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ルパート・マードック紙率いるニュース・コーポレーション以外の新聞社にもGoogleのクローラー締め出しを検討するところが増えてきたようだ。Bloombergニュースが報じている。
Publishers of the Denver Post and the Dallas Morning News may pull some of their stories from Google Inc.’s news site, a move that would emulate News Corp.’s Rupert Murdoch.
こういう動きに発展する可能性は十分にあると思っていた。最初にマードック氏がグーグル締め出しを示唆したときに、ネットの状況を把握している人たちからは「自殺行為とみられていることなのに。にわかに信じがたい」「検索エンジンの重要性をおろそかにしているとは思いにくい。一種のパフォーマンスでは」という声があるって書いた。でも、メディア業界の人って、たとえオンライン事業をやっている人たちでも考え方がネット業界とは違うんだから。
だってネット業界のイベントや会合に顔を出すマスメディア業界の人ってほとんどいないでしょ。見たことないでしょ。マスメディア企業のオンライン担当者でも自分たちをネット業界とは考えていなし、SEOという言葉さえ知らない人は山のようにいる。ほとんどがそうじゃないかなあ。SEOなんて考えたこともない人が、Google締め出すとどうなるかなんて考えるわけないじゃない。
さてグーグル締め出しの動きって、すべての従来型メディア企業に広がるかっというとそんなことはない。断言できる。
こういう動きは、よくあることなんだ。
時代のニーズに応えられないことを人のせいにしたいという気持ちは分かるし、その怒りをだれか代表的な人や企業にぶつけたいというのは人間の感情としてよくあること。
その一方で、感情的な人を尻目にこの機に有利な方向に動こうという人たちもいる。
第3者からみれば「信じられない」という感想が出るような感情的、非合理的な動きをだれかがするときは、日ごろライバル関係にある人たちの間では、必ずこの2種類の動きが起こるもんなんだ。
例えば日本のメディア企業の人たちは、まだグーグルの脅威にそれほど気づいてなくて、もっぱら感情の矛先はヤフーやMixiに向いている。Greeが力
を持っていることは知らない人が多い。Greeの名前を聞いたことがない人も多いんじゃないかな。だってモバイル領域はまったく知らないみたいだから。
で、仮想敵に感情をぶつけているのがどの社で、この機に有利に動こうとするのがどの社かってのは、ヤフーやMixiの情報提供企業一覧をみれば分かる。
結末はどうなるのかと言うと、落ち着くべき形で落ち着く。つまり時代のニーズの変化に応じて進化できるところは勝ち残るし、力づくで対抗しようというところは時代の津波に飲み込まれる。それだけのことだ。
氷河期になったことに対する怒りを、恐竜が空から降る雪にぶつけても事態はなにも変わらない。そうした恐竜の怒りや悲しみとは別に、氷河期は進行する。果たして自ら哺乳類に進化できるのかどうか。
「哺乳類に進化しなければいけないよ」という声と「ばかやろう。できることとできないことがあるんだ。そんな夢みたいなこと言ってる時間があれば、早くみんなのために洞穴を探せ」という声。仲間内で、そんな会話している間にも氷河期は進行するんだよなあ。
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