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ad:tech tokyo 2019 プレゼンテーションステージ:ライフプランセミナーレポート

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2019年11月27日(水)-28日(木)の2日間に渡り、東京国際フォーラムで開催された「ad:tech tokyo 2019」。今年で11回目を迎えたこのマーケティングカンファレンスには、広告主、エージェンシー、ソリューションプロバイダー、メディアなど、各ジャンルのマーケターが集結。豪華なカンファレンス・プログラムが勢ぞろい、大小さまざまなプレゼンテーションが会場の至る所で開催される中、VUELOO inc.がキャリアプランをテーマにしたパネルセッションを開催、岩瀬昌美氏(VUELOO inc. COO兼CMO)加藤未侑氏(キリンホールディングス株式会社)、インタビュアーとしての中村大亮氏(オフィスDK代表)が登壇した。「あなたのライフプラン創りませんか? 働くことは生きること~ライフワークインテグレーション」と題されたセッションでは、働き方改革が叫ばれる中、特にライフステージの変化が大きい女性がどのようにして働いていくか、「働く」ということに向き合うか?をテーマに40分ディスカッションが行われた。

ライフワークバランスよりライフワークインテグレーション

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プレゼンテーションの中で特に話されていたのは、タイトルにもある「ライフワークインテグレーション」。ライフステージは常に変化するものであり、その安定性なんかは誰にも予想のつかないもの。働く女性としての自分、妻としての自分、母としての自分、1人の人間として持っている色々な“自分”を切り分けることをせずにした方が、より面白く「働く」ということに向き合えるのではないか、と岩瀬氏は語った。加藤氏も、20代の頃はプライベートも仕事も切り分けて、かつそれぞれが充実していなければいけない!という強迫観念にも似たものがあったそうだが、「ライフワークインテグレーション」の考えに触れ、実際に自分がワーキングマザーになったとき、「今は家族との時間が一番多いし、正直それ以外の人に会う時間や機会がない。だけれど、今は子育てや家族との時間が一番楽しいから、それ以外を無理に充実させようと思わなくて良いのだと考えるようになった」との心境の変化もあったと述べた。

日本は恵まれている

米国在住歴30年近くになる岩瀬氏。同氏は、日本では「働く」ということと「プライベートタイム」を切り分けてそれぞれが充実していなければならないと思う傾向があるが、それは恵まれた環境だからこそ思えることなのではないか、との提言した。
岩瀬氏によると、アメリカと日本を比較すた際、アメリカではどんなに良い大学を出ていても働いた経験がなければ、みんな平等に「経験ゼロ」の人材として見なされる。だからこそ、無給のインターンから、将来に向けた努力を若い頃に必死に積もうとするし、そんなアメリカ人の若い子からすると「将来の自分がどうなりたいか、に向けて今は頑張る時。だから無理にそれ以外を充実させる必要もないし、それこそが無駄な時間になってしまう」というスタンスだそうだ。

では具体的にはどのようにライフプランすればよいか


会場では、中村氏が実際に使用しているというキャリア棚卸シートというライフプランワークシートが配布された。ライフステージをタイムラインとやりがい、影響力のあった人、象徴的な仕事などと合わせて振り返り&プランニングできるようになっている。中でも重要なのは、「幸せ(やりがい)の定義」だという。自分は何をするのが好きなのか。何にやりがい、幸せを感じるのか。意外とここで行き詰ってしまう人が多いそうだが、ライフプランニングをするうえで一番重要といえる要素。大人になると、日々の仕事に追われなかなか自分と向き合うことができないかもしれないが、今は1社でずっと働く人の方が少ない時代に自分と向き合い、強み、弱み、またやりがいを見つめなおす機会も必要なのかもしれない。

まとめ

若い世代に限らず、ライフステージの変化を続ける女性にとっても通じる事かもしれません。自分自身のオリジナルの人生を見つめて、今何が必要か、何がしたいか、自分自身の立場を切り分けることなく1人の人間としてどんな女性でありたいかを考えることの中で「働く」ということに向き合うと、おのずと全てのアクションが自発的なものになり、より自分の人生そのものを楽しみながら、働いていけるのかもしれません。


加藤 美侑氏プロフィール(ad:tech tokyo 2019 サイト内)
中村 大亮氏プロフィール(ad:tech tokyo 2019 サイト内)
岩瀬 昌美氏プロフィール(ad:tech tokyo 2019 サイト内) 岩瀬氏著書:「できるアメリカ人11の「仕事の習慣」

岩瀬氏連載:「米国マーケティング新潮流を追う」

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