- 「ソラコム」がスイングバイIPOを実現、東証グロース市場上場承認 - 2024-02-22
- (更新)結果速報 LAUNCHPAD SEED#IVS2023 #IVS #IVS @IVS_Official - 2023-03-09
- 「始動 Next Innovator 2022」締め切りは9月5日(月)正午ー経産省・JETRO主催のイノベーター育成プログラム #始動2022 - 2022-09-01
[読了時間: 2分]
ニュース配信アプリ「グノシー(Gunosy)」のこの1年間の変容は目を見はるものがある。リコメンドエンジン主体から、ニュースアグリゲーションサービスへ。さらに印象的なのはそのデザインの変更である。
初期のグノシー(1stローンチ2011年10月25日から2012年末くらい)といえば、日本のITアダプター層が好きそうな機能性を主張したデザインが印象的だった。レコメンドの精度とあいまって、一部の利用者にはある主の熱中性があったように思う。
直近の大幅デザインリニューアル担当したのは「いろはす」のブランディングなどでも知られるカナリアの徳田祐司 氏。
広告サービスの驚異的なパフォーマンスが原動力
2014年3月に実施された現在のロゴへの変更にともなうサービス変更には、既存ユーザーからの反発が目についた。しかし、筆者は「大成功」と感じていた。なぜなら、一気にマスへのリーチが可能になったからだ。玄人好みのツールからの脱却。レコメンドやそれを活用した広告などの強みは良い形で残しつつ、今後の成長に対する突破口をデザインの変更に求めた結果、大きなマーケットへのリーチが可能となったのだ。
こうした大胆な変化の理由は、2013年11月の広告サービス「Gunosy Ads」の投入にある。広告主の目標CPI/CPA達成率は225%。非公開ではあるがCTRの数字も驚異的だ。この広告サービスのパフォーマンスの良さが、2014年に入ってからの成長加速の動機付けとなる。
COO 竹谷祐哉 氏いわく「広告のパフォーマンスは極めて良好。しかし、この事業を拡大するには、これまでのマーケティングのままでは頭打ちとなると考えたんです」。
思い切った戦略転換はプラスに働き、その後、推定12億といわれるKDDIからの出資によりテレビCMの露出が急増し一般層への認知度が急速に高まりつつあると共に、ダウンロード数も順調に向上。成長サイクルに入りつつあるようだ。(ちなみに旧デザインはLite版として再リリースしている)
海外で通用するか?
では、グノシーの攻略セオリーは海外で通用するのか。同社は2014年4月22日にイギリス参入、5月14日には北米参入を明らかにしている。
イギリスでのランキングはじわじわ上昇を続けており、記事執筆時点で、ニュースカテゴリで53-57位ほど(AppAnnieより)。アメリカは250位くらいだが、じわじわ上向きになりつつある様相だ。
グノシーとしては明確にイギリス、北米とセグメントしているが、これは集約するメディアで区切っているに過ぎず、英語を利用する地域にはリーチが可能。実際に、フィリピンや香港、シンガポールなどのランキングも上がってきてる。
では、なぜグノシーは海外でも成長路線に乗りつつあるか。それはまずニュースアグリゲーションサービスそのものが少ないという状況がある。例えば、イギリスで、ずばり競合というとYahoo!Digestくらい。FlipBoardも競合と考えられるが「市場に出してみないとわからないが、成長性を追求する。ゆくくは広告の勝負になるが、成果の出やすさならグノシーに軍配があがるはず」と竹谷氏はいう。
一方で グノシーは、TechWaveからの推薦でルクセンブルクで開催される有力ITイベント「ICT Spring」の数少ない日本招待枠に採択された。
採択の理由として、EU版があるということもあげられるのだが、ルクセンブルク政府側からは「欧州域内で異なる言語圏をまたぐニュースキュレーションに潜在的ニーズがありそう」という期待の声が寄せられている。
多言語展開には時間がかかるものの、地域を横断したフットワークの軽い展開が可能なのは、グノシーは現地パートナーを必要としていない点にあるといえる。一つ一つメディアと深いパートナーシップを結んでいるアグリゲーションサービスには真似のできないところあ。というわけで、そんなグノシーが、海外展開すべき理由を独断と偏見でまとめてみようと思う。
ポイントは4つ。
- メディアに依存していない(一つ一つパートナー契約しないためスピーディーに展開可能)
- シンプルなニュースアグリゲーションサービスは少ない
- 収益獲得の仕組みに強みがある
- 地域や文化、使途に応じた応用が期待される
おそらく、ニュースメディアが豊富で、スマートフォンが普及している地域には少なからず反応はあるだろう。EUのように多様な言語のニュースを集約できるフェーズに入れば、より大きなマーケットニーズをとらえることができるように思う。
それと、そもそもリコメンドエンジンは汎用可能なものであり、グノシーとしては将来的にニュース以外の応用を描く面もある。そうした多様なニーズの獲得は、日本の中で考えるより、世界を舞台にしたほうがいいはず。そう思うッス。
【関連URL】
・3分で雑談力をつける まとめ読みアプリ【グノシー】 | Softonic
http://gunosy.softonic.jp/android
・ルクセンブルクで開催の「ICT Spring 2014」、選抜10社中 TechWave/Softonic選出の2社が参加 【@maskin】
http://techwave.jp/archives/ictspring2014.html
・「Gunosy Ads」11月5日スタート、その威力と可能性 【@maskin】
http://techwave.jp/archives/gunosy_ads_launching.html
というわけで、W蛇足で言いたい放題失礼しましたー(とはいえ憶測で書いているわけではないです)