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OpenStreetMapとは、2004年にスタートした「地図界のWikipedia」とも言われるfree and openの地図プロジェクト。多くの協力者によって地図がアップデートされ、特に欧米やインドで普及しています。また2010年のハイチ地震では、地震発生後数日間で詳細地図が完成されるなど、現実の諸問題の解決にも大きく貢献しています。
今回Yahoo! Japanが地図を提供したインパクト
これまでOpenStreetMapは、有志がGPSロガーで歩いて計測した草の根的データを中心に作られてきました。特に日本では参加者数という規模感と、ビルの立ち並ぶ都市部では正確な測位が出来ないという問題を抱えていました。
OpenStreetMapは既にマイクロソフトからBingの地図(写真地図)の提供を受けていますが、今回Yahoo! Japanから地図のベクターデータを取得することで、ベースとなる地図情報が圧倒的に増えました。これは塗り絵の下地のような位置づけです。
下地が提供されることよって、ユーザーは今後その上でより細かい情報の編集に集中することが出来、最新かつ最も役立つ地図作りが加速されます。
これがfree and open(無料で自由) で提供されるわけですから、これまで地図とその付加情報の提供でビジネスを行っていた企業にとっては驚異になるでしょう。地図そのものがビジネスではなく、その上のレイヤーで何をするかが問われることになります。
GoogleMapsと何が違うの?
現在、GoogleMapsを利用したサービスが広範に普及しています。地図にオーバーレイすることで簡単に情報を付加する仕組みです。しかし、これは地図そのものを編集しているわけではなく、個々のサービスで個別にマッシュアップしているだけです。しかも、元地図を原著作者から提供を受けているGoogleMapsを利用することは、あくまでもそのライセンスに縛られた利用でしかありません。
一方、より自由なOpenStreetMapでは、ユーザーによる編集が出来ます。そのため、位置情報に関するあらゆるデータを一つにまとめ、共有することが可能になります。editが開かれていることによって、貢献者間の競争も加速され、正確・有益な情報がより早くアップデートされます。このCGM的な取り組みがGoogle1社のサービスよりも力を持つことは言うまでもありません。実際ドイツでは、街路樹の1本1本までがOpenStreetMapで表示されている都市もあるそうです。
OpenStreetMapの理念は、あらゆる位置情報を一元的にまとめ、多くの人の手に届ける自由な地図の提供です。今回の提携により、この発想が日本でもより広まるでしょう。また、根本的な問いとして、何のための地図(位置情報)なのかという、価値の問題が非常に重要になっていくと思われます。
そこで、4月に米国で開催される世界最大の位置情報に関するカンファレンス「Where2.0 2011」ツアーを企画しています。
位置情報がこれからのビジネスにどの様に活かされるかに興味のある方、編集長の湯川とともに最大限の情報収集・コネクション作りをしませんか?
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