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テレビの放送を連動したCMや対話型コンテンツを展開するHAROiD社が同社が抱える460万ユーザー基盤を活用したテレビ視聴者の属性データや視聴動向を使った「HAROiD x Ad (ハロイド・クロス・アド)」の提供を2018年から開始します。
テレビ視聴 x ネットに特化
HAROiDは、日本テレビとバスキュールによって2015年5月25日に設立(参考「日本テレビとバスキュールが「HAROiD」設立」)。日本テレビ出身のHAROiD 代表取締役社長兼CEO 安藤聖泰 氏はこれまで数々のテレビxネット連動企画を展開してきており、HAROiDでは「テレビ放送事業とネットの関係性を変える」として、2020年のオリンピックに向け、他局を含めた多様な技術プラットフォームを提供していく考えを明らかにしていました。
直近では、テレビ放送にあわせてリアルタイムに視聴者が参加できる 番組企画やCM(冒頭写真は2017年6月に実施された「キリン のどごし スペシャルタイム presents だるまさんが転んだ Special」の1シーン)が好調で、特にテレビ放送からネット、そして現実の店舗への送客を狙った「O2O2O」(Onair to Online to Offline)では「HAROiDのCM施策でクーポンを入手した人の約8割が店頭に足を運んでいる」(HAROiDプロダクトマネージャー 小野寺正実 氏)ほどの成果を生んでいます。
HAROiD x Ad
「HAROiD x Ad (ハロイド・クロス・アド)」では、視聴者の年代や性別、住んでいる地域といった一般的な属性に加え、テレビの視聴データを組み合わせてオンライン広告を配信する仕組みです。
この取り組みは「ブロードバンドの活用による放送サービスの高度化に向けた技術等検証事業」として総務省公募事業に採択され、讀賣テレビ放送・静岡第一テレビと共同で実証実験を行った末に実現しています。
マス・トラッキングでできること
テレビとユーザーの関係を再構築する、と注目される「HAROiD x Ad (ハロイド・クロス・アド)」は一体、どんなテレビ視聴体験をもたらすのでしょうか?
「例えば新しいドラマを偶然、1話だけ観たとして、なんとなく観ておもしろかったなー、と思っていても2話目を観たときは“どんなんだったっけなー”と忘れてしまうことがあると思うんです。ドラマが好きとか女優が好きという人は忘れないかもしれませんが、なんとなく観た人は“面白かったなー”と思ってほとんどの人が忘れしまいます。
そんな時に “今日2話目があるよー” と知らせてくれたら “ああ、観ようかな” となると思うんです。
特に広告主さまのマーケティングという観点でいえば、カスタマージャーニーをつくってマスにはこれくらいでウェブにはこれくらいでと予算を配分してブランドのページにどれくらい来ているのかを計測したいとしても、これまではマスに対してはそこまではできなかったわけです。
現時点ではHAROiDアカウントを持っている人に限定されてしまいますが、ECに連れてくるでもいいですし、ブランドページに来た人でもいいし、店舗に来たかどうかまで実測ができます。例えば、ブランドさんがテレビCMを打ったとして、実際に店舗にどれくらい実測できるようになるわけです。
O2O2Oのモデルとして展開しているライブCMではクーポンを入手した人の8割が店舗に足を運んでいるんです。クロスセル(購入時に他の商品も買う行為)が発生していることから、広告主のみならず流通さんにとって非常にいい効果がでています。
あとはこうしたデータをどう活用して、視聴者にそれをどう返していくかということになると思うんですね。将来的にアドネットワークと連携すれば、さらに踏み込んだことができるようになりますし、より大きなデータを持っている方と組むことでHAROiDのデータをベースにした拡大推定も可能になります。こうした施策でユーザーに指示されれば価値は上がっていきますし、そういった形で貢献していきたいと思います」(HAROiD プロダクトマネージャー 小野寺正実 氏)。
「テレビとネット」の次の施策
HAROiDはテレビとネットユーザーの関係構築を軸に、放送からオンライン、そしてオフラインへと施策を展開できるようにする、そうしたビジョンに基づき事業を展開しています。その象徴ともいえるのが「HAROiD x Ad (ハロイド・クロス・アド)」事業といえます。一方で、ライブCMしかり、この仕組みの有効性を高める取り組みはまだまだ拡大が続きそうです。
最たる例としては2017年11月13日に発表されたAmazon Alexa向けのスキル「HAROiDノート」です。Alexa対応スマートスピーカーに話しかけることでレビ放送中のCMの商品や気になる俳優の情報などを記録し、インターネット上で確認・検索、購入することができるというものです。
この仕組みはスマートスピーカーありきではなく、テレビコンテンツとユーザーの関係構築のフックを作るという目的があります。テレビコンテンツの内容を機械学習で分析するなどしてメタデータ化し、ユーザーの問いかけとの橋渡しをするというものです。こうした仕組みの定着により、いよいよテレビとユーザーの関係がよりインタラクティブになるかもしれません。
【関連URL】
・HAROiD
http://www.haroid.co.jp