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田中祐介氏が描く近未来 「TVCheck(テレチェック)」から始まるライフログの形【 増田(@maskin)真樹】


[読了時間:2分]

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 ある調査によれば、25歳までのイギリス人の80%がテレビを観ながらソーシャルメディアを利用しているのだという。ボーッとテレビを眺めているのもいいが、FacebookやTwitterでつながっている仲間と自分が観ている番組やその意見などを共有することで確かに面白味は倍増する。ピド代表取締役社長の田中祐介 氏は「スマートフォンの存在により身近なライフログを残すことが容易なったので、うまくアレンジすることで “スマートフォンでテレビはもっと楽しくなる”」と話す。

 そんなピドが9月21日にリリースしたiPhoneアプリ「TVCheck」は、観ている番組についてソーシャルメディア(FacebookとTwitter)に投稿できるというもの。放送中の番組リストから番組を選択してチェックイン。コメントを付与することもできる。投稿数の多い番組ランキングリストも用意されている。



 テレビ番組に関係する チェックインできる アプリは、8月8日にジェネシックスから発表された「TuneTV」や「テレBing」などいくつかのものがあるが、「TVCheck」は、テレビアプリとして完成形を目差すというよりは、ライフログとして今後は BS/CS/ラジオや映画、音楽、雑誌、本などのエンターテインメントコンテンツで多方面に展開するための試金石と促えている点が大きく異なる。

 ピドの田中祐介氏は、ウェブ制作の学生ベンチャー電脳隊の創業者として知られた人物。Yahoo!JAPANに売却後、モバイル広告のフラクタリスト(ngi groupに吸収合併)を創業。海外進出の支援をした後、ピドを設立した。

 モバイルインターネットの黎明期から最前線で関わってきた彼は、これまでメインで活動してきたフィーチャーフォンの分野ではなく、昨年頃から急激にシェアを伸ばし始めたスマートフォンに照準を合わせていきたいと考えてピドを創業した。「スマートフォンならライフログを容易残すことができる。ソーシャル×ライフログで新しい市場を構築してみたい」(田中氏)その考えからまず生まれたのが「TVCheck」である。

ライフログについては、スマートフォンの普及により、アメリカでGetGlueMisoといったエンターテイメントコンテンツをテーマにソーシャルネットワークで共有するサービスが盛り上がりだしていることもあり、日本でも類似のサービスを試行的に立ち上げて見ることにしました。

特にテレビはTwitterなどのソーシャル向けのコンテンツとして相性が良いと思い、まずはテレビをテーマにサービスを提供開始しましたが、映画や音楽、本などいろいろなコンテンツに応用して試す考え。

うまく利用を促進するには、ユーザーが「自分はこういう番組に興味がある」ということをソーシャル上に流したいという衝動を喚起したり、「仲の良い友達(や、有名人等)が見ている番組なら、見てみたい」という視聴ニーズを掘り起こすなどが必要で、こういった部分を伸ばし「テレビひいてはエンターテインメントコンテンツはネットでもっと楽しくなる」と感じてもらえるようなサービスにする。

最終的には、メインライフログの活用とそこから得られるインタレストグラフと呼ばれる趣味・嗜好性を共通にもつ人同士のコミュニケーションを支援して楽しめるサービスをいろいろ展開していきたい(ピド/田中祐介氏)。

 マネタイズはまだ未知数で、放送局とのタイアップや横展開した際のアフィリエイト収入などを想定しているとのこと。激化しそうなスマートフォンxライフログの分野でどんな善戦を見せてくれるのか楽しみだ。

【リリースキャンペーン実施中】
ピドでは「TVCheck」のリリースを記念し、 iTunes ギフトカード 5000円分が 10 名に当たるキャンペーンを実施する。キャンペーン期間は2011 年 9 月21 日から2011 年 10 月 20 日まで。利用登録を行った上、twitter 上に公開する形でテレビ番組へのチェックインを 10 回以上(ただしチェックイン回数は 1 日最大 3 回まで)行った利用者の中から抽選で 10 名様にプレゼント。

【関連URL】
・App Store – TVCheck
http://itunes.apple.com/jp/app/id459397638?mt=8
・モバイルで世界の人々の生活向上を図る:ピド株式会社
http://www.pido.jp/

蛇足:僕はこう思ったッス
アプリ自体は生まれたて感があるシンプルなもの。ただ、田中氏の話を聞くと、その裏に隠れた壮大な試みにワクワクする。ライフログという言葉でくくってしまうと、既存の類似アプリを思い浮かべてしまうが、田中氏のこれまでの経歴と “スマートフォンに集中” するという体制をみれば、何か大胆なことをやってくれそう、と思わずにはいわれない。

著者プロフィール:TechWave副編集長・イマジニア 増田(maskin)真樹
 8才でプログラマ、12才で起業。18才でライター。日米のIT/ネットをあれこれ見つつ、生み伝えることを生業として今ここに。1990年代は週刊アスキーなど多数のIT関連媒体で雑誌ライターとして疾走後、シリコンバレーでベンチャー起業に参画。帰国後、ネットエイジで複数のスタートアップに関与。フリーで関心空間、富裕層SNSのnileport、@cosme、ニフティやソニーなどのブログ&SNS国内展開に広く関与。坂本龍一氏などが参加するプロジェクトのブログ立ち上げなどを主導。“IT業界なら地方で成功すべき”という信念で宇都宮市から子育てしながら全国・世界で活動中。emacs使い。イベントオーガナイザー・DJ・作詞家。 / ソーシャルアプリ部主宰。大手携帯キャリア公式ニュースポータルサイト編集デスク。
メール maskin(at)metamix.com | 書籍情報・詳しいプロフィールはこちら


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