サイトアイコン TechWave(テックウェーブ)

プロジェクト管理ツール「Asana」はリモートワークでの「チームが何をやっているわからない」を解消する

Asana

リモートワークが一気に推進され、これまで対面を前提としていた業務全体が“会社にいなくてもできる”という認識に変わり始めるのは時間の問題だろう。しかしながら、しばらく時間が経過すると「誰が何をやっているか全体を把握できない」という大きな問題に直面することになる。

そこで注目したいのが「Asana」(アサナ)だ。プロジェクト管理サービスやHRサービス全体の導入が遅れている日本では、全くと言っていいほど知られていないが、欧米ではプロジェクト管理を使うのは当然の話。これを中心に、さまざまなクラウドサービスと連携して使う。その再注目株として世界で注目されているものが「Asana」である。

AsanaはFacebookの共同設立者Dustin MoskovitzとGoogle/FacebookのエンジニアだったJustin Rosensteinによって2008年に設立され、現在、米国内で株式上場申請中となっている。2019年から日本にもオフィスが設置された。

「Asana」はチームの動きを見える化する

プロジェクト管理ツール「Asana」は、一言でいえばチームメンバーがタスクをどんどん入力していくタイプのクラウドツールだ。

一見すると、ChatWorkやToDoリスト管理サービスのようにも見えるが、「Asana」は単なるタスクのリストを管理するツールというわけではない。組織とチームメンバー、プロジェクト、タスクが層を成して構成されており、それぞれのプロジェクトやタスクにはチャット等でコミュニケーションをする機能がある。

組織のプロジェクトをすべて「Asana」ベースで展開することで、一体その組織にはどんなプロジェクトがあり、どんな人がどんなタスクをどう進めているかを誰もが把握できるようになる。事業全体のマネジメントが楽になり、新人のOJTなどの負担が大幅に軽減されるなどのメリットがある。そしてもちろんコミュニケーションがある程度制限される、リモートワークにおいては最強といってもいい力を発揮するのだ。

Slackやチャット・ビデオ会議は「仕事のための仕事」を解消しない

冒頭で述べた「誰が何をやっているか全体を把握できない」という問題は、実はビジネスの本質を突いている。米マッキンゼーが2012年に発表して有名なレポート「The social economy: Unlocking value and productivity through social technologies」では、業務全体のうち「仕事のための仕事」に6割もの時間を割いていることが明らかになっている。リモートワークで、いつでもコミュニケーションが制限され、全体が見渡しにくい状態になると、この「仕事のための仕事」の時間が増えていってしまうのだ。

日本で流行している、Slackなどのビジネスチャットは、この問題をほとんど解決しない。メッセージが大量に流れるだけであり、全体を俯瞰することはできない。もちろん、対面の会議、ビデオ会議と同じ。そのため、欧米ではまず「Asana」があり、その通知にチャット等を使うケースが定番となりつつある。

「Asana」の特徴をざっくり紹介

「Asana」には非常に多くの機能がある。使い始めは、慣れるのに時間がかると思うが、触っている内に全貌がみえてくる。そうなると、一気にチームが生き生きとしてくるのだが、全貌を一言で伝えるのは非常に難しい。

例えば、チームメンバーがタスクを入力していけば、こんなタイムラインも自動もつくられる。Googleカレンダーとの連携も可能だ。

有料プランへのアップグレードまたは外部サービスと連携すれば、より高度なチャートを使うこともできる。

タスク管理といえばTrelloが定番だが「Asana」にも同じビューが用意されている(Trelloの影響を受けていることを公認している)。

ただ、これはごく一部の機能だ。現在、筆者は個人のプロジェクトを含め3つ以上の組織のプロジェクトとタスクを「Asana」でリモート管理している。まだまだ使い始めの段階だが、感じていることを以下列挙してみる。

・動作が軽快
・小さなタクスをどんどん入力していける
・コミュニケーションやコメントを残せる
・ほかのメンバーがどういうタスクを抱えているかわかる
・ほかのメンバーがどういったやりとりをしているかがわかる
・組織ドメインに依存しすぎない
・Slackのように流れないのでコミュニケーションに無駄が無くなる
・対面会議やビデオ会議・電話のような同期性が不要になる
・日報などを作らなくても事業全体が把握できる
・ムダなメンションが飛びまくらない画期的な設計
・タスクやプロジェクトのカスタマイズが柔軟
・連携できるサービスが多い
・稼働時間の測定なども可能
・メンバーが自由に活動して任意でプロジェクトを立ち上げるような「ボトムアップ型」も許容する
・有料プランになると機能が大幅に増えていく
・組織が圧倒的に見えやすくなりマネジメントがやりやすくなる

「Asana」の可能性はまだまだ未知数

「Asana」を、ITリテラシーが高いとはいえない非営利のグループ(10名程度)に導入したところ、プロジェクト構成をして、すこしOJTをしただけ一気にプロジェクトが進み始めた。Slackなどもそうだが、こうしたビジネス向けツールはITエンジニア向けのUIデザインがなされていることが多いが「Asana」はその点、人を選ばないし、タスクとチャットコミュニケーションを軸に、いつの間にかプロジェクト全体が見渡されるようになるという効能をメンバーが体感した瞬間、チームに活力源が注入されるような感覚になる。

とはいえ、ここで紹介したのはあくまで「Asana」の無料プランを使った上での所感にすぎない。今後、定期的に「Asana」沼にハマった筆者のレポートを公開していこうと思う。

【関連URL】
・[公式] チームの仕事、プロジェクト、タスクをオンラインで管理| Asana

モバイルバージョンを終了