つぶやきから読むセカイカメラの今後とiPhone時代の次

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 IT業界で今最も旬な人物といえばセカイカメラを開発した頓智・(ドット)の井口尊仁さん。彼が何を考えているのかを知りたい人も多いはず。本当は取材したいんだけど、彼も忙しいだろうし、僕も最近は餃子の会などでなかなか忙しい(なんじゃそれ)。でも取材しなくてもtwitterのつぶやきを読めば、彼の考えは大体分かる。便利な時代になったものです。ということで今回は、「取材もしないで書く頓智・のすべて(いい加減バージョン)」をお送りします。

 セカイカメラは今後、どう進化していくのだろうか。答えは簡単。井口さんは次のようにつぶやいている。

@iguchi: とにかく専用デバイスはやる!と。あと、アンドロイドバージョンは半端無くやる!と。そして、Version Twoはフルパワーで行く!と。ワールドリリースも待った無し!と。Open Air APIも頑張るぞ!と。

 今はセカイカメラはiPhone上でのみ利用できるが、グーグルのOS「アンドロイド」上でもセカイカメラのアプリをリリースするようだ。しかも「半端無く」というのは、iPhone上のセカイカメラのアプリを超えた機能を考えている、ということではなかろうか。

 実はアンドロイドに対する期待のほうが大きいんじゃないだろうか。こんな風にもつぶやいている。

@iguchi: 本質的にはこういう生態系の形成はAndroidこそ担うべきスタンスだった様な気がする。もちろん、これから、もっと豊かなエコシステムが生まれ育つ可能性はある。

 そして「とにかく専用デバイスはやる!」というつぶやきに注目。セカイカメラの専用機、すごくないか、これ。しかも多分海外メーカーとやるんじゃないかなあ。どんなハード機器になるのか楽しみだ。

 Open Air APIとはセカイカメラの技術仕様のことで、他社に公開することで、サードパーティーでもセカイカメラの一部機能を利用したツール、サービスを作れるようになるということ。セカイカメラの技術を中心にしたエコシステムのようなものを作ろうという考えだ。日経BPはOpen Air APIについて次のように書いている。

セカイカメラは、携帯端末が内蔵するカメラ経由で取り込んだ現実の映像に、付加情報のリンク先などを記した「エアタグ」を重ね合わせて表示するアプリケーション。OpenAir APIを公開することにより、サードパーティも「エアタグ」を組み込んだアプリケーションを開発できるようになる。

 井口さんはまた次のようにもつぶやいている。

@iguchi: @akiTanak Twitter標準のロケーション情報とリンクしたいですね。

 twitterは位置情報をつぶやきにリンクさせる方向で準備を進めていると報じられているが、これがtwitter側で実装されれば、セカイカメラとの情報とも連携させていきたいということなんだろう。セカイカメラを見ながら、この近くで友人がつぶやいているかどうか調べたり、反対にtwitter側でつぶやきを読みながら、その場所に関連するセカイカメラ上の写真などを見れるようにもしていきたい、ということなのだと思う。

 まあセカイカメラの今後もこんな感じでなかなか楽しみなんだけど、個人的により興味をそそられたのが、井口さんが描く今後のモバイル機器の方向性だ。幾つかつぶやきを引用しよう。

  • @iguchi: iPhoneの面白いのはShazamとかRJDJとかのVisible化以外のアプローチ含めて環境をSense/Compute/Feedback/Interactできる仕組みがスモールアプリの総体として出来上がりつつ有る事。ある種の自律的な生態系の形成。
  • @iguchi: 本質的にはこういう生態系の形成はAndroidこそ担うべきスタンスだった様な気がする。もちろん、これから、もっと豊かなエコシステムが生まれ育つ可能性はある。
  • @iguchi: Textに限らずImageのみでなく、TouchやSound、SpeedやMotion、DirectionやDistanceなど、いろんなMicroDataStreamingが新しい情報環境を創っていく。
  • @iguchi: TwtitterPhone的なデバイスの可能性はMulti Sense Multi FeedbackのLifeLogツールにあるのかも知れません。ポストiPhoneの可能性大。MicroTaggingDevice が新しい知覚と生活環境をもたらす。

なぜこうしたつぶやきに興味を持ったのか、というと、実は僕、今、メディア論の権威、マーシャル・マクルーハンにはまり始めたところなんです。

マクルーハンによると、電子メディアは、これまでのテレビ、ラジオなどのメディアと違って、人間の神経や感覚を肉体の外部に延長するメディアなんだそうだ。電子メディアっていうのは、インターネットのことを指している。マクルーハンはネットが広く普及する以前の1980年に亡くなってるから。

Shazamというのは、音楽の流れている方向にiPhoneを向ければ、音楽を認識し曲名を表示してくれるというアプリ。マクルーハン的にいえば、人間の聴覚から頭脳までの働きの代わりをしてくれるアプリということになる。

RJDJというのは、iPhoneでひろった音にいろいろなエフェクトを追加して遊ぶアプリ。

こうした聴覚に関連するアプリや、セカイカメラのように視覚に関連するアプリなど、人間の神経や感覚を外部に拡張することのできるアプリがiPhoneにはいろいろそろっているし、今後ますます増えていくだろう。

こうした人間の感覚を補い、拡張するモバイル機器が、iPhone全盛期の次のモバイル機器になるのではないか、と井口さんは考え、それこそが電子メディアであるとマクルーハンは40年も前に予言しているのだ。そうしたモバイル機器が新しい生活環境をもたらすと井口さんは考え、人間そのもの、社会そのものを変えると、マクルーハンは説いている。そして世界中の人々が世界中のあちこちで起こることを同時に脈略もなく共有し、認識することで、世界は1つの村のようになる、というのがマクルーハンの主張。

ねっ、おもしろいでしょ。

二人のビジョナリーが時空を超えて同じようなことを考えている。

本当にそうなるのかどうか凡人の自分には分からないけど、まあ試しにこの方向には注目しておきたいな、と思うわけです。

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Editor In Chief at TechWave.jp
1990年代初頭からソフトからハードまで50以上のスタートアップ立ち上げを国内外で経験。平行して雑誌ライターとして疾走。シリコンバレーでガレージベンチャーに参画後は、国内でネットエイジを筆頭にスタートアップに多数関与。ブログやSNSの国内啓蒙、ソニーの社内イノベーション事業など関与。通信キャリアのニュースポータルの立ち上げ期の編集デスクとして数億PV事業に育てた後、TechWaveにジョイン。世界最大のグローバルIT系メディアであるスペインの「Softonic」の元日本編集長
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