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IT業界のトップ層が一堂に集あつまるカンファレンス&ネットワーキングイベント「Infinity Ventures Summit 2019 Summer Kobe」の最終日2019年7月12日、目玉プレゼンテーションコンテスト「LaunchPad」が開催されました。
このイベントは投資家や経営者らによる厳しい審査を経た新規事業を手がけるトップ14社が、業界キーマンらの前で最終プレゼンを行うというもの。
どんなプレゼンがあったのか、その特徴は、そして優勝者は?登壇企業14社による6分間のプレゼンテーションのレビューなど、IVS 2019 Summer Kobe「LaunchPad」の全てをお伝えしようと思います。
IVS 2019 Summer Kobe「LaunchPad」の全て
審査員はディー・エヌ・エー顧問 川田尚吾氏を筆頭に、スカイランドベンチャーズ 木下慶彦 氏、gumi 國光宏尚 氏、Klab 真田哲也 氏、ドローンファンド 千葉功太郎 氏、ウォンテッドリー仲暁子 氏、シニファン 朝倉祐介氏、サイバーエージェント・キャピタル 近藤裕文氏、エウレカ共同創設者 赤坂優氏、アカツキ 塩田元規氏、クラウドワークス 吉田浩一郎氏
14社のレビュー&コメント
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誰でも演奏できる次世代の楽器「GRIPBEATS」
https://www.gripbeats.comモーションセンサーを使ってさまざまな楽器を演奏できるデバイス。音は連携するスマートデバイスから出る仕組み。握ったりたたいたりすることで多様な表現が可能。香港ベースで、2020年に東アジアで展開予定。
蛇足)香港HKSPTなど政府系支援スキームで誕生したマルチカルチャーのチームで展開。欧米エリアにも強いが東アジアではなかなか成功してないので注目したい。
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15円からフィットネスジムに通える「Nuppl fit」
https://www.nupp1.io/日本でジムに通うのは約400万人。会員登録など面倒なことが障壁となり伸び悩むが、潜在層は約36%と資産。空き時間を使って15円からジムを利用できるサービス。ダウンロード1か月で1600件。手数料30%ほか月額会員へのアップグレード手数料が収益源。都内26カ所で展開中だが、2019年内に170店舗に拡大。都心だけで年間67.3億円の市場があり、シェアリング型にすることで日本国内で1兆円以上の市場が期待できる。
蛇足)シェアリングエコノミーは「リソースの提供&助け合い」と「遊休リソースの活用」の2つの流れがあり、こちらは後者。ただ、ヒトが介在するサービスだけで、化ける可能性も感じられる。
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パーソナライズアロマの定期購読「CODE MEEE」
https://www.codemeee.com/フレグランスの開発を10年超行ってきたCEOによって生まれた事業。ストレス課題を解消して結果にコミットする香りを個々に合わせてAIを活用することで提案提供する。月額1800円で、3000パターンの香源を組みあせて使用可能。企業向けに香りのブランディング事業なども展開。ローンチは2週間前、今後ユーザー数拡大を狙うほか横展開も加速する考え。最終的にはSaaSを目指す。
蛇足)このサービスを利用することで喫煙者が喫煙をやめるなど、日常生活の変化をもたらすという。香りは想像以上にヒトに大きな影響を与える。
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がん細胞のメールをハックする「ICARiA」
https://icariacorp.com/世界に6人に1人がガンで亡くなる。人類最強の敵。がん細胞のコミュニケーションツール「エクソソーム」を発見し、ハックすることができたら、がんの状況をリアルタイムで理解っすることができる。そのツールが「ICARIA」。独自のツールを使うことで、従来は40%以下しかなかった補足率を99%以上にする。この技術は、ガン以外の病気にも使うこともできる。今年中に世界に進出し、病気の早期発見に貢献する。
蛇足)医療系と言えばクラウドや機器、バイオといったところが目立つが、圧倒的な技術力で圧倒的なパフォーマンスを発揮する凄腕ベンチャー。
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水処理施設の検査を自動化「DeepLiquid」
https://www.anytech.io/水処理施設の水質検査を自動化する。液体・流体を監視カメラとAIで動画解析することで、今まで3日かかっていた検査が1時間で終了し、スタッフも10人から2人に削減することが可能。あわや水の流れなどの動きを解析。微生物や唐揚げの揚げ上がり、鉄のノロトリなどを動画で解析する実績もある。アルゴリズムは単一で良く、データの入れ替えでさまざまな分析に利用できる。リリース4か月で売り上げ1億円突破。最終的には地球の健康を守りたい。
蛇足)適応範囲が限られるものの、高価なセンサーを導入するよりも効果がでるのであれば圧倒的な優位性が得られる。
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写真や動画からショッピング「AIスーパーアイ」
https://markable.ai/76%のヒトが広告をスキップやブロックする。しかしAIを使うことで好みに合う情報を提供することで、購入率0.01%を0.25~2%まで向上することができる。例えば動画が流れていると、そこに出ているファッションアイテムがリアルタイムで表示されてくる。これまで同じコンセプトのサービスはいくつかあったが、UI体験が斬新で目を引く。
蛇足)SHOPLISTなどファッションECが、AIでそれをやろうとしているところもあるが、マーケットインでSNSからファッションアイテムを売っていくモデルの方が存在感がある。自動認識でどこまでいくのかウォッチしたい。
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どんな質問も応えてくれる「Help Feel」
https://helpfeel.notainc.com/カスタマーサポートは問題が多く人材難でもある。これを言語処理アルゴリズムで適切な情報に誘導する。口語や抽象表現でも対応できる。文字入力はもちろん音声入力も可能。答えはすぐ出てくるためFAQ検索の利用時間を圧倒的に短縮できる。質問から答えを探すのではなく、質問のパターンを50倍に拡大し言葉から応えを探すアプローチ。FAQのみならず行動を促す使い方も可能。導入は初期100万円~、月額20万円~、2週間で利用開始できる。日本の大企業から始まり、10倍ある世界の市場も狙う。
