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TechWaveはジャーナリズムではありません【今週のピックアップ】一般医薬品ネット販売禁止訴訟

 TechWaveはブログメディアである。報道機関ではない。既存のジャーナリズムの形を追求しているわけではないのだ。TechWaveに対するTwitter上での反応を見ていると、TechWaveを既存ジャーナリズムのようなもののようにみなしている人がいるので、はっきりと宣言しておきたい。われわれは”ジャーナリズム”ではありません。

 われわれの言論活動と既存のジャーナリズムとの違いは、われわれの記事は起点であるのに対し、既存ジャーナリズムの記事は終点である、ということだ。


 それは双方向と、一方通行というそれぞれが基盤とするメディアの特性に由来するものだ。われわれは、われわれがすべてを知っているとは当然思っていないし、すべてを知っているふりもしたくない。当たり前のことだが、われわれより優秀でよく知っている読者が世の中には相当数存在する。そうした人たちの知見が、われわれの記事を起点にTwitterを始めとするソーシャルメディアの中で集まっていってくれればいいと思っている。

 ネットがなかった時代には情報や知見が自律的に集まることはなかった。なので記者が足で情報を集める必要があったのだ。集まった情報の終点として記事を執筆していたわけだ。

 今は記者が足で集める情報よりもコストパフォーマンスよく、しかもより有益な情報がネットを通じて入手できる。こうしたことが可能な時代になったのに、古いやり方に固執する人たちの考え方がまったく理解できない。自分たちの存在意義がテクノロジーに代替されそうになっているのであれば、そのテクノロジーを否定するのではなく、使いこなしたうえで自分たちがどのような新しい価値を創出できるのかをイチから考え直すべきではないのだろうか。

 「直接取材もせずに記事を書いている」という批判を受けることがある。そういう批判をする人が読めば、気が狂うかもしれない記事を紹介しよう。僕が書いた「つぶやきから読むセカイカメラの今後とiPhone時代の次」という記事だ。まったく取材せずに書いた。でもセカイカメラを取材して書いた他の媒体の記事と比べても自信のある内容になっているし、セカイカメラの井口さんからは高い評価をいただいた。

 「こういう記事はジャーナリズムではない」と言われるだろうから、こちらから宣言したい。これはジャーナリズムではないと。もしメディアやジャーナリズムが20世紀の手法から脱却できないのであれば、そんなものにはなりたくもないと思っている。

 さて前書きが長くなったが、増田さんがコントラバーシャルな(意見が分かれがちの)テーマに挑戦してくれているので、これを評価して今週のピックアップに選んだ。こうしたテーマはまさにソーシャルメディア、ブログメディアにふさわしいものだと思っている。こうしたテーマの記事を起点に、ソーシャルメディア上で活発な議論を起こしていくことこそが、21世紀型のジャーナリズムの一端を担う作業になるのだと思う。

【今週のピックアップ】
ケンコーコム、一般医薬品のネット販売禁止訴訟の判決要旨を公開【増田(maskin)真樹】
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