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16時間で閉鎖したCASHが再開、事業モデルはそのまま

バンク社は2017年8月24日、事業停止を余儀なくされていたアプリ「CASH」を再開しました。

「CASH」はユーザーが所有するグッズをスマートフォンで撮影することでものの十数秒でキャッシュにすることができるサービス。2017年6月28日にスタートしたものの16時間ほどでサービス停止を決断するに至っていました

CASHは買い取りかマイクロファイナンスか

バンク代表取締役兼CEO 光本勇介 氏は「CASHでやっていることは、ファッションなど中古品の二次流通が確立しているアイテムを買い取るビジネスです。このアプリでやっていることは、瞬間でアイテムを買い取り、その代金をお客様に支払っているということなんです。この事業は貸金業としてやっているものではないんです」と説明するものの、取引キャンセル料が15%かかることや、この事業モデルをマイクロファイナンスという表現を使っていたことなどから、さまざまな議論が湧き上がっていました。

実際は、予想を超える勢いでキャッシュ化、中古品の送品が発生し、それに対応できる体制が整っていないことが事業停止の理由でした。

日経ビジネスオンラインの記事「開始直後に運営停止・炎上した「CASH」が再開」によると「アプリが公開されていた時間は16時間34分間でした。アイテムが7万2796回キャッシュ化(現金化)され、総額で3億6629万3200円でした」とのこと。

その規模もそうですが、取引の94%が1週間以内にアイテムを送品する形となり、受け入れることができなくなってしまった。そのため、再スタートにあたり「アイテム受け入れ体制を確立」し「一日あたり1000万円のキャッシュ枠」を設けるなどのチューニングを行っているとのことです。また、送品までの期間も当初二ヶ月までとしていたものの、2週間までに変更。取引キャンセル料も撤廃するなどの判断をしています。

このようなチューニングが施された「CASH」ですが、基本的なビジョンは何ら変わっていません。光本氏はサービス開始前から弁護士と協議の上、事業を組み立てており、今回の再開にあたってもこのような「想い」を公開しています。

(写真は光本氏のFacebookに投稿されたもの)

【関連URL】
・お待たせしました、再開いたします。
https://cash.jp/comeback/
・cash
https://cash.jp/
・瞬間着金するスマホ質屋「CASH」登場、Stores.jp運営ブラケット創業者 光本勇介氏の新会社
http://techwave.jp/archives/introducing-cash-from-storesjp-founder-mr-mitsumoto.html
・「CASHは買い取りアプリ。マイクロファイナンスを実現する一手段に過ぎません」バンク社 光本CEOが語る
http://techwave.jp/archives/interview-mr-mitsumoto-bank-ceo.html

蛇足:僕はこう思ったッス
 CASHは公開直後から「質屋か?違法だ」という声が散見されていた。TechWaveの独占記事「「CASHは買い取りアプリ。マイクロファイナンスを実現する一手段に過ぎません」バンク社 光本CEOが語る」を公開した後も、シロだクロだという一方的な評判が世間に広がっていった。それを炎上という言葉で表現する人も多かったが、個人的には何が燃えているのかよく分からない印象だった。しかしながら、結果として、15%のキャンセル料が撤廃され、2か月という送品期限が短縮されたことで、貸金の色が薄まっての再開。それでも、CASHの理念であるマイクロファイナンスの実現にという方向からは離れていないと彼らは考えているのだろう。注目したいのは今後だ。送品率が変動し、別のニーズが生まれた場合、どうなっていくか。次のサービスとして発表されている給与前払いサービス「PAY DAY」はどういった形になるのか。
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