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Googleの新しいPC、モバイル一発連携機能「Chrome to Phone」の中にYouTube連携機能がある。しかしパソコンで見ていたYouTubeビデオをモバイルに転送するニーズなんて、どれほどあるというのだろう。不思議な話だ。
IT企業が不思議な機能を開発した場合、必ず隠れた意図があるとみていい。それがこれまで長年にわたりIT業界を取材してきたわたしの結論である。では隠れた意図とはなんなのだろうか。
これは比較的簡単な話である。今月からGoogle TVの月産40万台という強気の量産が始まっている。Chrome to Phoneの仕組みは、Chrome to TVとしてGoogle TVにいとも簡単に搭載できるはずである。パソコンで面白そうなYouTubeビデオを見つければ、ボタンをワンクリックするだけでGoogle TVが立ち上がりそのYouTubeビデオの再生が始まるという仕組みだ。YouTube視聴が非常に便利になるはずだ。大画面での視聴にたえられるような高画質のビデオのアップロードをYouTubeが推奨するようになったのも偶然ではない。
そう隠れた意図とは、Googleはこの機能でパソコン、モバイル、テレビの簡単一発連携を目指している、ということだ。パソコン、モバイル、テレビの間でシームレスにコンテンツをやりとりする。「続きはウェブで」というコマーシャルとは比較にならないような、コンテンツ連携の形が始まることになる。それがGoogleの考えるデジタルライフスタイルの近未来の形である。
そしてAppleも、Googleとほとんど同じ近未来を見ている。
そしてその近未来が今年の秋から幕を切って落とされるのだ。Google、Appleともテレビ関連の新製品を年内から年明けにかけて投入してくる。Google、AppleというIT業界の両巨頭の主戦場はテレビの領域になるのだ。そして、両社が競争することで業界全体のイノベーションがより加速するだろう。
テレビ視聴の形態は今年の秋から大きく様変わりを始める。電子書籍が出版業界を揺さぶっているのと同じか、それよりも大きな変革が今後1、2年の間にテレビ業界を飲み込むことになるのだ。テレビ局は、広告代理店は、どうなっていくのだろうか。
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