- 雨を降らせる機械からiPhone電脳メガネまで「自分が欲しいから作った」Mashup Awardめっちゃ楽しい12作品【鈴木まなみ】 - 2013-11-19
- スマホアプリは大手有利の時代【湯川】 - 2013-07-05
- そしてMacBook Airは僕にとっての神マシンとなった【湯川鶴章】 - 2013-06-14
米Googleが、同社最高峰の技術を詰め込んだ自社ブランドの携帯電話Nexus Oneのネット上での直接販売を中止すると発表した。Googleのブランド力を持ってしても、携帯電話の販売において通信キャリアから主導権を奪うことはできなかったようだ。
今年1月にGoogleがNexus Oneを発表したときの同社ブログのエントリーのタイトルは「Our new approach to buying a mobile phone(われわれが提案するケータイの新しい買い方)」となっていた。「新しい買い方」とはネット上でGoogleから直接購入できるということ。ネット上で携帯電話を直販することで消費者と直接つながり、通信キャリアの影響力を低下させようとしたのだろう。
Googleにしてみれば、せっかく新しい機能を開発しても通信キャリアの事情で採用されないことがある。確かに端末メーカー側で携帯電話をパソコンの通信モデムのように使用できる機能を搭載しても通信キャリアがこれを使用不可に設定して販売したり、アプリメーカーが家庭の電話と携帯電話、留守番電話などを統合するサービスを開発しても、通信キャリアが使用を認めないケースがある。
一方で通信キャリアにしてみれば、技術革新のスピードにまかせて新しいサービスを無制限に導入すれば通信回線がパンクする可能性だってある。既存のビジネスを破壊しない程度に、技術革新を抑え込まなければならない事情があるのは事実だ。
こうした両者の思惑の対立の中で、Googleは通信キャリアの思惑に左右されない形で携帯電話を思う存分に進化させたかったのだろう。
そこでGoogleは「直販」という実験に出たわけだが、ネット直販で購入したのはアーリーアダプター層と呼ばれる新しい物好きのユーザーが中心で、一般的な消費者は乗ってこなかった。やはり大半の消費者は、購入前に携帯電話を手に取り、いろいろと質問ができ、アフターサービスもしっかりしている通信キャリア系列の実店舗での購入を希望したということなのだろう。