1990年代初頭から記者としてまた起業家としてITスタートアップ業界のハードウェアからソフトウェアの事業創出に関わる。シリコンバレーやEU等でのスタートアップを経験。日本ではネットエイジ等に所属、大手企業の新規事業創出に協力。ブログやSNS、LINEなどの誕生から普及成長までを最前線で見てきた生き字引として注目される。通信キャリアのニュースポータルの創業デスクとして数億PV事業に。世界最大IT系メディア(スペイン)の元日本編集長、World Innovation Lab(WiL)などを経て、現在、スタートアップ支援側の取り組みに注力中。
追記 Boingoの解約方法も簡単に記述しました。
アメリカはあちらこちらに無料の無線LANがあるから便利だよ、という話をよく耳にする。アメリカでiPhoneを3G回線で使うと国内の定額が適用されないんで、莫大なローミングチャージがかかったという話をネット上で見かけたりする。そこで3G回線をオフにして、無線LANの通信だけで、どの程度便利に使えるものなのかを、今回のニューヨーク出張で実験してみた。
出張は11月17日から22日まで。まず準備としてアメリカの無線LANのプロバイダーであるBoingoに申し込んだ。その辺りの話は以前のエントリーに書いた通り。
1ヶ月無料トライアルがあるので帰国後キャンセルすれば、まるまるただで利用できたりする。
準備万端、いざ出発!
ただアメリカについてからあたふたするのはいやなので、成田空港で試しに無線LANでニューヨークの同僚に電話してみることにする。まずはiPhoneの「設定」画面で「機内モード」をオン。こうすると無線LANまでオフになっちゃうので、Wi-Fiを「オン」にする。そうすると複数の電波をひろうんだけど「NRT-AIRPORT」というのがそれっぽいので、これを選択。
次にダウンロードしておいたBoingoのアプリを立ち上げる。そうすると「Use Boingo here!」との表示が。
ログインボタンをタッチすると「Presto!You are online」の表示が出た。
このままで使えるのかどうか分からないが、Launch Safariと書いてあるところをタッチして試しにsafariブラウザを立ち上げた。グーグルが立ち上がった。
バッチリ、バッチリ。
それでダウンロードしておいた無料通話のskypeのアプリを立ち上げる。無料通話といっても相手もskypeを使っている場合のみ。固定電話やケータイにかけるときは、1分数円の料金が発生する。でも国際電話がその程度でかけられるんだから、安いもんだ。僕は以前からskypeを使っていてクレジットカード番号も登録してあるんで、そのまま使えたけど、初めての人は出発前にskypeにクレジットカード番号などを登録しておく必要がある。
skypeの問題点は、相手に非通知で電話がかかってしまうこと。非通知拒否設定している相手にはかけられない。自分のskypeの番号を持つこともできるんだけど、それは有料。しかもちょっと高めだったので自分の番号を取得していない。
アメリカ滞在中はiPhoneの電話回線を切っているし、skypeの番号はない。日本の家族からの緊急の電話が受けられないのがちょっと心配だ。
僕の場合は、iPhoneとフツーのケータイの2台持っているので、緊急の場合はフツーのケータイにかけてもらうことにした。
iPhoneだけの人は、緊急の場合、電子メールを送ってもらうようにするしかない。それと電話回線を切ってあるのでショートメッセージ(SMS)の送受信はできないことも注意。
さてskypeでニューヨークの同僚に電話をしようとしたんだけど、かからない。あれ?日本で試しておいてよかった。向こうに着いてからだと多分あせったと思う。「オフラインです」って、今Boingoでオンラインにしたと思ったんだけど。
いろいろ探してみると、skypeのアプリの中の「my info」のところにログイン状態というのがあって、そこがオフラインになっていた。ここでオンラインのところにタッチ。これでオンラインになった。これで再度挑戦。
あれ、かからない。
どうしてだろう。もう一度試してみる。かからない。
んー、よく分からない。仕方がないのでニューヨークの同僚はあきらめて、自宅の妻にskypeで電話してみることに。
かかった。非通知なんでびっくりしていたけど、ニューヨーク滞在中は非通知でかける旨を報告。
国内でかかるんなら、ニューヨークにもかかるはず。自信が出たので、再度挑戦。
おっ、今度はかかった。
無事ニューヨークと話することができた。これでばっちり。さあ、今度こそ出発だ。
ニューヨークのJFK空港に到着。飛行機を降りてすぐにiPhoneの電源を入れてみる。幾つか無線LANの電波を拾っているみたい。Boingoを立ち上げてみようとすると、怖そうな空港職員のあんちゃんに怒られた「No cell phone here!」。どこまでがケータイ禁止区域なのか分からないので、とりあえず入国審査、荷物チェックが終わって、そとに出るまで待つことにした。
