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IIJが仮想通貨取引事業に参入、業界リーダー17社らと合弁会社設立

インターネットイニシアティブ(以下IIJ)は2018年1月25日、デジタル処理される仮想通貨や法定通貨の取引および決済を担う金融サービスに参入します。

発表によると東日本旅客鉄道やビックカメラ、金融・保険サービス事業者ら17社らと合弁会社「株式会社ディーカレット」を設立し、各出資会社と連携しながら業界スタンダードを目指すとのことです。新会社ディーカレットのIIJ持分比率35%。

新会社ディーカレットでは、IIJがFX専業会社やネット銀行・証券会社向けに提供している通貨取引システム「IIJ Raptor」等の運用ノウハウをベースにサービスを開発する予定。

2018年度下期には、仮想通貨と法廷通貨の交換機能を含めたウォレット、仮想通貨や銀行発行のデジタル通貨による24時間365日リアルタイムでの取引・交換サービスの提供を順次開始する計画。

交換からECまで

ディーカレットでは、複数の仮想通貨および銀行の独自発行デジタル通貨などを管理できる口座機能や「適正な価格でいつでも交換できる取引所機能」(原文ママ)、およびECや実店舗向けの決済機能を提供します。

また、将来的に契約処理を効率化できるスマートコントラクトの実現も視野にいれているようです。

新会社の概要
商号 株式会社ディーカレット (英名:DeCurret Inc.)
設立 2018年1月10日
資本金(予定) 52.3億円(含資本準備金)
事業内容 デジタル通貨の取引・決済を行なう金融サービス事業
所在地 東京都千代田区富士見2-10-2 飯田橋グラン・ブルーム
代表取締役社長 時田 一広 (IIJ専務執行役員)

出資企業
・株式会社インターネットイニシアティブ
・野村ホールディングス株式会社
・伊藤忠商事株式会社
・東日本旅客鉄道株式会社
・株式会社QTnet
・株式会社ビックカメラ
・株式会社ケイ・オプティコム
・三井住友海上火災保険株式会社
・SOMPOホールディングス株式会社
・株式会社三井住友銀行
・第一生命保険株式会社
・三井不動産株式会社
・株式会社大和証券グループ本社
・株式会社三菱東京UFJ銀行
・東京海上日動火災保険株式会社
・伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
・日本生命保険相互会社
・株式会社 電通
・出資検討中の企業(ヤマトホールディングス株式会社)

【関連URL】
・IIJ、デジタル通貨の取引・決済を行なう金融サービス事業に参入
https://www.iij.ad.jp/news/pressrelease/2018/0125.html

蛇足:僕はこう思ったッス
仮想通貨が非中央集権的なインフラだとしたら、この取り組みの意義はどこにあるのだろうか?おそらく小売りから交通、保険・銀行・物流までもが目論見通り仮想通貨決済手段を全面押しで導入すれば、トランザクション自体は相当増えると思う。では、銀行発行のデジタル通貨と仮想通貨の関係はどうなるのか。“適切な”交換取引はどういう内容となるのか、見えない部分が多い。国は「イノベーション」と「利用者保護」の観点でルール作りを進めているが、この取り組みのイノベーションはどこか。しっかり見届けたいと思う。

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