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米Amazonが音楽クラウドサービス開始 【湯川】

[読了時間:1分]

 米Amazon.comは、購入した楽曲をインターネット上に保管し好きなときに好きなデバイスで聞くことのできる音楽クラウドサービスを開始した。米AppleやGoogleも同様のサービスを準備中と報じられているが、Amazonが音楽クラウドサービスに一番乗りした格好だ。まずは米国内でのみのサービス展開となる。

 米Amazonのサイトによると、Amazon MP3ストアで購入した楽曲はAmazon Cloud Driveと呼ばれるネット上のAmazonのサーバーに記録される。サーバーは5GBまで無料で利用できるが、MP3のアルバムを購入すればさらに20GBまで無料で利用できるという。楽曲は、パソコンを使って聞くことができるほか、Amazon MP3 for Androidと呼ばれるアプリをインストールしたAndroidデバイスで聞くことも可能。


 発表文によると、Amazonで購入した楽曲でなくても、AACもしくはMP3形式であればCloud Driveに元ののビットレートでアップロードすることが可能。購入した楽曲はCloud Driveにアップロードできるほか、これまで通りダウンロードしてiTunes やWindows Media Playerで楽しむこともできるという。

 Cloud Driveに記憶させた楽曲をパソコンで聞くにはCloud Player for Webを使う。Cloud Player for Webは、Internet Explorer,、Firefox、Safari for Mac、Chromeに対応しているという。

 Cloud Driveに記憶させた楽曲をAndroidデバイスで聞くためのCloud Player for Androidは、アマゾンがAndroidデバイス向けに配布しているAmazon MP3アプリの最新バージョンにバンドリングされているという。

 Cloud Driveには楽曲以外にも、写真、ビデオ、書類などのファイルを記録させることも可能で、20GBの容量を年間20ドルで利用できる。

【追記】DRMがかかっていない楽曲ならiTunesストアで購入したものでもCloud Driveにアップロードできるもよう。情報源:米米Engadget

蛇足:オレはこう思う

Amazon、Apple、Googleの三つ巴の戦いになった。Appleは音楽クラウドサービスに一番乗りするとみられていたが、今のところサービス開始は今秋にずれ込むという見方が支配的。一方でGoogleは同様のサービスを5月に発表するのではないか、と見られている。

Amazonはこれまで電子書籍リーダー「Kindle」のアプリをiPhoneやiPadなどのiOSデバイス向けにも提供してきた。しかし今回はAndroidデバイス向けのみ。でもそれは、iOSデバイスがフラッシュを搭載していないという技術的理由ではなさそう。米TechCrunchによると、フラッシュをブロック設定したMacBook AirでもCloud Player for Webを利用できるという。

ということはAmazonのAppleへの対抗心の現れではないだろうか。もちろんAmazonがiOS向けにアプリを開発しても、同様のサービスを計画しているAppleが認可するわけはないだろうけど。

先日のエントリーでAmazonとAppleの対立の構図を指摘したばかりだけど、正直Amazonがここまで全面的にAppleに対抗するつもりだとは思わなかった。(AmazonがAndroid Appstoreを開設した理由【湯川】 : TechWave

Amazonの先制を受け、Apple、Googleはどう出るのだろうか。特にApple。これまでいい意味でユーザーを驚かせ続けているAppleが、このままおとなしくAmazonのサービスとそう変わらないサービスを出してくるとは思えない。

でもそれよりも問題は、日本のプレーヤーがどう出るか。

先日も日本のテレビ局関係者と話をしていたら「コンテンツをクラウドで楽しみたいという人って湯川さんくらいのもんでしょ。ハハハ」と言われてしまったけど、世界のメディアコンテンツがクラウド上に乗り始めたら、時代の流れがそっちの方向だと認識する人がさすがに日本でも増えるのではないかと思う。

それとも日本語の壁と日本独自のコンテンツを盾に、世界の流れと違う方向へ進もうとするんだろうか。

ところでこのサービス、著作権的にどうなんだろう。米国でもこれから法廷で争われるんじゃないかなあ。

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