蛇足)エンタープライズ向けではあるが、パフォーマンス次第でカスタマーサポート人材を置き換えることになると思うし、完全にリプレースできたらインパクトは大きい。
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ショップの在庫管理から受注処理まで対応する「ロジレス」
https://www.logiless.com/ECは市場9.3円超で成長を続けているが、ロジスティクスに問題がある。これまで受注管理と倉庫管理を使っていた在庫管理をロジレスで一本化可能。ECとはAPI連携で自動処理。受注業務は66%削減し2時間、6時間かかっていた出荷はゼロになります。配送料が値上げしている問題があるが、ロジレスは全国一円に提携倉庫があるため、分散配置することで送料より安価なルートを選ぶことができる。月間25万件出荷している、対象は法人の年間35億個。
蛇足)社会課題を解決する大がかりな仕組み。分散配置はすばらしいのだが、全国マーケティングがうまくいかないと配置そのものが難しくなりそう。
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無料の在庫管理サービス「ロジクラ」
https://logikura.jp/日本には54兆円分の過剰在庫があり、倒産する会社もある。問題は供給側のオペレーションの問題。あいまいな発注と在庫管理が原因。小売り・卸売りは135万社あり、そこに対し在庫管理のSaaSおよび在庫を流動かするサービスを提供する。在庫管理は無料かつ、アプリだけで管理可能ということもあり8か月で5000社導入。マーケットプレースは今後提供予定、手数料10%および出品者月額5万円。同じ商品を売買マッチングすることが可能。動産担保融資などのにも展開予定。
蛇足)ウェブやアプリの効率化ノウハウを在庫管理に活用し、マーケットプレースで課題を解決する野心的なサービス。
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スマホで撮影するだけで完了「Dr.経費精算」
https://www.keihi.com/2012年に家計簿サービスで創業したBeartailの最新サービス。面倒な領収書の精算処理を、スマホで撮影するだけで完了する画期的な経費精算サービス。承認もワンクリック。紙の領収書は、Beartail社が照合して7年間保管。手間は20分の1,支出は7分の1.これまでの経費精算システムは月額3万円程度ですが、Dr.経費精算はゼロ。BPOで課金する。月次は18%成長。今後、経費精算を無くす取り組みとして出張手配の「Dr.Travel」などを展開。
蛇足)急成長を続けるテックスタートアップ。確実にパフォーマンスを発揮するサービスを展開してくる手腕に驚愕させられる。
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会議室予約から日程調整まで自動化「レセプショニストx調整アポ」
https://receptionist.jp/会社受付の取り次ぎをなくし、受付で担当社を直接呼び出すサービスを展開。2年前から導入2000社、100万回呼び出しを達成。しかし、アポの前の段階がアナログであったため、その調整サービスを開始。URLを送付し日程調整すると、カレンダーに反映され、コードも自動発行される。利用はレセプショニストユーザーは無料。アプリも提供するが、こちらは誰でも無料で使える。
蛇足)企業の受付周りのアナログで面倒なことを効率化するというシンプルなモデル。普及のトラクションさええられればさまざまな展開が可能になりそう。
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SaaS間で連携する「Anyflow」
https://anyflow.co.jp/今やほとんどのサービスがSaaS型で提供されているが、そのデータ等をSaaS間で連携するのは大きな手間がかかる。そこを簡単にワークフローを処理する(RPA)サービスを展開。3個までで月額3万円から。個数によって値段があがる。本日β版を公開。
蛇足)IFTTTのSaaS版といったところか。IFTTTでも問題になっていたが、小さなワークフローしか役に立たない問題はどうなるか。
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飛行機マイルを売買できる「MILE SHARE シェアリングフライト」
https://mileshare.jp/飛行機はまだ高くマイルが余っている。マイルを売買しeチケットにすることで通常4万円のチケットが1万3900円にまで削減することができる。2019年10月に国際線も展開。MILE SHAREは世界中にあるポイントを活用し、実際は売買ではなく個人間シェアによって実現。世界で航空機利用者は41億人(2017)これが倍になると予測されている。ここの特典航空券市場を攻める。現時点で会員は1万1173名、77%がリピーター。
蛇足)マイル&ポイント交換とはまたちがった世界観。
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貸し付けファンドのマーケットプレース「FUNDS」
https://funds.jp/相場に左右されず元本割れリスクが低い社債の個人向け利用を可能促進する。現在、扱える証券会社は3784社中345社のみ。社債に近い形で3%前後の固定利回りを実現する。サービスではファンド毎の財務状況やその使途などをチェック可能。購入は1円からで手数料は無料。サービス開始から半年で約1万名。販売は6社。ほとんどが1分以内で完売するほどの人気。運用残高は6.7億円。企業は最短3週間で資金獲得可能。2026年までに運用残高1兆円を目指す。
蛇足)金融ビッグバンから約20年。日本における個人とお金の関係が劇的に変化すると思いきや、非常に長い時間をかけて一つ一つ課題を解決してきたように思う。これもその一つ。
優勝は・・・
5位 スマホで撮影するだけで完了「Dr.経費精算」
4位 「無料の在庫管理サービス「ロジクラ」
3位 がん細胞のメールをハックする「ICARiA」
2位 水処理施設の検査を自動化「DeepLiquid」
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優勝 貸し付けファンドのマーケットプレース「FUNDS」
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