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米ROSS Intelligenceは2016年5月5日、同社が開発する法令調査用人工知能「ROSS」が法律事務所「Baker & Hostetler」で採用されたことを発表した。「ROSS」は、IBMが展開する商用のグニティブ・コンピューティングサービス「Watson」を利用したもので、大規模なデータを分析し、自然言語による対話で質問に答えていくというもの (冒頭のイメージは動画 “The Future of IBM Watson”より)。
弁護士が人に話すかのごとくROSSに質問をすれば、ROSSはデータベースから法律や証拠を収集した上でその結論や関連の高い情報を返してくれる。ROSSは、最新の判例をウォッチし、弁護士とのやりとりを学習し、経験を積んで成長するという。
ROSS Intelligenceは、2014年にカナダのトロント大学で創業したスタートアップ。2015年にはシリコンバレーの有名アクセラレーター「Y Combinator」のプログラムに参加後、出資を受けた。今回の“就職”は初めての事例だという。
【関連URL】
・ROSS Intelligence announces partnership with BakerHostetler
http://www.prnewswire.com/news-releases/ross-intelligence-announces-partnership-with-bakerhostetler-300264039.html
蛇足:僕はこう思ったッス
同社はYCからの出資後、グローバル企業の弁護士が集まるシリコンバレーにもブランチを置いているようだ。もちろん、弁護士のアドバイスなどを受けるためだろう。あのエリアの弁護士は、世界の判例を手がけることも多いため、ROSSが海外で就職することも十分考えられる。
人工知能は、良質かつ膨大なインプットがあるほど機能するもの。判例検索はまさにぴったりの領域なのだろうと思う。