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無料のiPhoneアプリとしてリリースされたばかりだが、「Eat out(外食)」「Coffee」「Shopping」などといった12個のアイコンの中から、これからしたいこと選んで意思を表明するツールだ。例えば「Coffee」を選ぶと、「Tsuruaki Y.(ここはユーザーの名前)wants to have coffee(鶴章はコーヒーを飲みたいと思っている)」というメッセージをFacebookやTwitterに流すことができる。その際に「select coffee shop」という文字のところをタップすれば、近隣のコーヒーショップがリストアップされるので、その中から今から行きたいコーヒーショップを選ぶと、そのメッセージと一緒に店名をFacebookやTwitterに流すことができる。
ちょうどFoursquareのような位置情報サービスで、GPSで現在地情報を入手すれば周辺の店舗やレストランがリストアップされるようなもの。ただFoursquareなどのサービスが今いる店舗にチェックインするのに対し、Dittoはこれから向かう店舗にあらかじめチェックインするような形だ。
Foursquareでチェックインすると近くにいる友人から「今すぐ近くにいるので、このあと会わないか」というメッセージが送られてくることがある。そうしたことを期待してチェックインする場合もあると思う。ただこれまでの位置情報系サービスだとその店に到着後にチェックインすることになり、友人がそのチェックイン情報を見て出向いてくるまで時間がかかる。その点、Dittoだとこれから出かけたいという情報を発信するわけだから、ほとんど同じころに友人とその店で合流できる可能性がある。
また「Eat out(外食)」のボタンをタップしたあと、さらに「Asian」「Fast food」「Pizza」などといったジャンルを選んで発信することも可能。「ピザ」を選ぶと「鶴章は外食したいと思っている」というメッセージが「鶴章はピザを食べたいと思っている」というメッセージに変わって、友人に対してプッシュ通知される。そうすると友人から「その付近でピザを食べたいのなら〇〇という店がいいよ」というメッセージが返ってくる可能性がある。
現在地をベースに、コンピューターが周辺の店舗をレコメンドしてくれるのに加え、友人からのレコメンドを受けることもできるわけだ。検索的、機械的なレコメンドと、ソーシャルなレコメンドの両方を合わせた設計が秀逸だと思う。
また情報発信がボタンをタップするだけで完了するというUIもすばらしい。Twitterは140文字のコミュニケーションという情報発信の手軽さで人気を博したが、もっと手軽にコミュニケーションできる方法がほかにもあるはず。特にスマートフォンにはタッチスクリーンという優れた入力方法があるのだから、それを活用しない手はない。Dittoでは先程のピザの例のようにボタンをタップしていくことでメッセージが自動的に変換されるようになっている。情報発信を手軽にするということは、これからツールをデザインする上での大事な要素だと思う。
下記のインタビュー動画によると、ビジネスモデルはキーワード広告になるという。「これからしたいこと」を表明するのだから、広告効果が高くなることは十分に予想できる。「外食」「ピザ」と選択したユーザーに対して現在地周辺のピザ屋のクーポン券を表示すれば、当然効果があるだろう。日記のような「過去」やTwitterのような「今」のコミュニケーションよりも、「未来」のコミュニケーションツールのほうが確かに広告媒体としての価値は高いかもしれない。これから同様に「未来」をベースにしたコミュニケーションツールが次々と登場してくるのではないだろうか。
非常に優れたアプリなので、だれが開発したのだろうと思ったら、開発者Jyri Engestrom氏は、Twitterとほぼ同時期に登場したミニブログJaiku(ジャイク)の共同開発者。同氏は、JaikuがGoogleによって買収されたのを機にGoogleに移籍、GoogleではLatitudeやBuzz、Profileなどのサービスを手がけたという。
このアプリはまさしく「モバイル」「ソーシャル」「ロケーション」という旬なキーワードを含むサービスになっている。この辺りのイノベーションが今最もホットなんだと思う。その最先端を探るべくTechWaveで「TechWaveと行くwhere2.0米国カンファレンスツアー」というものを組んでいます。徹底した事前の勉強と、チームによる情報収集、帰国後の勉強会で、最新の情報を徹底的に把握します。一人で参加して入手出来る情報の数倍の情報を入手できると思います。早く申し込んだほうが割安ですので、ぜひお急ぎください。詳細はこちら。