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「小さなチーム、大きな仕事」の37シグナルズから制限の多いiPadアプリ「Draft」登場 【増田(@maskin)真樹】

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 書籍「小さなチーム、大きな仕事」でシンプルかつスマートな仕事術を提唱した37シグナルズからiPadアプリ「Draft」がリリースされた。(iTunes Storeへのリンク)

 これはいわゆるスケッチをするためのアプリ。早速購入して試してみたが、実に37シグナルズらしい作りに驚かされた。

ペンは赤と黒の2種類、太さも変更できない

 スケッチアプリといえば、多数の色を選択できたり、ペンの太さや種類も選択できるのが一般的。アイコンを置けたり、色々な特殊効果ができるほど高機能と思われがちだ。

 しかし、この「Draft」には赤と白 の2種類の色しかないし、ペンの太さも選択できない。黒板消しもそんなに大きな範囲を消去できるわけでもない。

 その代わり、どんどんページをめくってスケッチすることができる。

 共有も、メールまたは37シグナルズの有料情報共有サービス「Campfire」でスムーズに行うこともできる。

だが、思考は拡張される

 正直いって「ペンが太すぎて細かい部分がかけないじゃないか」と初めは思った。Twitter連携くらいして欲しいとか。これで日本円で1200円は高いなあー、というのが正直なところ。

 ところが、使い続けているうちにあることを思うようになった。「これって、黒板を使っている時と同じ感覚だ」つまり、黒板やホワイトボードを使っている際、私達は「特殊効果」のこととかを考えたりしていない(広範囲を消したいとは思う)。ペンも通常は2種類くらいだ。

 逆にこういった制限があることで、考えることに注力している自分が存在していることに気がついたのだ。なんてフィロソフィカルなアプリなんだろう。踊らされているだけ、とツッコミが入りそうだが、逆にDraft使用30分後、高機能なスケッチアプリを削除した自分がいる。

iTunes Store「Draft」

■ 37signals Draft for iPad: Simple sketching and sharing
http://37signals.com/draft

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(増田(maskin)真樹)

著者プロフィール:増田(maskin)真樹twitter:maskin

www.metamix.com/

 1990年より執筆およびネットメディアクリエイターとして活動を開始。
 週刊アスキーを初め、日経BP、インプレス、毎日コミュニケーション、ソフトバンク、日経新聞など多数のIT関連雑誌で活躍。
 独立系R&D企業のマーケティング部責任者の後、シリコンバレーで証券情報サービスベンチャーの立ち上げに参画。帰国後、ネットエイジでコンテンツディレクターとして複数のスタートアップに関与。ニフティやソニーなどブログ&SNS国内展開に広く関与。
 現在、複数のメディア系ベンチャー企業にアドバイザー・開発ディレクターとして関与。大手携帯キャリア公式ニュースポータルサイト編集デスク。書き手として、また実業家として長年IT業界に関わる希有な存在。

 6月17日 翔泳社より「Twitter情報収集術」を発売。

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