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DeNA(ディー・エヌ・エー)が提供する匿名掲示板アプリ「Flat」は、同じ企業の中にいる人だけで交流できるのが特徴。
現在は、DeNAを含め数社が先行的に運用開始している状態だが、公式ページで受付を開始する。申し込みは会社のメールアドレスで行い、一定数のリクエストがある企業のみ特定の審査を経て利用できるようになる仕組み。
提供元のDeNAでは、役職や年齢に関係なく相談や情報提供できるということもありクチコミで広まり、今や社員の半数近い人が悩み相談や意見・情報交換で活発に利用されているという。アプリは、iOS版が先行提供されており。Android版も準備が出来次第リリースされる見込みだ。
以外となかった「気軽な社内の交流スペース」
匿名掲示板とはいえ同じ会社のメンバー同士しかいない空間だけに、共通の話題が多数あり気心知れる空間なのだろう。業界の知識や用語、そして同じ会社の社員としての課題感、社員としての悩みやランチやレストランなど、日常のオフィスでは話しにくい話題がどんどん投稿されてくる。
かつ、書き込み時に “個” を特定するのはアイコンだけで、しかもランダムに変わるなどの工夫が施されている。部署や役職、立場などを気にすることなく書き込みができるため、逆に社内環境の改善という観点からも有意義なやりとりが行われているようだ。
DeNA(ディー・エヌ・エー) エンターテインメント事業本部 企画推進 長井大輔 氏
「当社社内の場合、オフィスビルのエレベーターが混雑するだとか、使用するPCの話題から、社内の仕組みなどの質問は多い状況です。とはいえ、企業として公式に採用してもらうというよりは、あくまで個人のためのサービスですので、“ねむいー”といった書き込みまであらゆる内容が投稿されています。
そういった内容は、社内の日常業務ではなかなかやりとりできないものですので、人事系や総務の人も参加して内容を参考にしていて、社内改善のための課題がないかをチェックしているようです。会社の制度などについての話があると“総務です、ありがとうございます”とか“人事です検討いたします” といった発言もちらほらみかけます」(長井氏)。
DeNA エンターテインメント事業本部 企画推進部
UXデザイナー 水谷友一 氏
「会社の非公式ではない外部のサービスであるとはいえ、会社の中の人しか見ない、会社に関係のあることが投稿されるため、それを見ようと参加したいという人が多く一度利用すると継続的に使用してもらえているという状況です。
ウェブの匿名掲示板の企業板や企業内向け掲示板というものもあるのですが、書きにくさやネガティブになりにくさを回避するような考えをサービスを構築する上で心がけており、そういった観点では同じ立ち位置のサービスは他にはないと自負しています」(水谷氏)
やはり荒れるようなことはあり、通報ボタンの回数で自動で表示が制限される仕組みもあるようだが、大半は自然に治まる傾向にあるという。デザインやUX的な工夫が随所に施されており、そういった“環境”がサービスの価値を高めているようだ。
FlatのUIデザインを担当したグッドパッチ UIデザイナー 三橋正典 氏
「人が喋っている雰囲気や、人と人が互いを尊重して交流する場であること、企業の看板を背負っていることを感覚的に理解してもらうなどの工夫をしていきました。リアルの世界でいうと、いろいろな仮説を立てました、スタートアップ界隈で個が立っている人同士が雑談して、そこから何かが生まれていく世界観を理想像と定義しました」(三橋氏)
社名あり個人名なしの他社交流ラウンジ
もう一つの特徴が、社名だけは出るけど、名前は出ないというラウンジの存在。
テスト段階でラウンジの様子はこのような感じ。
社内コミュニケーションを活用しているレベル感がほどよくラウンジにも踏襲されてる空気感がある。この延長線上の展開として「勉強会の告知や、ゲーム大会の呼びかけなど、会社レベルでの募集をするなどの活用が実際考えられています」(三橋氏)。
「会社公認ではないので、モデレーター的な立場の方がいるわけではありませんが、このラウンジを社内掲示板のトーンづくりに悩む方のために参考にしてもらえるようにしたいと考えています」(水谷氏)
Facebookや実名を導入した企業内向けツールは一定規模に浸透したと思うが、逆に個人が特定できることの軋轢が発生するケースも少なくない状況。そんな中で匿名性というインターネットの特徴の一つを、今のマーケットに適用させたのが「Plat」であるといえるだろう。彼らはコミュニケーションのプラットフォームとして呼べるほどの規模まで成長させていきたい考えだ。
【関連URL】
・Flat – 会社のみんなと名前は内緒で雑談できるアプリ
https://www.flat.place/
・消えゆくあの日を想い出に、NECビッグローブが「RingReef (環礁)」投入【増田(@maskin)真樹】
http://techwave.jp/archives/51709190.html
ビジネス向けサービスの新境地、といってもいいだろう。