サイトアイコン TechWave(テックウェーブ)

エアークローゼットが試着ECに進出、第一弾パートナーはユナイテッドアローズ

女性向けの月額定額ファッションレンタルサービス「airCloset」を運営するエアークロゼットは2017年10月2日、airClosetの運営で培ったパーソナルスタイリングの知見・ノウハウを応用したECプラットフォーム「pickss(ピックス)」の運営を開始しました。

パーソナルスタイリストが選んだ5点分のファッションアイテムを試着できるというもので、1回あたりのスタイリング料金は2800円(税抜)。送料や返送料は無料です。1点以上購入すればスタイリング料金分の2800円が割り引かれるのに加え、購入点数に応じて最大15%OFFになる仕組みです。

パーソナルスタイリングの仕組みをECに

エアークロゼットは独自に開発した「スタイリング提供システム」で特許を取得しており、そのシステムはこれまでレンタルサービス「airCloset」に提供されていました。今回スタートした「pickss(ピックス)」はその仕組みがもたらす「パーソナルスタイリング体験」をEC利用者に拡大したものです。

利用には会員登録が必要ですが、入会費・年会費ともに無料。AirClosetの会員は利用中のログイン情報で利用できます。

始めに好みやサイズなどをカルテとして入力。2800円でスタイリングを申し込むと、パーソナルスタイリストが選んだ5点のファッションアイテムが届く仕組みです。

購入したいアイテムが1点でもあればスタイリング料金分の2800円が購入代金から割り引かれる仕組みです。

第一弾のパートナーはブランドはユナイテッドアローズで、「UNITED ARROWS/ユナイテッドアローズ」のほか、同社のスモールビジネスユニット「Another Edition/アナザーエディション」・「Jewel Changes/ジュエルチェンジズ」の3ストアブランドからファッションアイテムが提供されます。

試着期間は3日間。NG事項として「屋外での試着」・「タグの切り離し」・「肌に直接触れる」・「お客様都合による返品」などがありますが、スタイリストが選んだ商品を自宅などで試着できるだけでなく、残った商品の返送は無料と、ブティック周りなどの時間が無いOLや主婦層にはありがたいサービスとなりそうです。

pickssはレンタルを超えるサービスになるか?

そもそも月額購読型のファッションアイテムレンタルサービスとしてサービスインした「AirCloset」ですが、後から登場したPickssはそのマーケットの隙間を埋める位置づけのものなのでしょうか? エアークローゼット代表取締役社長 兼 CEO 天沼聰 氏に伺いました。

代表取締役社長 兼 CEO 天沼聰 氏

「AirClosetを始めた時からの理念なのですが、レンタルはあくまで“ファッションとの新しい出会い体験を感動する”という、その大きなの中の通過点に過ぎません。

レンタルであれば、いろいろな洋服に出会えるというものと、心理的ハードルが下がって “せっかく届いたから着てみようかな” という体験がしやすくなると思ってのことなんです。

人がファッションアイテムの買い物をするとき、自分が似合うブランドとか色とか固定概念で幅が決まってしまいがちになるんです。結果として、固定概念の外にあるものを選ぶ機会が無くなってしまいます。

それを無くすのがパーソナルスタイリストの存在で、今回スタートした「pickss(ピックス)」もスタイリングが選んだアイテムを自宅で実際に試着してコーディネートを試してもらうことでファッションとの新しい出会い体験を提供しました」(天沼氏)。

「pickss(ピックス)」は、システムこそ新たに構築したものの購読性レンタルサービス「AirCloset」のスキームとほぼ同じもので、パーソナルスタイリングによるファッション体験提供を軸に、サービスの幅を拡大していく考えの流れで生まれたもの。レンタルは定期購読型のサービスですが、調査によればレンタルによるファッションでの出会いをきっかけに、新たな二ファッションアイテムを購入する機会が増える傾向があるといいます。

そこに投入されたEC「pickss(ピックス)」は都度申し込みのモデルですが、今後パートナーをさらに拡大しブランドやジャンルなどを超えた多様なファッションアイテムを組み合わせたパーソナルスタイリングを提供できるようにする計画で、将来的には小売店頭での購入時に「AirClosetのパーソナルスタイリストがアドバイスをする」(天沼氏)可能性も考えられるとのことです。

【関連URL】
・pickss サービスサイト
https://www.pickss.jp/
・airCloset(ファッションレンタル) 
https://www.air-closet.com/
・オンラインファッションスタイリングサービス「pickss」へウィメンズ3ストアブランドが参画
http://www.united-arrows.co.jp/news/corp/2017/10/079688.html
・エアークローゼットが新規事業「pickss(ピックス)」発表、2017年10月からECプラットフォーム展開へ
http://techwave.jp/archives/airclose-introduced-pickss.html

蛇足:僕はこう思ったッス
 米Amazon.comの試着サービス「Prime Wardrobe」(参考「米Amazon、Prime会員向けにファッションアイテム試着サービスを発表」)に類似する部分もあるのだが、エアークローゼットの違いはパーソナルスタイリストが介在するところに大きな違いがある。本文で述べたように、自分で選んでいる以上、自分に似合うという固定概念から出ることはなかなか難しいからだ。天沼氏はエアークローゼットのスタイリングにおける知見は、最終的には「スタイリングの科学」としてまで完成させていきたい考えだ。
モバイルバージョンを終了