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メディアの変革期なんで、いろんな人がいろんな定義でメディアの話をするので、まったく話が通じないことがよくある。以前、新聞関係者から「ヤフーのことは普通の日本語ではメディアとは呼ばない」と言われたこともあるぐらいだし。【関連記事】だからヤフーも報道機関になるって言ったじゃない
いろんな定義を見ていくと、メディアって「情報を伝達する媒体」のことって定義でまあいいか。「媒体」とは「なかだちをするもの」「真ん中に位置し、仲介するもの」みたいな感じかなあ。
そういうような定義を使うと、20世紀にはテレビ、ラジオ、新聞、雑誌が「メディア」だったというのは正しい認識だと思う。
でも21世紀になってインターネットが社会で最重要の情報伝達インフラになることは間違いなく、その中で「人と人との真ん中に立ち、情報伝達を仲介する」ものといえば、Twitterであったり、Mixiであったり、というソーシャルメディアだ。つまりネットが社会の核になる21世紀においては、本来のメディアの定義に該当するのはソーシャルメディアということになる。
決して新聞などのオールドメディアは、人々の輪の真ん中には位置していない。
その証拠にアクセス数を自慢する報道機関のニュースサイトを見てみると、そのアクセスの大半はヤフーからの流入だったりする。ヤフーにニュースコンテンツを提供する見返りの一部として、ヤフー側に報道機関サイトへのリンクを置かせてもらっているのである。ヤフーというコミュニティに集まってきた人は、リンクをたどって報道機関のサイトへ一時的にジャンプしても、またヤフーに戻っていくのである。
つまりオールドメディアは、ヤフーの外側に置かれたコンテンツのストレージなのである。
オールドメディアは、ヤフーをメディアの定義に含めることに対して怒っている場合ではない。現実には自分たちがメディアの定義から抜け落ちようとしているのである。もしメディアの定義の中にいたいのであれば、コンテンツの周りに人が集まり、情報が情報を呼ぶようなコミュニティを維持しなければならない。ただこのコミュニティ運営はそれほど収益性がよくない。なので徹底したコスト削減と、そのコミュニティ周辺に収益性の高い事業を幾つも持つべきなのである。
InternetWatchの記事新聞協会などがフェアユースに反対「Webページ印刷は被害甚大」によると、新聞協会は「ニュースサイトなどのWebページが私的使用の範囲を超えて無断印刷されることで、新聞社や出版社は大きな影響を被る」と主張しているようだが、そんなイノベーションの最後尾でエネルギーを使ってる場合じゃないんじゃない。そんなことに労力を使っていると、コンテンツ置き場としての役割が確定してしまいますよ。
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