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Twitterでビジネスが本当に変わるかも

 ITで企業内の風通しがよくなるー。もう10年以上も前から言われていることだ。ナレッジマネジメント、イントラネット、企業内ホームページ、社内ブログ、社内SNS・・・。社内の情報流通を活性化させようと、前向きな会社ほどいろいろなツールを試してきた。ツールベンダーは新しい名前、新しい仕組みのツールを次々と提案し、「今度こそ効果があります!」と高価なツールを売りつけてきた。しかし箱は作っても、中は閑古鳥。やはり日本人は情報発信しない国民だという声も聞こえてきた。

 そんな中、Twitterだけは様子が違う。これまであまり情報発信しなかったような人でも頻繁につぶやいている。140文字という制限が、かえって情報発信のハードルを下げているのかもしれない。Twitterを企業内の情報交換ツールに使えば、今度こそ社内の風土が変わるのではないか。そう思っていたら、実際にそれを試した企業があって、その会社の社長さんがその成果を本にまとめた。それがマスキン増田さんが書評を書いた「iPhoneとツイッターで会社は儲かる」という本。


 僕自身は本を読んでいないのだが、マスキンの書評の中にg本を書かれた山本敏行さんのブログのエントリー「Twitterを全社導入して気づいたことが紹介されていたので、リンク先へ飛び、そのエントリーを非常におもしろく読んだ。

 僕自身が興味深く感じた点を幾つかピックアップしたい。

▼社内コミュニケーションの向上

 山本さんの会社ECstudioでは、電話、スカイプグループチャット、メールという情報伝達ツールを使い分けているのだが、Twitterはその3つのツールではカバーできないような情報が伝わってくるのだそうだ。

「休日にスタッフで行ったBBQ大会」の様子や
「飲み会で飲み過ぎて行方不明になったスタッフの捜索状況」
「東京支社で●●に食べに行った」、「本社でコアリズムを開始した」

など、今まで知り得ることのなかった情報がつぶやきで流れてきます。

 これは社内のコミュニケーションの向上につながっている。

▼ガス抜き

 僕もそうだけど、ちょっとしたイライラを感じたときにTwitterでつぶやくことがある。それだけでもかなりのストレス解消になるのだが、だれかが「そうだね、大変だね」と返してくれたりするだけど、かなり気分がリラックスするので不思議だ。

 山本さんは「もし、2CHに内部情報を書かれて困っている企業であれば、Twitterを始めたら書き込まれる量が減るかも知れません」と書いているが、本当にそうかもしれない。

▼社員の心の声が聞ける

 同社では、社員の声を吸い上げるために、いろいろな方法を積極的に試しているので、社員の声は聞けているほうだと山本さんは考えていた。ところがTwitterを始めたら、これまで聞こえてこなかった社員の心の声がリアルタイムでどんどん入ってくるようになったのだそうだ。

Twitterじゃないとこんな声聞けてないだろうなぁとも思います。

そして、その瞬間に気づいてあげれば軽かった問題も
1ヶ月後の面談の時には深刻化してしまう可能性がありますから
Twitterのリアルタイム性は非常にありがたいです。

▼情報共有、ブレスト

 これはTwitterをやっている人ならほとんどの人がその効果を理解していると思うが、社内外の人たちと情報を共有し、ブレーンストーミングをリアルタムでできるということが、ビジネスにおけるTwitterの最大の価値だと思う。

 20世紀のように、目標が定められていて、ただモーレツに頑張り、前に進むことだけが求められていた時代とは異なり、21世紀は地図のない航海の時代。ただ前に全速力で進んでいては暗礁に乗り上げる可能性がある。レーダーで自分の位置を周りに発信し、周りの船と連絡を取り合いながら進んで行くしかないのだ。
 情報収集力、情報発信力、人脈力こそが重要な時代になってきたのだと思う。

 世界的にこの方向に時代は動いている。だからビジネス向けのソーシャルメディアが生まれようとしているのだと思う。SalesforceがBtoB型企業向けSNS=「つぶやき」はビジネスを変えるという記事をアップしたあと、Twitterで反応を見ていたら、「日本でもこんなサービスほしい」という声が意外に多かった。

 Twitterユーザーたちは、Twitterの情報共有やブレストにおける潜在的なパワーを肌で感じているのだろう。

iPhoneとツイッターで会社は儲かる
著者:山本 敏行
販売元:毎日コミュニケーションズ
発売日:2010-02-23
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