公開、10年中の本格サービス開始を狙いますって書いてあるけど、東京CAMPでの発表が本邦初公開だったみたいで、実は出資の話も起業の話もまだ何も決まっていないようだ。
 突拍子もない利用方法を思いついた人はぜひ笠井先生に連絡してみてください。kasai@is.uec.ac,jp

この記事は、TechCrunchにもダブルポストされます。

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