- 「ソラコム」がスイングバイIPOを実現、東証グロース市場上場承認 - 2024-02-22
- (更新)結果速報 LAUNCHPAD SEED#IVS2023 #IVS #IVS @IVS_Official - 2023-03-09
- 「始動 Next Innovator 2022」締め切りは9月5日(月)正午ー経産省・JETRO主催のイノベーター育成プログラム #始動2022 - 2022-09-01
世界から注目を浴びる仙台発の音響技術スタートアップJDSoundの新プロダクト「OVO(オボ)」のクラウドファンディングプロジェクトが2018年1月17日正午にスタートしましたが、記事公開時の2時間40分ほどですでに180名以上から180万円の資金調達に成功するという勢いで支援者を集めています。
LSI設計から“音”を創造する集団
彼らの実力が世の中に知られ始めたのは2013年、世界的音響機器メーカー米Monster社が彼らが開発した小型DJマシン「GODJ」の扱いを開始した頃からえした(参考「世界的音響メーカー米Monsterブランドで国内販売開始、仙台発ファウディオ(現JDSound)のDJデバイス 【@maskin】」)。製品の完成度の高さはもとより、LSI設計からスピーカー、ソフトからハードまでを作り上げるチーム実力に世界が注目したのです。
その後、後継モデルであるスピーカー搭載型デバイス「GODJ Plus」はDJ向けデバイスでありながら、クラウドファンディングサイト「makuake」でサポーター1292名から史上最高額の5300万円以上の資金調達に成功。2017年3月に無事出荷を開始しています。
この際、製造パートナーとしてタッグを組んだのが、宮城県石巻市の「ヤグチ電子工業」でした。被災地からの復興を掲げるこのプロジェクトに挑む彼らの姿勢に多くの人が共感した結果となったのです(参考「「GODJ Plus」日本最高額に挑む被災地からの絆、日本のモノづくりの未来への希望 【@maskin】」)。
世界のどこにもない技術と品質
仙台市にあるJDSoundと宮城県石巻市の「ヤグチ電子工業」の高次元のやりとりは今回のハイレゾスピーカー「OVO」でも続きました。
「OVOのスピーカーユニットは、48mmのフルレンジユニット2つとパッシブラジエータという機構で音を鳴らしています。パッシブラジエータは発せられる低周波の音が共振を起こしてスピーカーを鳴らす仕組みで、どの周波数を持ち上げるか、低音が出つつも高音も出る、そんな音のデザインも私たちで行っています。
実際は150Hz帯を中心にできるだけ理想の音をフルパワーで出力するためにスピーカーユニット本体を資材で包み込んで筐体内に固定させないという手法を取っているんです。この方法をとらないと、スピーカーが飛び跳ねてしまうんです。こういった製品を量産するに至ったのはヤグチ電子工業さんあってのことだと思います」(JDSound 宮崎氏)。
「OVOのスピーカーは、ワイヤーの直前までがデジタル化されているんです。LRを完全に分離して処理をしているため、ステレオ感を失うことがありません。音源のまま、ちゃんと立体感のある状態で再生されるんです。このデジタル信号をそのままスピーカーに投げるという方式を実現するために日本の半導体ベンチャーTrigenceのチップ「Dnote」を採用しています。
また、OVOはUBSからの少ない電力給電で稼働するのですが、それでもパワーある音を出すためにピークパワーアシストという回路を搭載するなど、世の中に無い最高の小型スピーカーを作るためにさまざまな挑戦をしています」(JDSound 宮崎氏)。
「えらいスピーカーができてしまった」
「OVOは、GODJ Plusに搭載するスピーカーを発展させて生み出したものですが、当時の設計段階で、えらいスピーカーができてしまった。間違いなく耳の肥えたユーザーのみなさんも驚いてくださると感じたんです。実際の製品もその通りというかそれ以上の仕上がりでした。ただ、DJ向けという限られた層の人向けにとどめておくのはもったいないと感じたんです。
特に、私自身は、ノートPCやタブレットなどで映像作品を視聴することが好きなのですが、PCのスピーカーでフルボリュームにしてもぜんぜんつまらないし、何の迫力もない。とはいえ、一般に売り出されているポータブルスピーカーはBluetooth接続で、流れている映像との遅延が生じてしまうので使えない。
ならば、現代の映像コンテンツ利用シーンにフィットした、より臨場感のあるサウンドを楽しんでもらうデバイスを!と生み出したのが「OVO」です。ちなみに、プロのサウンドエンジニアの意見も聞いています。フルデジタルは素晴らしいがアナログも欲しい。というお言葉。ならばアナログポートにも対応しよう!と、ハイレゾのアナログモードも用意したんです」(JDSound 宮崎氏)。
没入感を表現する「OVO(オボ)」の未来
「OVOはポルトガル語で「卵」という意味なんです。全然卵形じゃないんですが、音に包まれる、そんな没入感を表現した言葉として採用したんです。
USBケーブルをPCやスマホに指した瞬間に高速起動して、すぐに映画に没頭できる。純粋なフルデジタルでハイレゾ。ボリュームを最大にして長く聞いていても疲れないんですね。もちろん、適切なボリュームに調整しても音の厚さや繊細さが失われることはありません。数千円のスピーカーを使っているひとなら、誰でもその差を理解していただけると思います。
スペックも音質も自信があります。前回の「GODJ Plus」はDJ向けデバイスとしては異例の5300万円をクラウドファンディングで調達することに成功しましたが、「OVO」のマーケットは10倍は下らないと思うんです。現時点におけるクラウドファンディングの史上最高額は2017年のGlafitによる1億2800円なわけですが、もちろんそをうわまわる3億円を目指したいと思っています」(JDSound 宮崎氏)。
【関連URL】
・ポータブルスピーカー「OVO」 | GREEN FUNDING プロジェクトページ
https://greenfunding.jp/lab/projects/2095/
・JDSound
http://www.jdsound.co.jp/
・記録樹立したスタートアップが生んだ映像視聴に最適なハイレゾスピーカー「OVO」のクラウドファンディング開始
http://techwave.jp/archives/jdsound-unveil-ovo-new-sound-device-on-greenfunding.html
蛇足:僕はこう思ったッス