成田で試した通りにやると、問題なくつながる。しめしめ。ケータイをレンタルすることも、高いローミング料金を払う必要もこれでない。万が一緊急の場合は、3G回線をオンにすればいいだけだし、緊急の場合は、ローミング料金がかかってもそれは仕方がないと思う。
まあ無線LANのないところではiPhoneを一切さわらないぐらいの覚悟があれば、3G回線をオンにしておいてもいいけど。
でも例えばローカル情報のYelpのようなアプリの中には、どの部分のデータがローカルにキャッシュされてて、どの部分のデータが毎回通信で取得しているのかが分かりづらいものがある。便利に使っていると、料金がかかっていたということになりかねない。そう思って僕は、3G回線を常時オフにすることにした。ちなみにyelpはオフラインでも地図を表示してくれるので非常に便利。ニューヨークのガイドアプリをAppStoreで購入しようかなとも思ったけど、yelpで十分便利なので、購入しなかった。
滞在したのは57ストリートにあるBuckingham Hotel。ニューヨークらしい趣のある小さなホテルだ。フロントと2階のラウンジでは無料の無線LANが利用できる。自分の部屋には別の無線LANが利用できるようになっているんだが、こちらは有料。1日13ドル。
そんなに払えるか!
この無線LANってBoingoと提携していないんだろうか。Boingoのアプリを立ち上げると「Sorry, not a Boingo network」という表示が。
iPhoneの設定のところで、次々とほかの無線LANの電波を選択してみたが、どれもやっても「Sorry, not a Boingo network」となる。ぜんぜん使えないじゃん。
ということで頻繁にラウンジまで降りていって、無料無線LANを利用することに。
日中は街中を結構歩いた。本当にニューヨークって安全になったなあ。以前のようなぴりぴりした空気を感じない。もちろん危険な地域も残っているようだけど、ほとんどの地域はまったく安全。
iPhoneを握りしめて街中を歩くも、使えそうな無線LANはほとんどなし。いちいちBoingoを立ち上げて、どの無線LANが使えるのかを確認するのも非常に面倒。でも先にも書いたけどyelpの地図がオフラインでも使えるし、GPSで現在地も分かるので、無線LANのあるところでyelpで行きたい場所を探してブックマークしておけばいいと思う。
確かBoingoのホームページでスターバックスの無線LANは使えると書いてあったので、スターバックスの前でおもむろにiPhoneを取り出してみる。店の前でも電波が十分届いている。早速アクセスしてみよう。 iPhoneの設定のwi-fiのところをみるとAT&Tの電波が一番強いので、これを選択してBoingoアプリを立ち上げる。やはりAT&TはBoingoと提携していた。問題なく使えた。ここでメールとTwitterの最新データをダウンロード。と同時にYelpで周辺のデパートも検索してみた。
ニューヨークにはスターバックスが本当に多い。100メートルも行くと別のスターバックスがあったりする。スターバックスごとに無線LANにアクセスしてメールをチェックしていた。
さて、無線LAN体験記いかがでしたえでしょうか。参考になりましたか。
4日間の滞在で、感じたことは、やはり3G回線が使えないのは不便だということ。グーグルマップも地図を表示しないし、SMSも使用できない。
一方でYelpは地図データがローカルにキャッシュされてるので非常に便利だった。無線LANのあるところで、行きたい場所を検索し、ブックマークしておけば、それをもとにニューヨークの町を自由に歩き回れると思う。
またskypeも本当にありがたいと思う。ホテルの部屋の電話料金ってほんとうにバカ高いから。
いざというときは3G回線をオンにして緊急連絡を取るということにして、あとは無線LANだけでも結構なんとかなった。海外旅行用ケータイをレンタルする必要なし!
関連記事;Yelpがあればガイドブックいらず
追記 Boingoの解約方法
頻繁に海外に行かれる方は、このままBoingoを利用されればいいかと思います。もしそうでないのなら、くれぐれもBoingoのページで解約するのを忘れないようにしてください。1ヶ月後から毎月自動的にクレジットカードにチャージされますよ。
モバイルのページでログインして入り、「記述の設定」のタブを選択し、「取り消しの選択」をクリック。辞める理由は正直に、no longer traveling as muchでいいと思います。それで「続けなさい」をクリック。「記述の停止 首尾よく取り消される記述」とでれば、アカウントを停止できたのだと思います。それにしてもひでえ日本語だなあ。