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米調査会社のPewInternetは、米国人のニュース消費の現状に関する調査結果を発表した。それによると、インターネット上でニュースを入手すると答えた人のうち75%が電子メールやソーシャルメディア上の書き込みを通じてニュースを知ることがある、と答えた。ニュースのソースとしては相変わらずテレビが首位だが、ネット上ではユーザー同士のクチコミでニュースが伝播するケースが増えてきているようだ。
* 75% of online news consumers say they get news forwarded through email or posts on social networking sites and 52% say they share links to news with others via those means.
* 51% of social networking site (e.g. Facebook) users who are also online news consumers say that on a typical day they get news items from people they follow. Another 23% of this cohort follow news organizations or individual journalists on social networking sites.・オンラインニュース消費者の75%が、メールやSNSの書き込みでニュースを取得すると答えた。52%は、同様の方法でニュース記事へのリンクを友人などと共有すると答えている。
・FacebookなどのSNSの利用者の51%は、フォローしている友人などからニュースを知ることがある、と答えた。23%が個人のジャーナリストや報道機関のアカウントをフォローしている、と答えている。
一方でニュースのページのコメント欄などにコメントしたことがあると答えた人は25%、タグ付けしたことがある人は11%だった。ニュースを自ら発信する人は9%だった。ニュースの伝播に関与する人は多くなっているが、実際に情報発信する人はまだまだ少ないようだ
▼ネットがラジオ、新聞を超えたニュースメディアに
平均的にどういうメディアでニュースを消費していますかという質問に対しては、次のような回答が得られた。
78% 地方TV局
73% 全国放送TV局
61% インターネット
54% ラジオ
50% 紙の地方紙
17% 紙の全国紙
情報ソースとして、ネットがラジオ、新聞を抜いている。合計が100%を超えているのは、一人が複数のメディアを利用しているから。インターネットといっても、新聞社やテレビ局のオンラインサイトにアクセスしている場合も含まれるので、必ずしも新聞社の記者が書いた記事が読まれていないというわけではない。
▼若者ほど人間関係に頼る傾向
ニュース入手の姿勢に関する質問では、「考えてもいなかった問題やトピックスに出くわすのが好きなタイプ」という文に対し「まさにそうだ」と答えた人が34%、「関心のあるトピックスばかりを追うタイプ」は28%、「知っておくべき情報は周りの人から教えてもらうタイプ」は15%だった。
特に「知っておくべき情報は周りの人から教えてもらうタイプ」は若者に多く、18歳から32歳のうち22%が「自分はまさにこのタイプ」と答えた。46歳から64歳の年齢グループの11%がこのタイプだと答えており、ニュースを人間関係に頼るユーザーが若い人ほど多いことが分かる。
またソーシャルメディアの利用者ほど人間関係を通じてニュースを取得する人が多く、ソーシャルメディアを利用していない人のうち10%が「周りから教えてもらうタイプ」と答えているのに対し、Facebookなどのソーシャルメディアの利用者は17%が同タイプと答えている。
▼ネットで情報は偏るのか
インターネットだけでニュースを取得していると、自分と違う意見や関心のない情報をフィルター機能で排除してしまって情報が偏るのではないか、という議論がある。特にメディア企業関係者の中には、テレビのように関心のないニュースを見せるメディアが今後も民主主義国家を維持するために必要である、と主張する人が多い。
果たして、インターネットは自分の関心のない情報をフィルター機能で排除しているのだろうか。
今回の調査結果では、80%のユーザーが「ほかのことをしているときに、ニュースに出くわすことが週に2、3回はある」と答えている。59%のユーザーは、それが毎日あると答えている。
このネットによる情報の偏りの問題は、慎重に検証し議論していかなければならない問題だが、少なくとも現状においては、自分の関心のないニュースをネット上で完全にシャットアウトすることは難しいようだ。
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