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仮想通貨取引所運営のビットバンク、セレスから8億5000万円の資金調達

仮想通貨関連事業を展開するビットバンクは本日(2017年7月12日)、スマートフォン向けポイントサイト運営等を主力とするセレス(東証一部3696)を引受先とする第三者割当増資を実施したと発表しました。調達総額は8億5000万円と事業会社単独でのFinTech分野での投資額としては類を見ない規模です。

セレス社は既存株主で持ち株比率は29.9%となるとのことです。拒否権はないものの、持分法適用会社として事業連携を推進していくことになります。なお、セレス社の代表取締役社長 都木聡氏は、ビットバンク社の取締役に就任する予定。

セレスは、2015年5月のBitFlyerとの業務提携を皮切りに、2015年8月には「CoinCheck」を運営する「レジュプレス」との資本業務提携をに交わしています。その後も、東大ベンチャーであるジャノムとビットコイン送金サービス「CoinTip」を共同開発したり、「breadwallet」を提供する米「breadwallet社」やブロックチェーンの研究開発ベンチャーである「シビラ」への出資など、ビットコインおよびブロックチェーン分野における全方位的な取り組みを積極展開しています。

ビットバンクは、ビットコイン先物取引BTCFXが可能な「bitbank Trade」を主力に、ビットコインのみならずオルトコインの取引を可能にした「bitbank for broker」およびウォレット、ホワイトレーベル提供サービスなどを展開。年率で倍程度の成長を遂げていました。

ビットバンク 代表取締役社長 廣末紀之氏は「仮想通貨交換業者が登録制になるなど、仮想通貨市場のガバナンスが前身しています。私たちは証券取引所と同じように、消費者保護の観点で資本体制を盤石にする必要があり、そういった意味で今回の資金調達は大きな一歩です」と話します。

ビットバンク 代表取締役社長 廣末紀之氏

「また、現時点で、仮想通貨の流通量はまだまだ少ない状態です。まずは、流通量を増やすこと。弊社の取引所が、その中で主要サービスとして定着することが第一で。その先にはビットコインやブロックチェーンでしかできないICO(仮想通貨による上場・参考「仮想通貨を使った新たな資金調達方法「ICO」、今年すでに65プロジェクトが5億2200万ドルを調達」)やM2M(機械間)での決済自動化といった「非現金決済社会」を実現するようなサービスを展開できるようになると考えています」(廣末氏)

【関連URL】
・ビットバンク株式会社 | 仮想通貨ビットコイン (bitcoin) の購入/投資 / BTCFX
https://bitcoinbank.co.jp/

蛇足:僕はこう思ったッス
 ビットコイン・ブロックチェーン領域のこの数ヶ月の変化が著しい。ただし、日本は特に情報が錯綜しその実態をつかみにくい状態になっているが、何ができるか・できないか、ということが分かってきたのがこの数ヶ月だった。廣末氏は「情報の非対称性を解消する必要がある」という。そのため「ブロックチェーン大学校」や取引事業者の協会なども展開しているという。ビットバンクとして取引所の運営は利益が出ているものの「本来やりたかった事業というわけではない」(廣末氏)という。取引所は流動性を高めるために不可欠なサービスであり、本来の目的は本文末にあるような仮想通貨でしかできないことを実現することにある。日本には仮想通貨関連の技術者がほとんどいないという危機的状況にあるが、政府が主導する金融サンドボックスのような取り組みを活用しながらどうにか突き抜けたいと廣末氏は考えているようだ。
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